3 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 19:56:58.65 ID:AZQ8w7FJ0
 

「いぎゃぁああああああああ!!!!!」


突如聞こえてきた大絶叫が、ホテルの狭い通路に反射し、僕たちの耳に届いた。
とても人が出したものとは思えない、狂った叫び声だった。


(;゚Д゚)「……え?」

从;゚∀从「何だ……?」

(;`・ω・)「……」


全身がぴりぴりするような戦慄に、僕たちは動けない。思考もまともに働かない。
しかし、何が起こったのか理解していく内に、重大な事実に気がつく。
今の声は、ここにいない者の声。ここにいないのは、ドクオと、デレだ!


( ;・∀・)「デレ……!」


僕は悲鳴が聞こえてきた中庭の方を目指し、肝試しとは逆のルートを走った。



6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:04:44.48 ID:AZQ8w7FJ0
 
懐中電灯の光が、僕の体の動きと合わせて上下に揺れる。
ガレキやゴミに足を取られつつも、中庭に通ずる北側の入り口までたどり着いた。

まるで先ほどの絶叫が無かったかのように、中庭は静まりかえっていた。
デレの姿も、ドクオの姿も見えない。


(;゚ー゚)「……探そう」


しぃさんの言葉に、僕は力強く頷いた。
得体の知れない何かに備えて、僕たちは固まって中庭を探索し始めた。
背の高い草をかき分け、何か痕跡が無いか調べていったが、何も見つからない。


从;゚∀从「何なんだよ一体……」


ハインさんの愚痴が、今は力なく響いた。



10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:09:41.01 ID:AZQ8w7FJ0
 
本当に、一体何が起こっているんだ。
僕たちはただ肝試しをしていただけだ。廃墟のホテル。
危ない事は危ないだろうが、先ほどの絶叫の答えに結びつくものは何一つ無いはずだ。

ではさっきのは一体何なんだ?


(;゚Д゚)「すまねえ……」

从;゚∀从「あ?」

(;゚Д゚)「俺が誘ったせいだ……俺が連れてきたせいだ……」

从;゚∀从「……今そんな事言ってる場合じゃねえだろ」

(;゚Д゚)「すまねえ……まさかこんな事になるなんて……」


涙で滲んだ瞳が、ギコさんの罪悪感を表していた。
やっぱりギコさんは、仕掛けなんか作っていなかったんだ。
あのレストランで見た傷は、やらせなんかじゃなかったんだ。

このホテルには、何かがいる。
僕たちの想像を超えた先に存在する、何かが。



12 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:17:20.52 ID:AZQ8w7FJ0
 
出来ればイタズラであって欲しい。
デレとドクオが、僕たちを驚かせる為に、芝居をうった。そういう事にして欲しい。

でも違う。デレもドクオも、そんな事をするタイプじゃない。
そもそも、芝居であんな絶叫は出ない。あの耳にこびりつく、恐怖の叫びは表せない。


(;`・ω・)「中庭にはいないみたいっすね……」

(;゚Д゚)「……」

从;゚∀从「……」

(;`・ω・)「どうします? このホテル、そんな狭くないっすよ。探すなら手分けして探さないと……」


シャキンの言うとおりだ。
でも、もしこのホテルに化け物――そう、化け物だ。いたらどうする?
少人数で行動していれば、危険は大きくなるばかりだ。
化け物……いるのか、そんなものが。この現代に。
でも……わからない。レストランの傷、空き地の足跡、さっきの絶叫……何かがいる事は確かだ。



14 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:20:46.05 ID:AZQ8w7FJ0
 
(;゚ー゚)「ど、どうするの……」

(;`・ω・)「……」


迷っている暇なんか無い。デレの身が危険にさらされているかもしれないんだ。
一刻も早い決断が必要なんだ。


1:僕は手分けして探す事を提案した
2:僕は警察に連絡しようと提案した
3:僕はデレの携帯に電話しようと提案した
4:僕はもう一度くまなく中庭を探そうと提案した
>>17



