206 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:13:54.71 ID:+u4deqXC0
ある大陸には二つの国がありました。
真ん中にある国境線からまっぷたつに、女王様と王様の統治する二つの国がありました。
二つの国は争いもなく、平和に過ごしていたのですが、
女王様と王様の二人は、同じような悩みを抱えておりました。
(´・ω・`)「はぁ……」
川 ゚ -゚)「ふぅ……」
それは、二人共にパートナー、そして跡継ぎがいないことでした。
人々は、二人が婚約して、一つの国になれば良いと考えました。
二つの国の間は、とても仲がよく、国民はそれを望んでおりました。
二人は共に結婚をしていないのだから、そうするものだとばかり思っておりました。
さてここで問題があります。
207 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:14:22.92 ID:+u4deqXC0
ζ(゚ー゚*ζ「陛下、いい加減ぶらぶらしてないで、早々にご考慮下さい!
もうご自分がおいくつか、わかっているでしょうに!
昨年でもう20!遅すぎます!」
女王様の部屋で、メイドが女王様の着替えを手伝いながら、
毎日と同じ文句を口にしました。
川 ゚ -゚)「何の話だ?」
ζ(゚ー゚*ζ「わかっておりますでしょう、ご婚約の話です。
国民は隣の国のしょぼーん王とご結婚されることを望んでおります」
川 ゚ -゚)「だが断る」
ζ(゚ー゚*ζ「何でですかっ」
208 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:14:47.67 ID:+u4deqXC0
女王様はメイドの言葉を右から左へと流し、
誰もを魅了するほどの、濃艶な笑みを浮かべました。
川 ゚ -゚)「わかっていように」
女王様はメイドの腰を引き寄せます。
そして口付けをし、大きなベッドに押し倒しました。
ζ(゚ー゚*;ζ「陛下っ!」
川 ゚ -゚)「今日の予定はなんだったかな?」
ζ(゚ー゚;ζ「朝食の後、すぐに謁見が、あ、ラウンジ社のっ」
川 ゚ -゚)「そうか、なら大丈夫だな」
ζ(゚ー゚*;ζ「陛下っ!」
209 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:15:06.75 ID:+u4deqXC0
そしてもう一つの国では、
(´・ω・`)「はぁ……」
('A`)「それで……予算が………の工事の……人員も……」
(´・ω・`)「はぁ……」
('A`)「陛下、聞いてるんですか」
(´・ω・`)「はぁ……」
('A`)ダメダコリャ
(´・ω・`)「ドックン……」
210 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:16:05.52 ID:+u4deqXC0
そう、二つの国の、二人の王様は、異性に興味がなかったのです。
そのため結婚などという、異性同士の婚約になど、好きでするわけがありません。
川 ゚ -゚)「なんでこんな結婚制度があるんだ…」(´・ω・`)
二人の王様はこのように考えました。
そして行き着く先は、婚約制度の改正でした。
二つの国はほぼ同時に、同性同士でも結婚できるようになりました。
しかし。
ξ゚听)ξ「ねえ聞いた?女同士でも結婚できるようになったんだって」
('、`*川「ええ、聞いたわ……でも」
ξ゚听)ξ「でも……ねえ」
('、`*;川「ねえ、女王様は一体何を考えているのかしら」
_
( ゚∀゚)「おい、王様が婚約制度変えたんだってよ!」
( ^Д^)「男同士とかwwwwww頭ワルスwwwwwwww」
_
( ゚∀゚)「おっぱい以外を愛せるやつがいるかってんだよなwwwwwwww」
212 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:16:46.63 ID:+u4deqXC0
国民の反応は当然ながら、よくありませんでした。
二人の王様に縁談を申し込もうとする者もおりませんでした。
そして王様は再び考えました。
川 ゚ -゚)「そうだ、国民全体が同性が好きになるようになればいいんだ!」(´・ω・`)
川 ゚ -゚)「おや、しょぼーん王」
(´・ω・`)「おや、クール女王、奇遇ですな」
川 ゚ -゚)「奇遇ですなー、同じようにお考えで?」
(´・ω・`)「はっはっは、言うのも無粋というものですな」
川*゚ -゚)「はっはっはっは」(´・ω・`*)
213 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:17:49.59 ID:+u4deqXC0
考えた結果、二つの国から一人ずつ捕らえられました。
(;´_ゝ`)「いってえ!何すんだこのっ!」
从#゚∀从「レディーには優しくしろって習わなかったのかボケがっ!」
その二人は、二つの国の、国一番の科学者です。
二人は牢屋のような場所にぶちこまれ、こう宣言されます。
ノパ听)「人が、同姓を好きになる薬を作るのだ」
( ´_ゝ`)「はあ?なにそれ、いきなりこんなとこに連れてきて何言っちゃってんの?」
从#゚∀从「ざけんなっ!何でそんなざけたモンつくんなきゃいけねーんだよ!」
ノパ听)「陛下からのお達しだ。
もし断るというのなら…大切な兄弟がどうなるかどうかわからんぞ」
(;´_ゝ`)「お、弟者がっ!?」
从;゚∀从「つー!?」
ノパ听)「それでは、良い報告を待っている。
必要なものがあれば、門番に言えば持ってこさせよう、ではな」
(;´_ゝ`)「こら待て!弟者がどうした!」
从#゚∀从「つーに何かしやがったらただじゃおかねえからなああああああ!!」
214 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:18:24.40 ID:+u4deqXC0
