1 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:02:47.82 ID:NYbPBYl+0

 何故、AV女優は数ある職業の中から『AV女優』という職業を選択したのだろう?
 確かに、極希にブスで生きる価値〇で顔が潰れている子が嬉々とした表情で出演していることがある。
 そういう子は、そういった方法でしか金を稼げない。お金持ちの旦那を貰って日々を平穏に過ごすことが出来ないかもしれない。
 しかしAV女優の中でも、可愛い子がいるとする。



4 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:03:46.04 ID:hjXTv8HT0

 何故この可愛い子は『AV女優』という職業を選んだのだろう? 
 童貞のような顔付きで(尤も、そんなわけなかろうが)、気色悪い演技をする『AV男優』に中田氏され、お金を貰う。
 この子は『AV女優』という職業を選択しなくても生きていけるのではなかったか?
 お金持ちでハンサムの旦那を貰って、幸福に過ごす権利が与えられているのではないか?
 それなのに何故、よりによって――AV女優なんかに――。



5 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:03:54.21 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「そんなことはどうでもいいお。りくたん可愛いな、はぁはぁ」

 哲学的思考を働かせながら白濁した液を発射するのは比較的快感が得られた。
 オナニーのコツは、してる最中に「オナニーをしている」という思考を捨てることである。
 もしオナニーの最中に「オナニーをしている自分」を想像してしまった場合は、萎えてしまって満足なオナニーライフを送れないだろう。



6 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:04:34.73 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「レイプ物はやっぱいいお! 去年はレズ物が好きだったけど、やっぱり同意の上でのセックスは燃えないんだお! これからの時代はレイプだお!」
 
 レイプ物は最高である。
 もう一度言おう。
 レイプ物は最高である。
 女優の苦悶した表情、快感と不快の矛盾、意志とは裏腹に訪れる絶頂、残虐な演出、全てをくるめても、日本映像文化の中で最高峰のジャンルである。



7 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:05:17.91 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「でもずるいんだお!」

 抜いた後だというのに、まだ気持ちは収まらなかった。
 おそらく椎名りくたんと犯れる男優が気に入らなかったに違いない。



9 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:06:07.88 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「ブーンも……ブーンもレイプしたいんだお! もう考えるのは止めた!
       日々悶々と童貞という重荷を背負って生きていくのは止めたお!
       日本中の童貞ニート諸君に、ブーンが本物だということを見せつけてやるお!」

 童貞を捨てるチャンスだった。



10 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:07:09.13 ID:NYbPBYl+0

 ブーンは、生まれて十七年間、ずっと童貞であった。笑っちゃうくらい童貞であった。童貞(笑)、という名言が生まれそうだった。
 だからといって風俗で童貞を捨てるのは些か抵抗がある。風俗で童貞を放棄するのは、卑怯のやることだと思っているからだ。
 だからといって恋愛で童貞を捨てれるはずがない。
 顔も平均点以下で、偏差値も三十以下で、運動神経最悪のブーンに、恋する女などいるはずがなかった。
 故にレイプである。
 レイプなら童貞を捨てることが出来る、綿密な計画と、野生と理性を共生させ、実行に移す。
 恋愛で童貞を捨てるより、ぐっと放棄率が高そうな案である。

( ^ω^)「でも一体誰にするんだお……ブーンのクラスで可愛い子なんて一人も……」



11 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:08:42.78 ID:NYbPBYl+0

 ここでブーンは閃いた。
 いつも教室で笑顔を振りまき、皆に元気を与え、積極的な行動が一輪の向日葵のように輝いて見える。
 童顔でありながらも、胸は大きく、ある程度肉付きも良い。スカートで区切られた境界線を見てると精神が潰れてしまいそうだ。
 