15 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:23:12.32 ID:ItIdJ2U50
3

16 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:23:36.56 ID:ItIdJ2U50
3

17 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:24:33.56 ID:DaCCZoCqO
3



18 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:28:10.83 ID:AZQ8w7FJ0

( ;・∀・)「で、デレの携帯に電話してみましょう」


僕は震える手で携帯を取りだし、電話帳を開こうとした。


( ;・∀・)「あ……」


しまった。忘れていた。ここは圏外だったんだ。
というか、電話が出来るなら誰かがしていただろう。
慌てるな。落ち着け。僕が取り乱してどうする。

デレとドクオの命がかかっているかもしれないんだ。
何とかしなくちゃ……!

1:僕は手分けして探す事を提案した
2:僕は警察に連絡しようと提案した
3:僕はもう一度くまなく中庭を探そうと提案した
4:僕はみんなで歌を歌おうと提案した
>>20



20 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:28:41.63 ID:ItIdJ2U50
3



23 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:36:34.34 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「もう一度この辺りを探しましょう。暗いから、何か見落としていたのかもしれない」

从;゚∀从「ああ……そうだな」


僕たちは再び中庭に散らばって、辺りを探し始めた。
でも、何も見つからない。この中庭にあるのは、せいぜい邪魔な雑草くらいなんだ。


( ・∀・)「……!」


待てよ……確か他にもあったじゃないか。銅像だ。


( ;・∀・)「すいません……! 近くに銅像がありませんか!」


懐中電灯の光が、僕に集まる。答えは一様に、NOだった。
無くなっている。あったはずの銅像が、無くなっている。

銅像が勝手に歩いてどこかへ行ったのか? そんなはずはない。
つまりあれは、銅像じゃなかった!



25 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:43:05.96 ID:AZQ8w7FJ0
 
(;゚Д゚)「……マジかよ」


この事を話すと、みんなの顔が恐怖で凍り付いた。もはや疑いようが無かった。
いたんだ。この中庭に。デレとドクオを襲った、人の形をした何かが。


从;゚∀从「警察に連絡しよう」

(;`・ω・)「待って下さい。デレとドクオはどうするんすか」

(;゚ー゚)「……」

从;゚∀从「もう俺たちの手に負える事じゃねえだろ。
      正直に話して、警察に任せるしかない」

(;`・ω・)「あいつらを置いていく事は出来ません。俺は残ります」

(;゚Д゚)「……俺も残る」

(;`・ω・)「いや……ギコさんは一緒に行って下さい。女だけで行くのは危険だ。俺は一人でいい」

(;゚Д゚)「……わかった」


ギコさんは、割とあっさり承諾した。シャキンだからこそだろう。
他の者なら、きっと必死に止めたはずだ。駄目だ。危険すぎる、と。



27 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:45:45.34 ID:AZQ8w7FJ0
 
(;゚Д゚)「しぃ。お前も来るんだ」

(;゚ー゚)「……うん」

(;゚Д゚)「モララーはどうする?」

( ;・∀・)「ぼ……僕ですか」

(`・ω・´)「俺に遠慮する事はねえぞ。むしろ、お前がいちゃ足手まといだ」

( ;・∀・)「……僕は」


1:「一緒に残るよ。デレたちを置いてはいけない」
2:「……わかった。僕もギコさんたちについていく」
3:「やらないか」
>>28



28 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:46:25.81 ID:ItIdJ2U50
3



30 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:54:57.93 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ・∀・)「やらないか」


