637 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:30:05.29 ID:bdawQgo50


        *'``・* 。
        |     `*。
       ,。∩      *    
      + (・∀・) *。+゚ 投下するよ〜
      `*。 ヽ、  つ *゚*
       `・+。*・' ゚⊃ +゚
       ☆   ∪~ 。*゚
        `・+。*・ ゚


「从 ゚∀从彼と彼女と彼女の彼と ―恋愛クアルテットのようです」



638 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:30:38.74 ID:bdawQgo50


ガヤガヤと雑音に包まれた教室。
今は昼休みであり、スーパーお弁当タイムなのである。
その中で一際五月蠅い……賑やかな集団がいた。

ξ゚听)ξ「のだめマジやばい! 私もパリに留学しようかな」

川 ゚ -゚)「また少女漫画か。お前も好きだな」

('、`*川「この前はハチクロ読んで、美大に行くとか言ってたわね」

(*゚∀゚)「NANA読んだ時は上京するってほざいてただろ。影響されすぎ」

ξ゚听)ξ「でもホスト部の時は私別にホストになるとか言わなかったじゃん」

从'ー'从「駄目だこいつ〜早く何とかしないと〜」

ツンデレというよりツンバ……まあ夢見がちな女の子である。



639 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:31:42.24 ID:bdawQgo50


('、`*川「ハインも何か言ってやってよ」

从 ゚∀从「え? あ、うん。面白いよね、のだめ」

ξ゚听)ξ「でしょ!? 一緒にオケやらない?」

从;゚∀从「オケってオーケストラ? 二人で?」

川 ゚ -゚)「二人はデュオだろ」

('、`*川「もう、駄目じゃないハイン。
     そこは”うっおとしいぞこのアマ!”って言わなきゃ」

从;゚∀从「? うっおと? うっとうしいじゃなくて?」

(*゚∀゚)「ジョジョ厨乙。気にしなくていいからなハイン」

从 ゚∀从「う、うん……」



640 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:32:07.75 ID:bdawQgo50


騒々しいこの集団の中に、一人だけ気弱そうな女の子が混じっていた。
ハインと呼ばれたその子は、先ほどからあまり話に参加していなかった。
いつものことと言えばそうなのだが、今日はあまりにも口数が少ない。