( ^ω^)「そうだお、ブーンのクラスにも一人だけ可愛い子がいたんんだお。しぃちゃんならブーンにレイプされる権利があるんだお」



12 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:09:30.14 ID:NYbPBYl+0

 しぃ(*゚ー゚) である。
 しぃは確かにクラスの人気者であった。
 女子からも人気があり、男子からも好意の対象となっている。

( ^ω^)「おっおっおwwww思い立ったが吉日。早速計画を立てるんだお」

 そう言ってブーンは一切れの紙を取りだし、その上に鉛筆を走らせていった。



14 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:12:14.72 ID:NYbPBYl+0

  ■

( ^ω^)「おはよーだおwwwwドクオ君。昨日の深夜から始まった、アニメ視聴した?」

('A`)「してねぇよ」

( ^ω^)「勿体ないだお。『滅亡魔法少女ラファエル』はもしかしたら、リリカルを越えるかもしれないだお。
 一話からSF的伏線が多数張られ、ギャグセンスがある台詞回し、絵とは裏腹に展開される重厚な世界観。何よりもいいのは、OPだお。
 みみみみらくる、滅亡魔法少女ー、血飛沫ドロドロ、ラファエルー♪
 という歌詞が頭にこびり付くんだお。
 是非、ドクオ君にこそ見て欲しい作品だお!」

('A`)「暇だったら……」



15 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:13:07.25 ID:NYbPBYl+0

 朝、ブーンは学校に登校して、教室に入り開口一番、窓際で座っているドクオにアニメの感想を言い出した。
 ブーンは只のエロ高校生ではない。AV女優並にアニメも詳しいのである。
 そんな風にサブカルチャーを徹底的に知り尽くしている博学なブーンに、悪友のドクオは尊敬の眼差しを向けているに違いない。
 一方、教室の空気はある意味明るかった。
 所々から聞こえる笑い声、それはブーンに対しての笑い声であった。
 おそらくブーンの膨大な知識量に対して、感嘆し驚きという感情が最上級の笑いにシフトしてしまったからだろう多分。



16 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:14:12.83 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「ドクオ君はもっとアニメを見るべきだと思うおwwwww、アニメを見ないくせにアニメを語るのは少々滑稽だと思うだお。
 創世のアクエリオンのテーマソングや、エヴァンゲリオンを見たくらいで調子に乗らないで欲しいだお。
 どうせエヴァンゲリオンも、映画を見ていないんだろ?
 エヴァンゲリオンの本気は映画だお。只の馬鹿ツンデレだったアスカが格好良く見えるんだお。
 これをミズしてエヴァを語るなwwwwwゆとり乙wwwwwww」

('A`)「……悪かったよ」



18 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:15:21.83 ID:NYbPBYl+0

 いつもと変わらない日常、太陽は何時も通りにやって来て、植木鉢には誰も水をやらない。
 そして――教室の扉が開いて、誰かが入ってくる。

(*゚ー゚) 「おはよー、みんな」



19 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:15:57.39 ID:NYbPBYl+0

 しぃの挨拶に対して、クラスのみんなも挨拶で返す。
 男の声もあるし、女の声もある、微妙な空気の色だった教室が一気に薔薇色に変化する。

('A`)「やっぱしぃちゃん可愛いな……でも高嶺の花だから……」

( ^ω^)「そんなことないお。そうだ、ドクオ。君だけに飛びっきりの計画を教えてやるんだお」

('A`)「飛びっきりの……計画?」

( ^ω^)「そうだお。昼休み、屋上に来て欲しいんだお」

 そしてチャイムが鳴り、担任の先生が入ってくる。
 いつもと変わらない日常の筈だった。
 ブーンを除いて。



22 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:18:01.97 ID:NYbPBYl+0

  ■

('A`)「駄目だよ、そんなこと……」

( ^ω^)「何怖じ気づいているんだお。ここで勇気を持って行動しないと、ブーン達は一生童貞だお?」

('A`)「だからって、みんなのアイドルしぃちゃんをレイプするなんて……」

 昼休みの屋上は意外に静かだ。
 普段は鍵が閉まっていて、無駄なカップルなどが入ってこないからである。
 しかしブーンは天文学部部長(部員一名)というポジションを最大に生かして、屋上の鍵を持っているのだ。
 故に、現在屋上にはブーンとドクオしかいない。



24 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:18:59.18 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「みんなのアイドルだからこそレイプするんだお。ブスをレイプしても仕方がないんだお。
 しぃちゃんをレイプするからこそ、価値があるんだお」

