22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:47:02.86 ID:w4HYmfpL0

大きな部屋に主人と私が端っこのコタツの中に入っている。
聞こえるのは外での大きな声と主人の独り言。

雪が外で降っているみたいだ。
窓からそれを眺めようとしても、曇っていて見えることはない。
そこに一人の幼女がやってきて、何を描いたのかよくわからないがそこから外が見えた。顔だろうか。こんな顔だと死にたくなるな。
その顔の奥は、ただ白く見えるだけ。だが、少し寒気を感じた。

(;^ω^)「ど、どうかしたお?」

*(‘‘)*「先生! 遊ぼ! 他のせんせえもやってるよ!」

(;^ω^)「ちょっと待っててお。今行くお」

*(‘‘)*「じゃあ、アタシもここで待つ!」

その幼女はいきなり飛び込んできて、赤くなった手で私の頭をなでる。
やめろ。冷たい。

(# ФωФ)「ニャー」

*(‘‘)*「あはは。嬉しいんだ。かわいいー」

威嚇のつもりで鳴いたのだが、効果はまったくなく逆にどんどん触られる。

*(‘‘)*「あれー? せんせえ何書いてるの?」

(;^ω^)「なんでもないお。それよりみかん食べるかお?」

主人は何を焦っているのか、いるかいらないか聴いたそばからもうみかんをちぎっている。



23 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:48:25.48 ID:w4HYmfpL0

*(‘‘)*「いらなーい」

(;^ω^)「そうかお、ならロマネスクにでもあげるお」

大きな口をあけると押し込むようにしてみかんを口の中に入れられた。
一回噛むと、その味は口の中にひろがっていく。
私はそれをよく味わって飲み込んだ。


気がつくと、もう主人とあの幼女がいない。かわりに違う幼児が三人と先生がいた。
外の声が一段と大きくなっている。
あの絵の奥を見ると、異様に寒気を感じる。
なので、私はコタツの中に入り小さくうずくまり寝た――――



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:49:15.85 ID:w4HYmfpL0

正月がきても、そこまで寒くはならないだろう、そう考えていたが雪は降り積もり、
とうとう園児達が外で雪合戦をやれるほど積もった。現にやっているのだが。
実際はだめなのだが、この間に趣味の小説を進める。
籤では大吉だった。今年こそ一次審査を通りたい。

( ^ω^)「あー、この先どうするかお……」

やっぱり、うまくいくものではなかった。
去年、若者に人気だといわれた文学を読んで、一気にはまった。
他の趣味はなかなか続かなかったが、これだけは一生の趣味としていけそうだ。
いつか、有名になったらみんなにも教えようと思っているが、今は見せられない。見られたら死にたいくらいだ。

話は主人公の譲葉(かれは)が晴羅(せーらー)と酔一(すいーつ)の三角関係を描いたラブストーリー、
片方が植物状態になりもう片方がレイプされることとか色々大きな設定はできている。
だが、いざ書いてみるとどうも進まない。
足がずっと揺れている。

何か気配を感じ取ると、そこにはヘリカルがいた。

(;^ω^)「ど、どうかしたお?」

*(‘‘)*「せんせえ! 遊ぼ! 他のせんせえもやってるよ!」

(;^ω^)「ちょっと待っててお。今行くお」

*(‘‘)*「じゃあ、アタシもここで待つ!」



26 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:50:40.61 ID:w4HYmfpL0

いきなりやってきて驚いた。慌てていて、原稿用紙をくしゃくしゃにしてしまった。
頭がよく、お茶目なかわいらしい女の子。だが、今は怒りを感じる。
ヘリカルは今、猫とじゃれているからその間に原稿用紙を片付けよう。
そう思い、ペンを手に取った。