二人は扉に向かって暫くの間叫んでいましたが、
向こうからの反応がなくなると、そのまま床に崩れおちました。
(;´_ゝ`)「ま、まじかよ……。制度を変えたと思ったら、今度は薬って、
一体何考えてんだあの崩れ眉毛王は…」
从#゚∀从「天才って肩書きも困りもんだな」
( ´_ゝ`)「お、どうすんだ?」
从 ゚∀从「こうしちゃいれねえ、何に使うのかはわかんねーが、
つーの為にも一刻も早くその薬をつくんねーと」
(;´_ゝ`)「薬ねえ……気がすすまないなあ」
从#゚∀从「いいから早くつくんだよ!お前だって弟が心配じゃねーのか!」
(;´_ゝ`)「心配だよ!」
そうして二人はあっという間に薬を完成させました。
215 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:19:19.73 ID:+u4deqXC0
从#゚∀从「これで良いだろ!早くこっから出せよ!」
ノパ听)「まあ待て、これが本当に効くのかどうか試してみないとな」
そう言うと、女は一度姿を消しました。
暫くして戻って来た足音は、一人ではなく、二人の走る音です。
(;*゚∀゚)「ネーサン!大丈夫か!?」
从;゚∀从「つー!何もされてないか!?大丈夫か!?」
(;*゚∀゚)「オレは大丈夫だけど、ネーサンこそ大丈夫だったか?」
从;゚∀从「オレも大丈夫だ、よかった」
(*;∀;)「よかった…オレ、心配だったんだ……
ネーサンがいなかったら、本当にどうしようと…」
从 ゚∀从「つー……」
妹は姉に抱きつきました。
腕を回し、もう2度と話さないと言わんばかりに力を込めます。
姉の腕の中で、潤んだ瞳で妹は姉を見上げました。
(*;∀;)「ネーサン……」
从 ゚∀从「つー、どうした?」
217 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:20:54.14 ID:+u4deqXC0
(*;∀;)「オレ、オレ、ネーサンのことが……」
从;゚∀从「つー…?」
そして姉ははっと気付きました。
そう、先ほど女が言った言葉「試してみないと」という言葉です。
从;゚∀从「あいつ、つーを実験台にしやがったな!!」
『ぎゃー!!』
从;゚∀从「!?」
ハインが叫ぶと同時に、別な場所で叫び声が上がります。
驚いて声の方を向くと、一緒に薬を作った科学者と似た顔の男が増えていました。
218 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:21:38.05 ID:+u4deqXC0
(#´_ゝ`)「はなせっ!俺にそんな趣味ない!!
女の子が好きなの!出来れば幼女!」
(´<_` )「安心しろ、もうそんなこと考えないように、これからは俺が守ってやる」
(#´_ゝ`)「余計なお世話だっつの!!
ギャー!キモイキモイ!!放せー!!」
(´<_`*)「さあ帰ろう、これからもいつも一緒だ。
二人だけの小さな山小屋で暮らそうじゃないか。
そうだ、帰りに役所に寄って行こう」
(;´_ゝ`)「ちょwwwwwmjskwwwwwwwwwっをまwwww馬鹿力やめろwwwwwwww」
その兄弟の様子を見て、姉は少し気を遠くしつつも、
自分の妹をぎゅうと抱きしめました。
この可愛い妹に愛されるなら、それでもいいかな、と思いました。
从*゚∀从「つー、帰ろっか」
(*゚∀゚)「うんっ!」
219 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:21:57.43 ID:+u4deqXC0
ノパ听)「陛下、例の薬が完成しました」
川 ゚ -゚)「おお、そうか!薬が完成したか!」
(´・ω・`)「ようやくですな」
川 ゚ -゚)「よし、それをすぐ全ての井戸に流すんだ」
(´・ω・`)「井戸?……そうか」
川 ゚ -゚)「そうだ、全国民の飲み水に繋がる井戸に……つまり」
(*´・ω・`)「はっはっはっは」
川*゚ -゚)「はっはっはっは」
二人は笑いあいました。
そして次の日には、全国民がその水を飲むことになります。
220 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:22:20.10 ID:+u4deqXC0
ξ*゚听)ξ「ねえ、この間女王様の姿を見ちゃったの」
('、`*川「え、いいなぁー素敵よね〜」
ξ*゚听)ξ「素敵よねー…ああ、あんな人と結婚したいなあ」
('、`*川「そうだ、今度婚約者を決めるパーティがあるらしいじゃない、行ってみたら?」
ξ*゚听)ξ「そ、そうしてみようかなっ!」
('、`*川「頑張って!ツンの可愛さなら女王様もきっとメロメロよ!」
_
( ゚∀゚)「やっぱ世界は胸板だよな」
( ^Д^)「いやいや、男の価値はそこじゃねーよ」
_
( ゚∀゚)「胸板だろ!」
_
(*゚∀゚)o彡゜「胸板!胸板!胸板!」
( ^Д^)「おまwwwwwwwそればっかwwwwwwwwwwww」
221 名前: 愛のVIP戦士@全板人気トナメ開催中 投稿日: 2008/06/15(日) 15:23:24.59 ID:+u4deqXC0
瞬く間に、人々は別れ、そして新たな恋人を作り出しました。
一ヶ月も経たずに、二つの国では、異性同士の婚約者はいなくなります。
そして、
ζ(゚ヮ゚*ζ「ご結婚おめでとうございます、陛下!」
('、`*川「ツーン!おめでとうー!!」
川*゚ -゚)「ツン……そなたは誰よりも美しい」
(`・ω・´)「それでは二人とも、誓いのキスを」
ξ*゚听)ξ「クール陛下……」
川*゚ -゚)「ツン……」
二つの国では、同時に王が婚約しました。
二つの国は、争いもなく、愛に溢れる幸せな時を過ごしました。
そして100年後。
二つの国には誰も存在しなくなりました。
〜BAD END〜
戻る>ζ(゚ヮ゚*ζ