('A`)「で、でも……レイプなんて、犯罪だし」

( ^ω^)「えぇい、ごちゃごちゃ五月蠅い!
 ブーンの天才的な計画があれば、学校側にも警察側にも決してバレることはないんだお」

 そう言って、ブーンはポケットから計画表を取りだしドクオに手渡した。



25 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:19:37.68 ID:NYbPBYl+0

('A`)「えーと、何々……しぃちゃんをこの屋上に呼び出してブーンがレイプする。そしてその一部始終をドクオがカメラに収める……」

( ^ω^)「どうだお? 天才的計画だお。こうすればカメラの映像でしぃちゃんを脅して、誰かに相談することを封じ、且つ脅して何度もレイプすることが可能だお」

('A`)「というかこれってAVのパクりじゃ……」

( ^ω^)「おそらくブーン達のレイプは後の世に『天才高校生レイプ事件』として語り継がれるんだお。そしてレイプ魔達の指順に……」

('A`)「語り継がれるってことは、バレてるじゃん。駄目じゃん」

( ^ω^)「きっとTVアナウンサーとかにインタビューされて……」

('A`)「何で有名になってるんだよ。何でレイプ犯人が堂々とTVに出てるんだよ」

( ^ω^)「そして、行く行くは甲子園に」

('A`)「……絶対そんな甲子園、作られねぇな」



31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:22:13.87 ID:NYbPBYl+0

 ブーンは興奮していた。
 童貞を捨てれる喜びと、しぃを犯せる喜びが、複雑に絡み合ってカタルシスが増幅しているのだ。
 
( ^ω^)「ドクオのことは知人Aとして紹介してやるんだお」

('A`)「……というかこの計画、俺ってカメラで撮ってるだけ?」

( ^ω^)「慌てなくてもいいんだお。後で、しぃちゃんと一緒に写真を撮ってやるんだお。三人ともピースサインなんか作ったりして」

('A`)「……何でレイプされてるのに、悠々と記念撮影してるんだ。何かドッキリみたいな結末だな、おい」

( ^ω^)「心配しなくてもいいんだお。しぃちゃんはきっと、ブーンのテクニックにメロメロだお」


('A`)「童貞がセックスのテクニック持ってたら嫌だな」

( ^ω^)「おそらく、ブーンとしぃちゃんのセックスは、五十年後くらいに教科書に掲載されるんだお」

('A`)「レイプが教科書に載るなんて世も末だな」

( ^ω^)「仰げば尊し、だお」

('A`)「音楽の教科書かよ……」



33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:23:20.98 ID:NYbPBYl+0

 何だかんだ言って、ドクオも一緒にしぃをレイプすることにした。
 ブーンが強く迫れば、ドクオも断れない性格なのだ。おそらく童貞を捨てることへの好奇心と、アイドルしぃを犯せる期待、も入り交じっているのだろう。
 
( ^ω^)「計画は今日の放課後実行だお、ブーンはしぃちゃんに告白する振りをして、屋上に呼びつけるんだお。ドクオはカメラをスタンバイしてて欲しいんだお」

('A`)「OKwwwww逃がすなよwwwwwwwwwwwwww」

 何故かノリノリであるドクオであった。



36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:25:01.50 ID:NYbPBYl+0

  ■

 六限目の授業も終わり、教科書をバッグの中にしまうブーン。
 その手は心なしか震えているように見えた。
 
( ^ω^)「いよいよ実行の時だお……しぃちゃんの引き出しに偽の恋文を忍ばせた筈だから……それを見て屋上に来てくれる筈だお」
 
 しぃは女友達と楽しそうに話している。口が一個の意志を持った生物のように動き、身振り手振りで相手に笑いを提供する。
 それを受けた女友達は口を手に当て、ははは、と笑っている。
 しぃも、その女友達も悩みがなさそうに、学校生活を楽しんでいる。
 ブーンも自分自身では学校生活を楽しんでいる、と思っている。いや思い込んでいたのだ。
 本当は、恋愛もせず童貞のまま高校生活を終えるのか、という不安が混じった絶望が心の奥底で眠っている。
 その魔物は心の底で着々と成長し、雄叫びを上げながらゆっくりブーンの心臓と脳味噌を蝕んでいく。



39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:25:40.38 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「それじゃあ、そろそろ屋上で待機するだお、ドクオも待っていることだし」