*(‘‘)*「あれー? せんせえ何書いてるの?」

(;^ω^)「なんでもないお。それよりみかん食べるかお?」

コタツの上にあるみかんの皮を剥き半分にした。
なぜ、さっきからタイミングが悪いのか。
新年早々いいことなんてない。何が大吉だ。

*(‘‘)*「いらなーい」

(;^ω^)「そうかお、ならロマネスクにでもあげるお」

ロマネスクは、大きく口を開けていた。
その中にみかんの半分を押し込みもう半分を自分の口の中にいれ、大して味わいもせずに飲み込んだ。

(;^ω^)「じゃあ、行くお」

今はあの原稿用紙に興味をもたれては困るので、先に出た。
一番先に戻って、戻った後に始末すればいい。
先に出れば、ついていくと思ったが後ろから……

*(‘‘)*「せかいちゅうのあいが……ゆずりは? せんせえこれなんて読むの?」

くしゃくしゃにした紙を読まれている。



27 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:51:36.69 ID:w4HYmfpL0

( ^ω^)「あー、それはゆずりはじゃなくってかれはって読むんだお……」

( #^ω^)「ちょっと、先生のオナニーを読むなお!」

幼稚園児が漢字を読めるとは……

*(‘‘)*「かれはっていうんだ。じゃあ、オナニーって何?」

(;^ω^)「いや、違うんだお。忘れてくれお」

*(‘‘)*「かれは! オナニー!」

やばい……早くどうにかしないと……
いつのまにか自分を通りこして、あの言葉を叫びながら外へ出て行く……

⊂二二二( ;ω;)二⊃「ちょ、松雄! 松尾! 松郎! マリオー!」

これから、もう籤なんて信じない――――



29 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:53:18.61 ID:w4HYmfpL0

ノパ听)「崩れろぉぉぉ!」

(メメ^Д^)「ぐっ! ちょヒート先生。止めてください、本当に痛いです」

ノパ听)「壊れろぉぉぉ!」

(メメメ^Д^)「痛っ! 足つった! イタタタタ」

ノパ听)「消えろぉぉぉ!」

(メメメメ;Д;)「やめてください。マジで、お願いします」

雪合戦をしようと言った、プギャー先生。
見本を見せるためと言ってヒート先生に雪球を投げてから、この状況。

ミ,,;゚Д゚彡「すげぇ……」

('A`)「……」

*(‘‘)*「雪合戦楽しいね!」

ζ(゚ー゚*ζ「さっきから見てるだけだけどね」

('、`*;川「ヒート先生、子供達が見ていますから止めてください」

ヒート先生、プギャー先生、ペニサス先生等はいるが、ブーン先生が見当たらない。



30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:54:36.61 ID:w4HYmfpL0

*(‘‘)*「あれぇ? ブーンせんせえは?」

ζ(゚ー゚*ζ「中にいると思うよ」

*(‘‘)*「ちょっと、よんでくるね」

中に入って長靴を脱ぐ。靴下が濡れているが、気にせずに走った。
『ユリぐみ』の中に入るとブーン先生がいた。
アタシに気付いていなかったみたいだからそーっと近づいた。
ロマネスクがいたので窓にその似顔絵を描いた。うん、似てる。

手がとても赤くなっていて面白く、ずっと見ていたら先生に気づかれた。

(;^ω^)「ど、どうかしたお?」

*(‘‘)*「先生! 遊ぼ! 他のせんせえもやってるよ!」

(;^ω^)「ちょっと待っててお。今行くお」

*(‘‘)*「じゃあ、アタシもここで待つ!」

ロマネスクに飛びつく。体があったかくて、ずっと触っていた。

(# ФωФ)「ニャー」

*(‘‘)*「あはは。嬉しいんだ。かわいいー」

すごく喜んでいるので、もっとなでる。



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:55:39.38 ID:w4HYmfpL0

*(‘‘)*「あれー? せんせえ何書いてるの?」

(;^ω^)「なんでもないお。それよりみかん食べるかお?」

みかんよりもその紙が気になった。

*(‘‘)*「いらなーい」

(;^ω^)「そうかお、ならロマネスクにでもあげるお」

ロマネスクがおいしそうに食べていたのであたしも食べればよかったなと後悔した。

(;^ω^)「じゃあ、行くお」

ブーン先生が先に進むのでそーっとその紙を見た。
『「世界中の愛が譲葉の中に詰まっているんだ。」』

*(‘‘)*「せかいちゅうのあいが……ゆずりは? せんせえこれなんて読むの?」

( ^ω^)「あー、それはゆずりはじゃなくってかれはって読むんだお……」

( #^ω^)「ちょっと、先生のオナニーを読むなお!」

*(‘‘)*「かれはっていうんだ。じゃあ、オナニーって何?」

(;^ω^)「いや、違うんだお。忘れてくれお」

*(‘‘)*「かれは! オナニー!」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2007/12/25(火) 23:56:31.99 ID:w4HYmfpL0

呪文みたくて面白かった。
長靴を履いて外に出る。

*(‘‘)*「かれは! オナニー!」

ζ(゚ー゚*ζ「何それ?」

*(‘‘)*「知らなーい」

ノパ听)「砕けろぉぉぉ!」

何も履かず出てきたブーン先生のあごに雪球が当たった。

('、`*;川「……寒くなったので戻りましょうか……コタツにでも入りましょう……」

ミ,,;゚Д゚彡「うん……」

フサギコ君とデレちゃんとドックンが中へ入っていた。
『ユリぐみ』にでも行ったのかな?

アタシはもう一度天に向かって

*(‘‘)*「かれは! オナニー!」

と、叫んだ――――



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