そういうと僕は、実は着ていたツナギのホックを外し始めた。
ホモセックスはお手の物だ。シャキンをトイレに連れて行くと、無理矢理素っ裸にした。


( ・∀・)「いいのか? 俺はノンケだってかまわないで食っちまう人間なんだぜ」

(*`・ω・)「こんなこと初めてだけど……モララーさんみたいな人、好きですから……」

( ・∀・)「嬉しい事いってくれるじゃないの」


僕は今まで培ったテクニックの全てを尽くし、シャキンと愛し合った。
密室のトイレは暑苦しく、汗で湿度はさらに上がる。
ぐしょぐしょになった体をこすり合わせ、快楽の波へ溺れていった。



気がつけば、朝がきていた。デレとドクオはどうなったんだろうか。
でも今の僕には、すやすやと寝息を立てて眠るシャキンしか見えていない。
ああ……今日から始まるんだ。シャキンと僕の、眠らない営みが……。


糸冬「モララー×シャキン」





31 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:56:04.46 ID:AZQ8w7FJ0
 
(;゚Д゚)「モララーはどうする?」

( ;・∀・)「ぼ……僕ですか」

(`・ω・´)「俺に遠慮する事はねえぞ。むしろ、お前がいちゃ足手まといだ」

( ;・∀・)「……僕は」


1:「一緒に残るよ。デレたちを置いてはいけない」
2:「……わかった。僕もギコさんたちについていく」
>>34



32 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:56:58.28 ID:DaCCZoCqO
2

33 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:57:31.68 ID:ItIdJ2U50


34 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 20:58:04.29 ID:ItIdJ2U50




36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:03:58.36 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「一緒に残るよ。デレたちを置いてはいけない」

(`・ω・´)「そうか……そうだな。わかった」

(;゚Д゚)「……すまん。すぐ呼んでくる。それまで辛抱していてくれ」

(`・ω・´)「わかりました」


ギコさんは、震えるしぃさんの肩を抱いて、北側の出入り口へ駆けていった。
ハインさんは一瞬迷ったようだが、名残惜しそうに僕たちを見た後、ギコさんの後を追っていった。


(`・ω・´)「……モララー、どうする? ここに残ってお行儀よく留守番するつもりか?」

( ;・∀・)「……いや、そんなつもりは無いさ。探そう。2人を」

(`・ω・´)「よし。俺に離れるなよ」


シャキンは西側の出入り口を目指し、歩いていった。
僕も周りを警戒しつつ、彼についていく。シャキンがいれば、いつ襲われてもまず大丈夫だ。
……2人を襲ったのが、並の人間だったらの話だけど。



39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:07:56.90 ID:AZQ8w7FJ0
 
ホテルの中に入ると、シャキンは僕の方を振り返って言った。


(`・ω・´)「何処を探したらいいと思う?」

( ;・∀・)「……えっと」


相手の意図がわからないから、何処を探せばいいのかわからない。
果たして逃げているのか。待ち伏せしているのか。


( ;・∀・)「とりあえず……」


1:「最上階から探していこう」
2:「一階から順に探していこう」
3:「肝試しとは逆のルートを探してみよう」
4:「やらないか」
>>41



40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:10:18.44 ID:DaCCZoCqO
4

41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2008/04/16(水) 21:10:51.42 ID:quPIyLLvO
4



42 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:11:38.27 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ・∀・)「やらないか」


そういうと僕は、実は着ていたツナギのホックを外し始めた。
ホモセックスはお手の物だ。シャキンをトイレに連れて行くと、無理矢理素っ裸にした。


( ・∀・)「いいのか? 俺はノンケだってかまわないで食っちまう人間なんだぜ」

(*`・ω・)「こんなこと初めてだけど……モララーさんみたいな人、好きですから……」

( ・∀・)「嬉しい事いってくれるじゃないの」


僕は今まで培ったテクニックの全てを尽くし、シャキンと愛し合った。
密室のトイレは暑苦しく、汗で湿度はさらに上がる。
ぐしょぐしょになった体をこすり合わせ、快楽の波へ溺れていった。