 ブーンはしぃのことが好き――なわけではない。
 不可能な恋は恋でなく憧れだからである。
 しぃは目の治療薬である。日々、どす黒い日本社会、年金制度が破綻するのは時間の問題だし、憲法第七条が破棄されようとしている、アメリカとの交流を絶てば朝鮮が核兵器を落としてくるし、ゆとり教育での学力低下も著しい。
 ろくにマナーを守らないのは子供も大人も一緒、実際基本的なところでは一緒なのだ。
 しかし子供は大人を貶し、大人は子供を貶す。両者分かち合おうとする姿勢がない。



41 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:28:27.41 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「wwwwwwwしぃちゃんみたいなwwwwwww美人を犯せるとなるとwwwwwwwおっおっおwwwwwwテンション上がるおwwwww」

 腐った日本社会を見てきて、目という情報媒介も疲労している。
 そんな目を癒してくれるのがしぃという女神。
 決して届かない――女神のようなアイドル。



45 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:31:51.06 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「おっ?」

 しぃが引き出しに手を突っ込んで紙切れを取りだした。
 広げ何やら困った表情を作っている。

( ^ω^)「気付いてくれたし、屋上に行くお」

 ブーンは意気揚々と教室を退出し屋上に向かった。
 
 ――しかしブーンは人生最大の間違いを犯してしまった。
 しぃをレイプする計画表――それをこともあろうか。



52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:34:42.17 ID:NYbPBYl+0

  ■

( ^ω^)「いよいよしぃちゃんをレイプするんだおwwww」

('A`)「ねぇねぇ、やっぱ止めようよ。やっぱこれって犯罪だって」

( ^ω^)「何言ってるんだお。もう後には引き戻せないだお。このレイプ計画が成功に終わったら、ドクオにカレーライス奢ってやるから」

('A`)「いらないよ……」

 屋上でブーンとドクオはしぃを待っていた。
 ドクオの手にはカメラが握られていて、ブーンの片手にはコンドー●が握られている。
 もし知らない人がこの二人を見たら、反射的に警察に電話するだろう。それ程明らかに異様な光景であった。



55 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:36:03.16 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「おっ? そんなことしてる間にしぃちゃんがやって来たようだお」

 しぃは確かに屋上にやって来た。
 しかしある男と一緒にやって来たのだ。

(,,゚Д゚)「おい」

( ^ω^)「…………」

(,,゚Д゚)「何か言え!」



58 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:36:35.44 ID:NYbPBYl+0

 ギコである。
 当初、しぃだけがやって来てそのままお楽しみタイム! に直行すると思っていたブーンは焦りの色を隠すことが出来なかった。
 汗も出ないし、声も出ない、最悪の事態を想像して喉が悲鳴を上げる。

(,,゚Д゚)「おめぇ、この計画表は何だごるぁ!」

 ギコは凄味を効かせて計画表をブーンに叩き付けた。
 こともあろうか、ブーンはレイプの計画表を机に置きっぱなしにしてしまったのだ。
 正直、阿呆とか間抜けとか馬鹿としか言いようがない。弁解の余地〇。



71 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:41:07.58 ID:NYbPBYl+0

(,,゚Д゚)「俺のしぃに対して、おめぇらは何をするつもりだったんだ? ごるぁ」

 事態よりも言葉に上がり続けてきた心拍数が突然停止する。
 
( ^ω^)「俺のしぃ……?」

(,,゚Д゚)「おぅ。しぃは俺の彼女だからな、何も可笑しいところなんてない筈だ」

 現実を叩き付けられて、目眩がし、世界が反転して色褪せる。
 ギコとしぃが付き合っている? 確かに幼馴染みみたいなことを風の噂で耳に入れたことがある。
 しかしまさか、ギコとしぃが付き合っているとは――
 感情の奔流を上手く制御出来なくて、吐き気がする。



74 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:42:12.79 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「お二人さん、付き合ってたんだお?」

(,,゚Д゚)「そんなことはどうでもいいんだよ! おめぇ、その計画表は何だ? しかもしぃの引き出しに入ってた恋文は何だ?
 舐めてんのか?
 死にたいのか、地獄に行きたいのか、爪を一枚ずつ剥がして欲しいのか、雛見沢に行きたいのか、レベル5か?
 巫山戯んじゃねぇよ」