川 ゚ -゚)「ハイン。今日は元気無いじゃないか」

从 ゚∀从「え?」

('、`*川「そうね。何か悩み事?」

从;゚∀从「ううん……。何にも無いよ。全然無いよ」

从'ー'从「吐け〜! 君に黙秘権はな〜い!」

(*゚∀゚)「やーめーろって。ハインが困ってるだろ」

ξ゚听)ξ「恋の悩みね? そうでしょ? 私の巻き毛レーダーが反応してる」



641 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:33:33.31 ID:bdawQgo50

(*゚∀゚)「だからお前は少女漫画の読み過ぎだって。
     ハインはそういうのに興味が……」

从*゚∀从「……」

(;゚∀゚)「無……きにしもあらず!?」

顔を赤らめて呆けているハイン。
クーが顔の前で手を振ると、ハッと意識を取り戻した。

从;゚∀从「ちちち、違うよ! 恋なんてシテナイヨ!」

('、`*川「うっそ! マジ!? 誰誰誰!?」

ξ*゚听)ξ「キャーキャー!」

川 ゚ -゚)「詳しく」

从'ー'从「ksk」



643 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:34:59.28 ID:bdawQgo50

時既に遅し、いい訳も出来ない状況になった。
元々気の弱いハインが、彼女たちの尋問に勝てるはずなく。

从*゚∀从「ひ……ヒッキー君……」

五分後、あっさりばらしてしまった。

('、`*川「嘘だろ承太郎!?」

川 ゚ -゚)「あいつか……」

ξ*゚听)ξ「ああいうのがタイプなんだ! 超意外!」

从'ー'从「小動物的で可愛いもんね〜ヒッキー君〜」

从*゚∀从「うん」

(*゚∀゚)「告白とかするつもりなのか?」



645 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:36:43.34 ID:bdawQgo50

ツーのその一言で、ハインはがくんと落ち込んでしまった。
何が失言だったかわからず、ツーは慌てふためく。

(;゚∀゚)「え、え? どうしたんだよ?」

从 ∀从「告白なんて無理だよ……。私じゃ釣り合わないもん……」

从'ー'从「ツーちゃんKY〜」

(*゚∀゚)「えぇ〜……。ハインは可愛いから、絶対OKだって」

从 ∀从「駄目に決まってるよ……。私筋肉ムキムキだし……。
     身長だって四捨五入したら180pあるし……。
     妙に足速いし……」

ハインは小さい頃から柔道をしていたので、顔と対照的に中々ガタイが良い。
詳しいイメージを掴みたい人は「スト2 さくら」でググるといいだろう。



646 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:37:44.33 ID:bdawQgo50

川 ゚ -゚)「しかしこのままではお前の青春は柔道一色になるぞ」

从;゚∀从「それは嫌……」

('、`*川「だったら行動しないと」

从 ゚∀从「でもどうすればいいかわかんないよ」

从'ー'从「犯しちゃえ犯しちゃえ〜」

(*゚∀゚)「やめれ」

ξ゚听)ξ「ここは彼氏もちのツー様にアドバイスを聞くべきね」

从 ゚∀从「ツーちゃん彼氏いたの?」

(;゚∀゚)「あ……うん、一応」



647 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:39:16.78 ID:bdawQgo50

川 ゚ー゚)「ほう。初耳ミクだな」

('、`*川「誰?」

(*゚∀゚)「ああ……水泳部の先輩だよ」

(;゚∀゚)「てか俺の事はいいからさ、真剣に考えようぜ」

ξ゚听)ξ「とりあえず仲良くなって友達にならないとね」

川 ゚ -゚)(私のギャグが……滑っただと……?)

从 ゚∀从「私みたいな筋肉女、友達になってくれないよ……」

从'ー'从「友達と筋肉はあんまり関係ない気が……」

その後、あまり建設的な意見が出ないまま、昼休みは終わってしまった。
放課後はそれぞれ部活があるので、話の続きはまた明日ということになった。



659 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 19:59:35.69 ID:bdawQgo50


そして次の日の昼休み。

ξ*゚听)ξ「それでね、千秋がのだめに会いに福岡に行くシーンでさ……」

('、`*川「早くだまらねーとシタ入れてキスするぞ」

(*゚∀゚)「何か考えてきたか? ハインがヒッキー君と仲良くなる方法」

从'ー'从「てへっ。忘れてた」

(*゚∀゚)「アヒャヒャヒャ駄目だこりゃ」

川 ゚ー゚)「私はかなり有益な情報を手に入れたぞ」

从 ゚∀从「有益な情報って?」

川 ゚ー゚)「男を誘惑する10の方法さ。雑誌で見つけたんだ。これは使えるぞ」

ξ゚听)ξ*゚∀゚)'ー'从('、`*川「却下」

川 ゚ -゚)「なん……だと……?」



661 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:00:25.37 ID:bdawQgo50

从 ゚∀从「……私やっぱり無理だよ。今まで男の子と話した経験すら少ないし。
     スカートより柔道着が似合う女だし……妙に足速いし……。
     みんなありがとう。でももういいよ」

あっけらかんと言ったように見えたが、それは妙に寂しく響いた。
腐っても友達である彼女たちは、何とかしてやりたいと説得を試みる。

('、`*川「諦める前に、ちょっと頑張ってみない?」

从'ー'从「私たち応援するから〜」

(*゚∀゚)「オレ、ちょっと先輩に相談してみるよ」

ξ゚听)ξ「少女漫画の知識でいいなら、いっぱい教えてあげるから」

川 ゚ -゚)「柔道で全国2位になる方がよっぽど難しいぞ。あまり気負うな」

从 ゚∀从「……」



664 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:01:49.76 ID:bdawQgo50

顔を俯かせるハイン。
しばし間が空いた後、顔を上げた彼女の表情には、柔らかい笑顔が溢れていた。

从*゚∀从「……うん。頑張ってみる」

(*゚∀゚)「んーいい子いい子」

('、`*川「こんな可愛い子に彼氏がいなくて、ツーにいるってのが不思議」

(;゚∀゚)「オレの場合はちょっと特殊なの」

ξ゚听)ξ「よし! 作戦会議よ!」

从'ー'从「あいあいさ〜」

川 ゚ -゚)「えいえいおー」



665 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:03:38.04 ID:bdawQgo50

【議題:友達になるには】

('、`*川「まず話しかける事が重要よね。何とか接触しないと」

从 ゚∀从「でもどうやって……」

ξ゚听)ξ「曲がり角でわざとぶつかるっていうのは?」

从'ー'从「古典的〜」

川 ゚ -゚)「席が近ければ、授業中に話しかけられるんだがな」

('、`*川「ああ、ノート見せてとか、消しゴム貸してとかね」

从 ゚∀从「なるほど……でも席遠い……」

(*゚∀゚)「ちなみにヒッキー君って部活は何してるんだっけ?」

从 ゚∀从「無線部だよ」

从'ー'从(地味……)