気がつけば、朝がきていた。デレとドクオはどうなったんだろうか。
でも今の僕には、すやすやと寝息を立てて眠るシャキンしか見えていない。
ああ……今日から始まるんだ。シャキンと僕の、眠らない営みが……。


糸冬「モララー×シャキン」





44 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:12:44.71 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「……えっと」


相手の意図がわからないから、何処を探せばいいのかわからない。
果たして逃げているのか。待ち伏せしているのか。


( ;・∀・)「とりあえず……」


1:「最上階から探していこう」
2:「一階から順に探していこう」
3:「肝試しとは逆のルートを探してみよう」
>>46



45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:14:54.76 ID:ItIdJ2U50
2

46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:16:07.78 ID:ItIdJ2U50
2



48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:23:19.32 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「一階から順に探していこう」

(`・ω・´)「よし」


僕たちは、突き当たりの壁まで行き、そこから順々に部屋を覗いていった。
時間はかけていられない。誰もいないとわかると、すぐ次の部屋へ。
それを繰り返し、一階の全ての部屋をチェックした。
人影はもちろん、誰かの痕跡すら見つからなかった。


(`・ω・´)「二階に行こう」


シャキンの力強い声が、僕の唯一の支えだ。
時間と共に不安になっていく心を、立ち直らせてくれる。
僕たちは肝試しの時に通った階段を使い、二階へ上った。


( ;・∀・)「!」


階段を上りきる直前。懐中電灯の光に、何かが映った。
一瞬だったが、シャキンにも見えていたようだ。顔を緊張させている。
その何かは、レストランの方へ入っていった。
僕たちは抜き足差し足で、レストランの入り口をくぐった。



50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:28:06.87 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「……」

(;`・ω・)「……」


レストランの中に、遮蔽物は少ない。
入ってすぐの所に立ち、懐中電灯で中の様子を探った。

このレストランは、相変わらず酷い有様だ。
懐中電灯の光に、空中に舞う埃がキラキラと反射する。


( ;・∀・)「……誰も」


いない、と言おうとした時、シャキンの手が僕の口を覆った。
シャキンは目線だけで、前を見ろ、と言った。
シャキンの手が動き、それに合わせて、懐中電灯の光が地面を這っていく。


( ;・∀・)「……!!!!!」


光に照らし出されたのは、俯せに倒れている人間だった。
タイトなジーンズと、艶やかなワンピースを着た、人間の女。
デレだった。



51 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:33:14.16 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「……」