 ギコが拳を振り上げるまでは確認出来た。
 気付いたらブーンは屋上の柵にもたれ掛かっていた。



77 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:45:13.56 ID:NYbPBYl+0

(,,゚Д゚)「おめぇは、おめぇは!」

 倒れたブーンに対して、何度も蹴りやパンチを加えるギコ。容赦が全くない。
 その攻撃に対して、無抵抗無気力で迎えるブーン。
 何も考えられないのだ。
 やがて、ギコの攻撃も止み、唾を吐き捨て。

(,,゚Д゚)「これに懲りたら、俺のしぃに近づくんじゃねぇよ、童貞」

 そう言い、ギコはしぃと共に屋上を出て行く。
 しぃがブーンを見る目は、怒りと憐憫の感情が含まれているように見えた。



78 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:46:00.30 ID:NYbPBYl+0

( ^ω^)「…………」

('A`)「……それじゃあ、僕、帰るね」
  
 ドクオは何故か一発も殴られなかった。
 おそらくギコの中でのブーンのインパクトが強すぎて、一時的な盲目になっていたのだろう。
 ヲタク噺を延々と、空気も読まずに続けるブーンは前々から目を付けられていたのだ。
 一方、ドクオは空気のような存在で、正直名前もろくに覚えられていなかったのだ。
 ブーンとドクオ、どちらが幸福であろうか?
 
( ^ω^)「幸福って何だろ……」

 ブーンは始めて幸福について考えた。

 ――この日を境に、ブーンの地獄が幕を開けた。



86 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:48:58.97 ID:NYbPBYl+0

  ■

 朝、学校に登校してドクオに話し掛けようとしたら、自分の机の上に置かれているものに気付いた。
 菊の花――菊の花が入っている花瓶が置かれていたのだ。

( ^ω^)「何だお……これは」

 周囲から聞こえてくる笑い声。
 
( ^ω^)「五月蠅いだお……」



96 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:53:56.84 ID:NYbPBYl+0

 今までブーンは勘違いしていた。
 今までブーンのことを皆が笑っているのは前々から気付いていた。しかしその笑いには「嘲笑」や「苦笑」という意味が込められてなくて「尊敬」や「憧れ」が含まれていると思った。
 しかし今、教室を支配する笑い声は違う。
 確かな悪意が込められていて、ノイズが耳に入ってくるような不快感。
 耳の感覚は遮断したいのに、逆に耳が発達して周囲の影口が残り残さず入ってくる。
 あいつ臭いよ……しぃを犯そうとしてたんだって……最低だな……死んだ方がマシじゃん……二人組を作る時は全力で無視しよう……早く死ね、死ね、死ね死ね、死ね死ね死ね死ね……。

( ^ω^)「五月蠅いだお! 言いたいことがあるなら直接言え! だお!」



100 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:57:18.60 ID:NYbPBYl+0

 ブーンは不快なノイズに我慢仕切れず、悲鳴にも似た声を上げてしまった。
 周囲の笑い声は一瞬停止されたが、それも一瞬。すぐにそれ以上の笑い声が教室を包む。

( ^ω^)「何だお……」

 直接態度に表す生徒もいた。
 ブーンの机を蹴って威嚇する生徒、耳元で「死ね」と囁いてくる生徒、花瓶の中の水をぶっかけてくる生徒。
 教室はブーンという共通の虐め相手を作って団結していた。
 この団結の紐を解くためには、虐めの改善を訴えかけても無駄なのだ。声を出せば出す程、それは笑いの種となり虐めの原因を与えてしまう。



101 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/04(金) 23:58:07.17 ID:NYbPBYl+0

(*゚ー゚) 「くすくす」

(,,゚Д゚)「……ふふ」

 しぃとギコが教室の片隅で笑いを堪えているのが目に入った。
 おそらくギコが皆に言い触らしたのだろう。
 しぃをレイプしようとしていたブーンには一度の暴力だけでは飽き足らない、長期的な虐めという処置によって、自らの心を満足させようとしたのだ。
 既にブーンはしぃとギコの娯楽相手となっている。

( ^ω^)「ブーンが、ブーンが……何をしたんだお……。只、ブーンはしぃちゃんをレイプしようとしただけなのに……」

 ギャグのように、バケツの水が天井から落ちてきた。



111 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:00:52.21 ID:Wn1OVZYB0

 虐めは全く止む様子を見せなかった。
 菊の花など序の口だったのだ、精神的に疲労困憊するだけだから比較的マシだったとも言える。 しかし上靴を隠されたり、筆箱がなくなったり、教科書に落書きを書かれたりと、物質的に被害がくると、間接的に金銭面の問題や先生の不信にも繋がる。

