277 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:47:53.48 ID:rHcm7gWI0

(`・ω・´)「なに? ショボンが部屋から出てこない? 」

妻の一言に私は思わず、箸を止めた。

('、`*川「そうなんですよ。あの子専用のパソコンを買ってあげてから、
      休日なんかご飯とお風呂とトイレに出てくる以外は篭りっぱなしで」

(`・ω・´)「ふーむ、そうか」

私だって二十数年前は健全な高校生だったわけだから、気持ちが分からなくも無い。

私がバイトをして自分専用のパソコンを買ったのもそれくらいの歳だったし、
親に隠れてやりたいことくらい、大体は察しがつく。

('、`*川「変なことをしてなければ、いいんですけどね」

女親に子の年頃の男子の考えが分かるわけも無く、妻はため息をついた。

(`・ω・´)「よし、では後で私のほうから言っておこう」

('、`*川「ええ、あの子ももうすぐ受験ですから。お願いします」

――安心していい、勉強はしているはずだ。

そんな言葉が脳裏をよぎったがやめておいた。
その後「じゃあ、何をしているの? 」と聞かれたら、息子の名誉のためにも言える筈もないし
言ったらパソコン禁止なんてことになり、息子もストレスに悩まされる日々を送らなければならなくなるだろう。



279 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:49:45.66 ID:rHcm7gWI0

(`・ω・´)「ショボン、ちょっといいか? 」

私は食事の後、息子の部屋を訪れた。もちろん、いきなりドアを開けるような無粋なマネはしない。

『ちょっと、待って……どうぞ』

意外にも早く返事があった。どうやら、まずいタイミングでは無かったようだ。

私はドアを開け、息子の部屋にはいった。

(;´・ω・)「何か用? 」

息子はパソコンの前に座り、顔だけをこちらに向けて聞いてきた。

(`・ω・´)「いや、勉強は頑張ってるか? 」

そういいながら息子に近づく。
案の定、パソコンは起動していて画面にはデカデカと、検索サイトのトップページが表示されている。

――さては慌ててこれを開いたな

そんなことを考えながら画面の下に視線を送るといくつかのウィンドウが最小化されていた。

(;´・ω・)「こ、これは、その、課題の調べ物をしようと思って……」

息子がしどろもどろに言い訳をしていたが私はそれを聞くことが出来なかった。

(・ω・´;)「……これは」

ツールバーに最小化されているウィンドウのタイトルを見て私は言葉が出なかった。



280 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:51:13.30 ID:rHcm7gWI0

そこに表示されていたのは、思春期の男子が好むような性的なものではなく予想外の代物だった。



一つ目はインターネットエクスプローラー。見えているタイトルは【( ^ω^)ブーン系小説…】


二つ目はメモ帳。見えているタイトルは【( ^ω^)ブーンはツン…】



(・ω・´;)「……ブーン系小説」

(;´・ω・)「え? 」

私の言葉に息子は「なんで知ってるの」言いたげな顔で私を見上げていた。
そんな事も気にせず、私はメモ帳を最大化した。

(;´・ω・)「ちょ、父さん! 」

息子が静止するのも無視して画面をスクロールさせていく。



282 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:53:26.51 ID:rHcm7gWI0

やがてすべてを読み終え私は小さなため息をついた。

(;´・ω・)「こ、これはその息抜きってやつd……」

そんな息子の言葉をさえぎるように私は口を開いた。

(`・ω・´)「ショボン、ここの行は一旦改行して2行にしたほうが見やすいぞ。
       あと、このブーンのAAは言葉と感情があってない。この怒り方なら(#^ω^)より(#`ω´)にしたほうがいい。
       それからドクオがやたらもてるのは叩かれる。この役どころならジョルジュを使ったほうがいい」

(;´・ω・)「……父さん? 」

(`・ω・´)「なんだ? 」

(;´・ω・)「……なんでそんなの分かるの? 」

(`・ω・´)「……まぁ、まだあるか分からないが……見てなさい」

私はそういってカモフラージュの為に開いてあった検索サイトにキーワードを入れる。
【ブーン 小説 まとめ】
その検索結果の中から一つのまとめサイトを見つけ出した。

(`・ω・´)「探しておいてなんだが、おどろいたな。ここの中の人、まだまとめやってたのか」

そんなことを呟き、完結作品の中から一つの作品を選ぶ。

(;´・ω・)「これがどうかしたの? 」

状況が未だに把握しきれていない息子が聞いてきた。



283 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:56:12.34 ID:rHcm7gWI0

(`・ω・´)「これは私が書いたものだ」

私は思わずニヤリと笑いそうになりながら答えたやった。

(;´・ω・)「う、うそだー! 」

(`・ω・´)「嘘だと思うなら、名前欄に「#syakinn」と入れてテストしてみろ。同じ酉が出るから」

息子は慌てて最小化してあったもう一つのウィンドウを最大化する。



そこには懐かしいレスが並んでいた。

『支援』 『乙!!』 『長編化希望wktk』 『お題クレ』そして『保守』





(`・ω・´)「何も変わっちゃいないな」

私がそう呟く横では、酉を確認して呆然とする息子がいた。



(`・ω・´)「まぁ、がんばれ。逃亡だけはするなよ。これは先輩としてのアドバイスだ」

そういって、私は息子の頭をポンと叩いてから息子の部屋を後にした。



285 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 05:58:54.33 ID:rHcm7gWI0

数日後、とある金曜日の深夜。スレが最も賑わう時間。

(`・ω・´)「……」

自室のパソコンに向かい、久しぶりに総合スレを開いてみた。

(`・ω・´)「……知らんAAが増えてるな」

些細な事が新鮮に思えた。

(`・ω・´)「久しぶりにやってみるかね」

そう呟き私はキーボードを叩く。



287 名前:(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):2007/12/29(土) 06:00:30.03 ID:rHcm7gWI0

しばらく待ってF5キーを押すと、早速レスがついていた。

(・ω・´;)「なっ! 二十数年ぶりにもらったお題がこれか!! 」

思わず画面に突っ込みを入れそうになった。



217 :(`・ω・´)かえるの子はかえるのようです(´・ω・`):203X/12/29(土) 01:46:38.11 ID:syB0myUO

>>216
中出し義母レイプ



(`・ω・´)「だが、それがいい」

私は短く『把握』と書き込み、メモ帳を開く。

(`・ω・´)「まぁ、やるからにはガチでヤバイの書いてやんよ」

いつの間にか十代のころの口調に戻ってることも気づかず私は、キーボードを叩き始めた。


〜おしまい〜



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