667 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:05:44.56 ID:bdawQgo50

川 ゚ -゚)「ハインが無線部に入れば事は簡単だぞ」

从;゚∀从「それはちょっと……。柔道部とかけもちは出来ないから」

(*゚∀゚)「何か共通の話題とかねえの? 同じ趣味持ってたら話しかけやすいじゃん」

从'ー'从「ヒッキー君の趣味って何だろ〜」

从 ゚∀从「たぶん小説とか好きだと思う。よく図書室に行くし。
     小説のジャンルはあんまり偏ってないけど、ライトノベルが一番多いかな。
     それと機械いじりとかも好きそう。自転車の整備がいつも完璧だから。
     ひょっとしたらアニメとかも見るのかも。カバンにキャラのストラップついてたし。
     あとは……(以下略」

(*゚∀゚)'ー'从 ゚ -゚)(うわあ……)

ξ;゚听)ξ「こいつを見てくれ。こいつをどう思う?」

('、`*川「凄く……ストーカーです」



668 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:08:23.26 ID:bdawQgo50

川 ゚ -゚)「で、お前の趣味は何なんだ?」

从 ゚∀从「えっと、月刊近代柔道(ベースボール・マガジン社 )の定期購読かな」

('、`;川「マイナー雑誌過ぎるわ!」

ξ゚听)ξ「趣味で攻めるのは無理があるわね……」

(*゚∀゚)「何とかなんねえかな……」

从'ー'从「話しかけるくらい、別に用が無くてもいいんじゃな〜い?」

从;゚∀从「で、でも、何を話せばいいのやら……」

从'ー'从「その場のノリ〜」

从 ゚∀从「無理です……」

話がまとまらないまま、今日も昼休みが過ぎていった。
会議は明日に持ち越しとなる。



671 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:10:37.88 ID:bdawQgo50

その後、毎日のように会議は行われた。
しかし有効策が見つからないまま、無情にも時が過ぎていく。
ネガティブ思考のハインは、ますます自信を無くしていった。
そんなある日の事。

从 ゚∀从「ん?」

从*゚∀从「あ……」

放課後、柔道場に向かう途中だったハインは、校舎裏で偶然ヒッキーを見つけた。
しかしよく見ると、どうも様子がおかしそうだ。
足音を立てないようにして、ハインはそっと近づいていった。



673 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:11:41.22 ID:bdawQgo50

( ^ω^)「フヒヒwwwwさっさと金よこせよwwwwww」

('A`)「サイフ持ってんだろ。早く出せよ」

(;-_-)「い、家に忘れて……」
  _
( ゚∀゚)「ほう。だったら殴ってもいいという訳だな?」

(;-_-)「えぇ〜……」

从;゚∀从「あ、あれは……!」

ヒッキーを囲んでいたのは、二年生の不良たちだった。
その中には、この学校の二代目番長であるジョルジュの姿もある。
どうやら先輩たちにカツアゲされているようだ。

从;゚∀从「や、やめて下さい」

ハインは思わず茂みから飛び出した。
気が弱い彼女の心臓は、破裂しそうな程高まっている。



674 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:12:22.59 ID:bdawQgo50

( ^ω^)「お前誰だおwwwていうか何その筋肉wwwww」

('A`)「こいつ絶対四捨五入したら180pあるぜwwwwww」
  _
( ゚∀゚)「足も速そうだwwwwwwwwwww」

从 ゚∀从「お金を取るのは犯罪ですよ。強盗罪です。だからやめましょう」
  _
( ゚∀゚)「そうかそうか。だったらやめよう」
  _
(#゚∀゚)「なんてなるかボケ! テメーは引っ込んでろ!」

从;゚∀从「ひぃ!」



676 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:15:14.98 ID:bdawQgo50

ジョルジュは腕を振り上げ、ハインの顔目掛けて平手打ちをくりだした。
しかし柔道有段者のハインは、反射的に腕を取り、そのまま投げ飛ばしてしまう。
  _
( ;゚∀゚)「ぐっほぅ!」

( ;^ω^)「兄貴――!」
  _
( ゚∀゚)「お花畑が見える……。あれ……? ハムたん……?
     なーんだ……そこにいたのか……俺もすぐそっちに……」

