275 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 05:54:15.75 ID:PSPNd/lBO
過去、現在、未来。
運命の女神達が調和させる、この三つの中でどれが強いのだろうか。
それは過去だ。過去は変えられない足跡。
現在と未来の土台とも言える。
『あの時、ああしていれば、こうにはならなかった』
などと、過去はいつも私達を悩ませる。
そんな過去を味方につけ、戦う者逹がいる。
これは勇敢な戦士が、未来へと線を紡いで行く物語。
かもしれない。
276 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 05:55:58.26 ID:PSPNd/lBO
教室にドクオの怒鳴り声が響く。
ドクオは消しゴムを片手にブーンへと詰め寄る。
ブーンはドクオから借りた消しゴムを、あろう事か、角を……角を使ってしまったのだ。
それは禁断の領域であった。
(#'A`)「ブーン! てめえ……俺の消しゴムの角使っただろ!」
( ^ω^)「そんな事くらいで怒んなお」
( A )「そんな事くらい……だと……?」
ドクオの顔からありとあらゆる感情が消え失る。
全身をわなわなと震わせ、消しゴムを爪で抉り潰した。
川 ゚ -゚)「勿体ね」
そんな二人の様子をクーは、椅子に座りながら頬杖をついて見ている。
277 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 05:57:04.61 ID:PSPNd/lBO
(゚A゚)「久々にキレちまったよ……」
( ^ω^)「お? やる気かお? 僕に勝てるとでも?」
ドクオはバックステップでブーンから距離を取った。
格ゲーで言うところの『←←入力』である。
(# A )「――過去の力を思い知れ」
この世には過去の力の行使を出来る、特殊な人間が居る。
過去の力。
特筆すべきは精神を揺さぶる攻撃だ。
属性に因っては殺傷能力すら兼ね備えている。
ドクオとブーンはその類い稀なる力の持ち主。
川 ゚ -゚)「まーた始まった」
278 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 05:58:22.08 ID:PSPNd/lBO
ドクオは足腰に力を込め、両手をブーンへと翳す。
するとどうした事でしょう! 彼の両手が輝き始めたではありませんか!
静かにドクオはブーンへと口を開く。
('A`)「ブーン、お前の黒歴史ノート、拝見させて貰ったぜ」
(;^ω^)「な!?」
その言葉を聞いたブーンは余裕の笑みを崩し、みるみる内に青ざめて行く。
黒歴史ノート。かの有名な死霊秘本よりも危険な書物。
('A`)「『右手と左手、合わせてうさうさ〜♪』」
( ω )「や、やめろ……」
('A`)『右手と左手を合わせてにゃんにゃん〜♪』
ドクオが奏でているのは、その昔、ブーンが密かに創った歌詞だった。
若かりし日、楽器等を扱える訳でも無いのに、歌詞を書いた事は無かっただろうか?
川 ゚ -゚)「『右手と左手を合わせてわんわん〜♪』」
279 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 05:59:59.16 ID:PSPNd/lBO
ブーンはがくりと膝を地面に着いた。
何故、さっさと処理しなかったのだ。
何故、あんな物を書いたのだ。
そんな悲壮感がブーンの体を切り刻み、血が流れる。
('A`)「ふん、大した事ねぇな」
ドクオはブーンを見下ろし、勝利の台詞を吐き捨てる。
しかし。
ブーンの目にはまだ、闘志が宿っていた。
(メ ω )「――ドクオ。ライトノベルの新人賞に投稿したんだってお?」
(;'A`)「!? な、何故それを……」
(メ ω )「クーから聞いたお」
川 ゚ -゚)ノ「女にべらべら喋る物じゃないぞ」
280 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 06:01:21.07 ID:PSPNd/lBO
(メ^ω^)「タイトルは『死神探偵団』」
ブーンはゆらりと立ち上がり、矢継ぎ早に言葉を投げ掛ける。
(メ^ω^)「ロリロリな死神逹(笑)の父親が濡れ衣を着せられる。
無実を証明する為、死神逹は奮闘。
しかしそれは単なる序章でしか無かった。
いつしか世界の命運(笑)を賭けた戦いに巻き込まれて行く」
ブーンの背中に白い光を放つ翼が生える。
(メ^ω^)「ロリロリ死神達の名前は昔好きだった女の子から、だっておwwwww」
それは崩壊の序曲。
(メ^ω^)「流石ドクオ。素晴らしい想像力だお(笑)」
( A )「……………」
川 ゚ -゚)「ドクオが前、『殺陣』を『さつじん』って読んだのをふと思いだした」
281 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 06:02:29.91 ID:PSPNd/lBO
過ちだ。
今考えれば、ストーリー展開に無理がありすぎた。
あと、なして好いとう子の名前さ、つけよったんじゃ。
クー、何故、地味に追い討ちをかけた。
何故じゃ、何故なんじゃ!!
ドクオは恥ずかしさの余り吹き飛ばされ、教室の壁へと背中から叩き付けられた。
(メ A )「…………く」
(メ^ω^)「ドクオの力も大した事ないお」
今度はブーンが腕を組み勝ち誇る。
と、その時、横目で二人の様子を伺っていたクーがふと呟いた。
川 ゚ -゚)「あのさ」
(メ^ω^)「?」
(メ A )「……………?」
282 名前:('A`)ドクオ達は過去の傷を抉るようです:2008/01/19(土) 06:03:30.84 ID:PSPNd/lBO
川 ゚ -゚)ノ「『はーい、二人組作ってー』」
教室が爆発した。
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