(;`・ω・)「……」


口を覆う手が、ゆっくりと外される。
周りを十分に警戒しつつ、僕たちはデレに近寄った。

側まで寄ると、僕は思わず走り出した。
倒れた体に手を入れて、上半身を抱き起こす。


( ;・∀・)「デレ……デレ!」


デレは目を閉じたまま、動かない。最悪の事態を考えた。
しかし幸いに、デレはただ眠っているだけだった。


( ;・∀・)「シャキン……デレは大丈夫だ。寝てるだけだ」

(;`・ω・)「そうか……」


シャキンもほっとしたようだ。緊張した顔をゆるめ、ため息をはき出している。
残ったのはドクオである。彼を捜さなくてはいけない。腐っても友達だ。



53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:38:41.14 ID:AZQ8w7FJ0
 
ぴちゃん。

液体が落ちる音。

ぴちゃん。

それはすぐ傍から聞こえた。

ぴちゃん……ぴちゃん……。


僕はデレを抱えたまま、周りを見渡した。しかし音の元は見つからない。


ぴちゃん……ぴちゃん……ぴちゃん……ぴちゃん……。


シャキンを見た。青い顔をしている。シャキンの前に、水たまりが出来ていた。
赤い水たまりだった。そこに滴が垂れ、音を出していたのだ。


1:僕はゆっくりと上を振り向いた
2:僕はデレを抱えて、その場から飛び出した
3:僕は上を見ないようにして、抜き足差し足でその場を離れた
>>55




54 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:39:47.76 ID:bZZOjCF50
1

55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:41:01.47 ID:ItIdJ2U50
1



57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:49:33.95 ID:AZQ8w7FJ0
 
僕はデレの体をしっかりと抱き留め、恐る恐る上を向いた。
――緑色の目が、僕を睨んでいた。


(;`・ω・)「うあああああああ!!!」


シャキンが懐中電灯を投げつけた。
そいつの頭に当たると、懐中電灯は割れ、光を失った姿で床に落ちた。

同時に、上から緑色の目が降ってくる。
相当な重量があるらしく、四つんばいで降り立った時、地面がへこんだ。
床に置いたままになっている僕の懐中電灯が、そいつを照らした。


「カァァァァ……」


そいつの体を見たとき、トカゲを想像した。
濃緑色の分厚そうな皮膚に、爬虫類特有の眼光。手足の爪。
生身の体は、全身に小さなぶつぶつがある。


「カァァァァ……」


目を見開いたそいつは、喉を鳴らして乾いた音を響かせた。
僕はあまりの恐怖に、デレを抱きしめたまま動く事が出来なかった。



59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 21:59:02.79 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「……」

( ・∀・)「!!!」


そいつの手に、毛束が握られていた。
見覚えのある、黒髪だった。


「カァァァァ……」


まるで僕たちにそれを見せつけるかのように、トカゲ男は腕を揺らした。
それはドクオの生首だった。恐怖に目を見開いた表情のまま、固まった顔。
口から溢れている血と唾液が、左右に揺られる度に飛び散った。

何も出来ない。僕はこいつに何も出来ない。
あまりにも、常軌を逸している。こんな奴に、立ち向かえる訳が無い。


1:僕は目を瞑り、誰かが助けてくれるのを祈った
2:僕は必死で足を動かし、一人で逃げた
3:僕は大声を出し、そいつを威嚇しようとした
4:「やらないか」
>>61



60 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:01:21.23 ID:ItIdJ2U50


61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 [sage] 投稿日: 2008/04/16(水) 22:01:36.36 ID:fxtG/SOz0
4



62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:04:00.08 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ・∀・)「やらないか」


そういうと僕は、実は着ていたツナギのホックを外し始めた。
ホモセックスはお手の物だ。トカゲ男をトイレに連れて行くと、無理矢理素っ裸にした。


( ・∀・)「いいのか? 俺はノンケだってかまわないで食っちまう人間なんだぜ」

「カァァァァ……ケェェェェ、コォォォォォ……」

( ・∀・)「嬉しい事いってくれるじゃないの」


僕は今まで培ったテクニックの全てを尽くし、トカゲ男と愛し合った。
密室のトイレは暑苦しく、汗で湿度はさらに上がる。
ぐしょぐしょになった体をこすり合わせ、快楽の波へ溺れていった。



気がつけば、朝がきていた。デレとシャキンはどうなったんだろうか。
でも今の僕には、すやすやと寝息を立てて眠るトカゲ男しか見えていない。
ああ……今日から始まるんだ。トカゲ男と僕の、眠らない営みが……。


糸冬「モララー×トカゲ男」





63 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:05:39.71 ID:AZQ8w7FJ0


「カァァァァ……」


まるで僕たちにそれを見せつけるかのように、トカゲ男は腕を揺らした。
それはドクオの生首だった。恐怖に目を見開いた表情のまま、固まった顔。
口から溢れている血と唾液が、左右に揺られる度に飛び散った。

何も出来ない。僕はこいつに何も出来ない。
あまりにも、常軌を逸している。こんな奴に、立ち向かえる訳が無い。


1:僕は目を瞑り、誰かが助けてくれるのを祈った
2:僕は必死で足を動かし、一人で逃げた
3:僕は大声を出し、そいつを威嚇しようとした
>>65



64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:06:59.62 ID:bZZOjCF50
2

65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:07:23.22 ID:bZZOjCF50
2



67 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:13:08.19 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「うあ……あああああああ!!!」


