36 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 00:55:04.70 ID:jTVyiujH0
( ^ω^)「……?」
白い天井が見えた。
( ^ω^)「……」
病院だ。
( ^ω^)「……何で?」
さあ。
( ^ω^)大切なものを落としたようです
37 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 00:56:05.58 ID:jTVyiujH0
(,,゚Д゚)( ・∀・)ξ゚听)ξ('、`*川从・∀・ノリ人「ブーン!」
( ^ω^)「……?」
(,,゚Д゚)「良かったぜー。意識戻ったんだな?」
( ・∀・)「流石にやばいと思ったよ」
ξ゚听)ξ「体は平気なの?」
('、`*川「起きてて大丈夫?」
l从・∀・ノ!リ人「果物買ってきたのじゃ。食べろ食べろ」
( ^ω^)「……」
ブーンはやってきたのが誰なのか、わからなかった。
39 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 00:57:15.98 ID:jTVyiujH0
( ^ω^)「すいません。どなたですか?」
ξ゚听)ξ「え……?」
( ・∀・)「お前……」
(´・ω・`)「記憶喪失ですよ」
病室に来た先生が、みんなに説明した。
一番驚いていたのは、ツン。
一番呆けていたのは、ブーン。
40 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 00:58:42.73 ID:jTVyiujH0
(´・ω・`)「一時的なものです。いずれ治りますよタブン」
ξ゚听)ξ「そうですか……おいこら」
ヤメテー
( ・∀・)つ( ´・ω・` )と('、`*川
( ^ω^)「君たちは、僕の友達かお?」
(,,゚Д゚)「ああ。同じ中学校のな」
( ^ω^)「全然覚えてないお……ごめんお」
l从・∀・ノ!リ人「気にするな。諦めが肝心じゃ」
( ^ω^)「うへえ」
41 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:00:18.99 ID:jTVyiujH0
次の日。
l从・∀・ノ!リ人「見舞いに来たのじゃ」
( ^ω^)「ありがとう。えーと君は……」
l从・∀・ノ!リ人「妹者じゃ」
( ^ω^)「ちょっと君の事教えて欲しいお。何か思い出すかも」
l从・∀・ノ!リ人「妹者は……!」
l从・∀・ノ!リ人(これはチャンスなのじゃ)
何か思いついた様子。
43 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:02:03.89 ID:jTVyiujH0
l从・∀・ノ!リ人「妹者は……」
( ^ω^)「ふむふむ」
l从・∀・ノ!リ人「勇者じゃ」
( ^ω^)「ええええ!?」
l从・∀・ノ!リ人「その昔、アーニジャとオトッジャという支配者がいた」
( ^ω^)「ふむふむ」
――彼らは悪行の限りを尽くし、世界を混乱に陥れた
――そこへ颯爽と現れた美少女勇者が妹者なのじゃ
( ^ω^)「すげー」
45 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:03:19.92 ID:jTVyiujH0
l从・∀・ノ!リ人「しかしオーモジャとアネイジャという悪女たちが再び世界を……」
妹者は嘘100%の話をして暇つぶしをした。
ブーンは全て信じ込んだ。
最終的に妹者は神になった。
l从・∀・ノ!リ人「また今度来るのじゃ」
( ^ω^)「おっおっ。またおー」
( ^ω^)(うはー神さまと喋っちゃったお)
46 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:05:14.97 ID:jTVyiujH0
次の日。
( ・∀・)「よおブーン」
( ^ω^)「おいすー。えっと……」
( ・∀・)「モララーだ。お前本当に記憶喪失なのな」
( ^ω^)「ごめんお」
( ・∀・)(待てよ……今なら)
( ・∀・)「ブーン」
( ^ω^)「なんだお」
48 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:07:07.14 ID:jTVyiujH0
( ・∀・)「こんな時に悪いけど、貸したお金返してくれないかな?
( ^ω^)「いくらだお?」
( ・∀・)「たしか……2兆円だったかな」
( ^ω^)「ええええええええ!?」
( ;・∀・)「間違えた。2万円だ」
( ^ω^)「桁違いにも程があるお……しかも今20円しか無いお」
煤i ;・∀・)(はっ! 俺は友達になんてことを……)
モララーは反省した。
50 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:09:44.64 ID:jTVyiujH0
次の日。
('、`*川「こんにちわ」
( ^ω^)「こんー」
('、`*川「ペニサスだけど……覚えてる?」
( ^ω^)「ああ、空を飛ぶ馬……」
('、`*川「ペガサスね。はー忘れられてたかー」
( ^ω^)「ごめぽ」
('、`*川「自分の事も覚えてないの?」
( ^ω^)「キムタク似のイケメンだったって事しか……」
('、`*川「何にも覚えてないのね」
( ^ω^)「……」
51 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:12:14.44 ID:jTVyiujH0
('、`*川(あれ? もしかして今なら……)
('、`*川「仕方ないわね。貴方の事教えてあげる」
( ^ω^)「ありがおっおっ」
('、`*川「貴方は私の下僕よ」
( ^ω^)「マジか……」
('、`*川「毎日私の肩を揉み、私の靴を洗い、私を神と崇めていたわ」
( ^ω^)「神さま二人目キタコレ」
('、`*川「だから私の事はペニサス様と言いなさい」
( ^ω^)「ははー!」