( ^ω^)「すいませんだお……スリッパを貸して欲しいんだお」

( ・∀・)「ん? またスリッパを借りにきたの? 一体何回目だね」

( ^ω^)「すいません」

( ・∀・)「ふん。まぁいい、しかし悩み事があったらモラに言うんだぞ? 酒くらいは付き合ってやるから」

( ^ω^)「はい……」



122 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:06:46.82 ID:Wn1OVZYB0

 言える筈がなかった。
 只の虐めならまだ救いようがある。しかしブーンにも非がある――しぃをレイプしようとした非が――だから先生にも言える筈もなく、只鬱々とした感情を胸に閉じ込めて生活した。



125 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:07:35.12 ID:Wn1OVZYB0

 放課後はギコの取り巻き連中にフルボッコにされた。
 みっくみっくにされるならまだしも、只痛いだけの制裁。喧嘩という名のリンチ。

<丶`∀´>「しぃをレイプするなんてとんでもないニダ! レイプは韓国の専売特許ニダ!」

(,,゚Д゚)「……それはどうかと思うが……取り敢えず殴っておけ」

 腹を殴られ胃袋の中から嘔吐物が込み上げてくるが、精一杯口で堰き止めた。
 


127 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:08:15.66 ID:Wn1OVZYB0

(*゚ー゚) 「…………」

 しぃは少し離れたところでブーンの哀れな姿を見ている。
 心配してる様子など微塵もない。娯楽として、野良犬を見るような冷めた目付きでブーンを見ている。
 そこには愛情などあるはずもない。



133 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:11:59.24 ID:Wn1OVZYB0

(,,゚Д゚)「これに懲りたら、もうしぃのことを一度も見るな。お前が一瞬でもしぃを見る限り、この制裁は一生続く」

 勿論無理な噺である。
 ブーンとしぃは同じクラスなのである。違うクラスならまだ余地はあるが、同じクラスである場合、見ないことは絶望的である。
 ギコ達は、ブーンに見る気がなくても、同じクラスにいるというだけで「見た」と決めつけてリンチを繰り返すだろう。
 謂わばこれは永遠に続く地獄、終わりのない地獄。
 母から貰った小遣い――内職で必死に貯めて、ブーンに渡してくれたなけなしの三千円を、全てギコ達に奪われた。



136 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:13:45.33 ID:Wn1OVZYB0

(,,゚Д゚)「ふん」

 唾を吐き捨ててギコは去っていく。

( ^ω^)「……くそ」

 最早ブーンの精神は限界であった。
 これ以上、バーが振り切れればブーンの精神は呆気なく崩壊し、躰が暴走してしまうだろう邪気眼っぽいが。



138 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:14:20.64 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「もう駄目だお……」

 ブーンは覚悟を決めた。
 終わりのない地獄に終止符を打つ、唯一の方法があるのである。

( ^ω^)「遺書書いて、自殺するだお……」

 自殺の方法は何が良いであろうか――そうだ、飛び降りという方法が――。



148 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:20:20.08 ID:Wn1OVZYB0

  ■

 教室で遺書を書いていた。
 文章は何故か上手い具合に書けた、これもブーンの文才があってこそ可能なんだなぁー、とこの期に及んで思ったりしていた。

『皆さん、ブーンはしぃちゃんをレイプしようとしてました。しかしレイプの何がいけないんでしょうか? レイプして子供を孕ませても、責任を取ればいいんじゃないでしょうか?
 それなのに皆さんはブーンに執拗な虐めを繰り返してきます。
 警察、そして関係者様、どうかこの惨劇を解き明かしてください。
 そしてギコに地獄のような制裁を……』



160 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:23:45.44 ID:Wn1OVZYB0

 色々とカオスな遺書であった。

( ^ω^)「よし……死ぬだお」

 放課後の教室は静まりかえっていた。
 部活動の活発な声しか聞こえない。しかしブーンは運動場と教室の間の絶望的な距離感を感じていた。
 運動場は健康の象徴だ。学生時代に打ち込めたものを作成するため、青春と介して満足感を得るため、健康的に走り回る。
 一方、ブーンがいる教室は死の象徴だ。
 ひっそりと忍び寄ってくる死に神の影。背中を刺される恐怖、まだ見ぬ明日への絶対的な恐怖。