僕の腕の中から、デレが離れた。何の抵抗も無く、床に倒れていく。
身軽になると、懐中電灯をつかみ取り、僕は走り出した。

入ってきた方とは別の入り口に向かって、走る。
後ろからシャキンの声が聞こえた。僕は無視して走った。
シャキンの断末魔の声が聞こえた。僕は無視して走った。

良心が痛むとか、そんな人間らしい感情を持つ余裕さえ無かった。
ただひたすらに走った。足を動かし、逃げ続けた。

逃げて。

逃げて。

逃げ続けて。


……変だ。いつまで経っても、出口につかない。
走っても走っても近くならない。いや、走っている感覚が、無い。



68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:16:35.13 ID:AZQ8w7FJ0
 
   しかしそ

 れ    は

  間違って

      いた


走っている  感覚

   が

     無い   のでは

無く

    僕の足



     無かった の

      だ

               。

糸冬「そこに無かったもの」





70 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:17:39.43 ID:AZQ8w7FJ0


「カァァァァ……」


まるで僕たちにそれを見せつけるかのように、トカゲ男は腕を揺らした。
それはドクオの生首だった。恐怖に目を見開いた表情のまま、固まった顔。
口から溢れている血と唾液が、左右に揺られる度に飛び散った。

何も出来ない。僕はこいつに何も出来ない。
あまりにも、常軌を逸している。こんな奴に、立ち向かえる訳が無い。


1:僕は目を瞑り、誰かが助けてくれるのを祈った
2:僕は大声を出し、そいつを威嚇しようとした
>>72



71 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:17:52.89 ID:ItIdJ2U50
2

72 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:18:10.85 ID:ItIdJ2U50
2



74 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:25:37.82 ID:AZQ8w7FJ0
 
( ;・∀・)「来るな!!! こっちに来るな!!!」


自分が出せる、精一杯の声量で、僕は叫んだ。
威嚇のつもりだった。


( ;・∀・)「来たら……殺すぞ!!!!!」


自分の声が震えているのがわかった。
緑色の目が、僕の心をのぞき込むように見つめてくる。
それでも僕は言い続けた。僕に出来るのは、その程度だった。


「……」


一分間、僕はそうやって威嚇し続けた。
僕にとっては何時間にも感じられた一分だった。

トカゲ男は、腕をだらんと垂らし、二本足で立ち上がった。
背が曲がっていて実際より小さいはずなのに、その体は2メートルを優に超える巨体だ。
ドクオの生首を放り投げる。鈍い音で着地し、ころころと床を転がっていく。
非常に遅い動作で方向転換すると、体を左右に揺らしながら、トカゲ男は去っていった。



76 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:29:02.78 ID:AZQ8w7FJ0
 







(`・ω・´)「……」

( ・∀・)「……」


僕たちは、まだレストランにいた。
あの後、トカゲ男が部屋を出て行ってからも、ここを動く事が出来なかった。


ζ(゚、゚*ζ「……」


デレが目を覚ましたのは、ついさっきだ。
何があったか、奴は何なのか、その問いに、デレはわからないとしか言わなかった。
襲われた時から、ずっと気絶していたらしい。何も見ていないようだ。



78 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/16(水) 22:34:14.81 ID:AZQ8w7FJ0
 
(`・ω・´)「……なあ」

( ・∀・)「え……?」

(`・ω・´)「……夢じゃ、無いんだよなあ」


それは、頼むから夢であってくれ。そう言っているように聞こえた。
トカゲ男は、夢ではない。奴は確かに存在し、僕たちを殺そうとしたんだ。


( ・∀・)「……」


見開いたドクオの目が、無念の気持ちを語っている。
首から下の胴体は、結局見つからなかった。



弐の禍 『 喚 』 完


続く

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