53 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:15:03.07 ID:jTVyiujH0
次の日。
(,,゚Д゚)「よおブーン」
( ^ω^)「こんにちわ」
(,,゚Д゚)「俺の名前……覚えてるか?」
( ^ω^)「……幾三だっけ?」
(,,゚Д゚)「うん、まあ普通に違うけど。ギコな」
( ^ω^)「ギコー」
(,,゚Д゚)「俺ギコー」
( ^ω^)「ギコギコー」
(,,゚Д゚)「俺ギコー」
55 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:18:09.95 ID:jTVyiujH0
( ^ω^)「ギコ……あ、もしかして彼女いるお?」
(,,゚Д゚)「そうそう! 思いだしたのか!?」
( ^ω^)「確か……幾三だっけ?」
(,,゚Д゚)「ああ……うん……普通に違う。しぃね」
( ^ω^)「しぃー」
(,,゚Д゚)「俺の彼女しぃー」
( ^ω^)「しぃしぃー」
(,,゚Д゚)「俺の彼女しぃー」
何となく意気投合した。
57 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:21:14.48 ID:jTVyiujH0
次の日。
ξ゚听)ξ「ブーン」
( ^ω^)「あ、どうも……」
ξ゚听)ξ「……そんな他人行儀にならなくてもいいわよ」
( ^ω^)「ごめんお」
ξ゚听)ξ「……はぁ。あ、私はツンね」
( ^ω^)「ツン……何か、引っかかるお」
ξ゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「うーん……何か大事な事を忘れてる気がするお……」
ξ;゚听)ξ「思い出せない?」
( ^ω^)「ごめんお」
ξ゚听)ξ「うん……ゆっくりでいいよ」
59 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:22:04.27 ID:jTVyiujH0
ξ゚听)ξ「……私の事、全部忘れちゃった?」
( ^ω^)「……ごめ」
ξ゚听)ξ「いいよ。気にしないで」
( ^ω^)「……」
ξ゚听)ξ(……待てよ。ひょっとして今なら……)
ξ;゚听)ξ「し、仕方ないなあ。ちょっと私たちの事教えてあげるわ」
( ^ω^)「ありがとう」
ξ*゚听)ξ「……付き合ってるのよ。私たち」
( ;^ω^)「え、そうなのかお?」
ξ*゚听)ξ「うん……」
61 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:25:29.85 ID:jTVyiujH0
( *^ω^)「こんな可愛い子が彼女だったのかお! 嬉しいお!」
ξ*゚ー゚)ξ「えへへ……」
ξ;゚听)ξ(は……い、いけないわ。嘘を教えるなんて私ったらイケナイ子……!)
ξ(゚听;ξ(でも今がチャンスといえばチャンスだし……これくらいやってもいいよね……?)
( ^ω^)「何をやっているんだお?」
ξ;゚ー゚)ξ「ううん。何でもないよ」
( ^ω^)「……ツン」
ξ゚听)ξ「え?」
( ^ω^)「何も覚えてないけど、君に対しての感情は、残ってたお」
ξ゚听)ξ「それってどういう……」
62 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:28:47.34 ID:jTVyiujH0
( ^ω^)「僕は君が好きなんだお。今話してみて、わかったお。
これだけは忘れていなかったお」
ξ*゚听)ξ「……うん。ありがとう」
( ^ω^)「こちらこそ、ありがとうだお」
( ゚ω゚)「はうわ!」
ξ;゚听)ξ「え!?」
ブーンは当然頭痛に襲われた。
痛みによって失神してしまう。
(´・ω・`)「どうしたのかね!」
ξ;凵G)ξ「ブーンが! ブーンが!」
(´・ω・`)「緊急手術だ!」
64 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:31:39.29 ID:jTVyiujH0
その日、手術は成功し、ブーンは何とか一命を取り留めた。
手術後の状態は良好で、徐々に記憶も戻ってきた。
妹者たちがついた嘘も、ばれることとなったのだ。
ξ゚听)ξ「ブーン。来たわよ」
( ^ω^)「おっおっ」
しかし、ツンについての記憶だけは、元に戻らなかった。
こればっかりは、医者にも手のつけようが無かった。
( ^ω^)「毎日ありがとうだお」
ξ゚听)ξ「別にいいわよ。あんたの彼女だしさ」
65 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:34:20.86 ID:jTVyiujH0
記憶が戻らなくても、ツンはブーンの事が好きだった。
ブーンもまた、ツンの事が好きだった。
ξ゚听)ξ「いつ退院出来るの?」
( ^ω^)「あと一週間後だお」
ξ゚听)ξ「退院したら、デートでもする?」
( *^ω^)「おー喜んで」
記憶はとても大切なものだ。
その者の人生が、そこに詰まっている。
ブーンは記憶を失った。
大切なものを、失ってしまった。
67 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:35:14.96 ID:jTVyiujH0
ξ゚ー゚)ξ「あのさ、あのさ、私行きたい所あるんだけど」
( ^ω^)「何処にでもついていくお」
だから、また作るのだ。
ブーンと、ツンの。
二人の思い出を。
落としたら、拾えばいい。
無くしたら、作ればいい。
ξ*゚ー゚)ξ「ブーン……」
( ^ω^)「お?」
68 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/27(日) 01:35:48.13 ID:jTVyiujH0
チュ
思い出の一ページは、誰かがペンを握ればあっという間に埋まってしまうものだ。
例え真っ白になったノートでも、君にペンを握る勇気さえあれば――。
|・ω・`)(ていうか、その子が殴った衝撃で記憶を失ったんだけど……まあこれは言わないでおこうかな)
( ^ω^)大切なものを落としたようです 完
戻る