(;'A`)「兄貴! ハムたんは先月亡くなってますよ!」

(#^ω^)「よくも兄貴に臨死体験させたな!」

大柄な男が、ずかずかとハインに歩み寄る。
彼女のセーラー服の襟を掴み、投げ飛ばそうとしてきた。

从;゚∀从「ぼ、ぼ、暴力は――」

( ^ω^)「あれ?」



677 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:16:12.97 ID:bdawQgo50

从;゚∀从「いけません!」

手首を返し、腕をねじり上げ、足を払う。
さらに頭を掴んで地面にたたき付けた。
その間実に0.7秒。
神業である。

( ゚ω゚)「ヴィップ国は……僕が守るお……」

(;'A`)「内藤! お前それ作品違うぞ!」

(#'A`)「よくも俺の兄弟を……!」

从 ゚∀从「えい」

(゚A゚)「ぎゃああああ特に描写も無くやられた!」

ハインはあっという間に三人を倒してのけた。
地面に転がる瀕死の男たち。
校舎裏に静寂が戻る。



682 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:24:05.06 ID:bdawQgo50

从;゚∀从「あ……」

(;-_-)「……」

呆然としているヒッキーと目が合う。
ハインは次第に、自分はとんでもない事をしてしまったと思ってきた。

(;-_-)「あ、あの……」

从;゚∀从「ひっ」

ヒッキーは震えた声でハインに話しかける。
仲良くなるチャンスだ、などと思う余裕はハインには無かった。
踵を返し、脱兎の如く逃げ出してしまう。

从 ;∀从「うあああああ!」

(;-_-)「あ、待って! 話を聞い……足はっや!」



690 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:31:59.41 ID:bdawQgo50

ハインの後を、ヒッキーが懸命に追いかけていく。
後に残されたのは、ボロ雑巾のようになっている男たちである。
  _
( ゚∀゚)「……生きてるか……みんな……」

( ゚ω゚)「何とか……」

(゚A゚)「おそろいの目になりましたね……」
  _
( ゚∀゚)「うるせえ……」

三人はまだ体が痺れていて、立つことが出来ず横たわったままだ。
校舎に半分隠れた空を見ながら、ジョルジュが大きなため息をつく。
  _
( ゚∀゚)「うまい棒十本じゃ……割が合わないよな……」

(゚A゚)「まあ……先代の頼みっすから……」



694 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:33:01.46 ID:bdawQgo50

死にかけの男たちと同様に、ヒッキーも今必死だった。
体力が尽きてふらふらになりながらも、見失ったハインを探していた。

(;-_-)「あ……」

草場の影で、うずくまっているハインを見つける。
ヒッキーは恐る恐る彼女に近づいていった。

(;-_-)「あの……ハインさん?」

从;゚∀从「ふわっ! ヒッキー君……」

泣きはらした目をしたハインが、慌てて返事をする。
その寂しげな表情に、ヒッキーは言葉が出なくなった。

从 ゚∀从「……」

(;-_-)「……」



696 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:34:03.34 ID:bdawQgo50

从 ;∀从「……嫌いになったよね」

(;-_-)「え?」

从 ;∀从「こんなごつい女……やっぱり無いよね」

ハインの瞳から涙がこぼれる。
「えっと……」ヒッキーはゆっくりと言葉を紡いでいった。
彼女の顔が、笑顔に変わるまで――。






プールサイドに、水着を着た二人の男女が座っていた。
足だけを水につけて、雑談に興じている。
とはいっても、喋っているのはもっぱら女の方だけなのだが。



699 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/20(水) 20:34:29.74 ID:bdawQgo50

(*゚∀゚)「それからヒッキー君は、柔道部に入ったんですよ。
     ハインみたいに強くなりたいからって。
     まあ付き合ってる訳じゃないけど、友達にはなれたみたいですよ。
     おかしいっすよね。だって、オレたちとは逆のパターンだし」

機関銃のようなトークに、「そうか……」とだけ男は返した。
ツーの話が終わると、男は立ち上がり、脱衣所の方へ歩いていく。

(*゚∀゚)「何処に行くんですか?」

引き締まった男の背中に、ツーは声をかけた。
振り返った男は、眩しいほどの太陽を背にして、こういった。

( ゚∋゚)「うまい棒を……買いにいく」

「オレもついていきます!」プールサイドに、ツーの声が反射した。






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