162 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:24:44.94 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「みんなさよならだお……レイプ物のAVは最高だお……というか何でドクオは虐められないんだお。世の中は不平等だなー」

 意を決してブーンは窓から身を投げ出そうとした。
 躰は重力に奪われ、否応がなしに地面に衝突し、短い人生に終止符が打たれる筈だった。
 筈だったが――。



171 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:29:39.64 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「ん? あれはギコだお……何してんだお」

 窓の外からギコが見えた。
 何故か、挙動不審な態度で周囲に視線を配らしている。

( ^ω^)「もしかしたら……」
 
 ブーンは自殺することを止めた。
 何故なら一発逆転のカードを引き当てたからだ。



179 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:31:08.94 ID:Wn1OVZYB0

(,,゚Д゚)「何だごるぁ! こんなところに俺を呼び出しやがって、しかもしぃと一緒に……」

( ^ω^)「ふふふ……虐めを止めてもらおうと思ってね」

(,,゚Д゚)「あぁっ!?」

 翌日、ブーンはギコとしぃを放課後の教室に呼び出した。
 その表情は自信に満ち溢れていて、虐めの対象とは思えない。
 一方、ギコとしぃはブーンの満ちた表情に困惑している。ギコとしては今日もブーンをリンチして金を奪おうと思っていたのだ。
 しかしこの異様な状況は何なのだ? この場での主導権が目まぐるしく変動する。株価のように大暴落の危険が含まれているような、そんな気分にさえさせる。



188 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:34:44.18 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「まずこの写真を見て欲しいんだお」
 
 ブーンは写真を取り出す。
 ギコは最初、怪訝そうな視線を送っていたが、瞬時に躰が凍り付く。
 写真にはギコとツンξ゚听)ξがキスをしている場面が映されていたのだ。



189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:35:28.50 ID:Wn1OVZYB0

(,,゚Д゚)「て、てめぇ……」

(*゚ー゚) 「……ギコ君、どういうこと? 何でツンちゃんとギコ君がキスしてるわけ?」

(,,゚Д゚)「そ、それは……」
 
 一瞬にしてギコの表情が曇る。
 そうなのだ、ギコはしぃとツンに二股かけていたいたのだ。正直男として風上にもおけない行動をした。nice boatで誠死ねである。
 


201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:37:31.77 ID:Wn1OVZYB0

(,,゚Д゚)「いやこれは……親愛の証みたいな……」

(*゚ー゚) 「欧米か」

(,,゚Д゚)「いやこれは、こ、これは……」

(*゚ー゚) 「最近メールしても素っ気ないと思ったら……何? ギコ君は私がレイプされても困らないわけ? 私がいなくなっても、ツンちゃんがいるからいいか、って」

(,,゚Д゚)「ち、違う!」

(*゚ー゚) 「何が違うの? 合成写真とか言い出すわけ?」

(,,゚Д゚)「そ、そうだ! これはブーンが俺を填めようと」

 救済を求めるようにブーンに視線を変えるギコ。



205 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:39:44.54 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「合成写真だと思うかお? ブーンにそんな技術でもあると……?」

(,,゚Д゚)「そ、そうだ! お前はパソコンとかに強そうだからな。どうせフォトショップとか使って、合成写真を使っただろ? イエスって言えごるぁ!」

( ^ω^)「まぁそう思うのも自由だお。でも君の彼女さんが言っているように、前々から素っ気ない態度だったそうじゃないか? その伏線を全て放り投げる気かお」

(*゚ー゚) 「ギコ君……」

(,,゚Д゚)「う、五月蠅ぇ! えぇい! しぃ……」

(*゚ー゚) 「さようなら、もう遭うことはないでしょう」

 そう言って顔を隠しながら教室を出て行く。
 気のせいか、煌めく涙が宙に浮いているように見えた。



208 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:40:37.01 ID:Wn1OVZYB0

 ギコが放心して場に立ち尽くしている。
 瞳は虚空に繋がっていて、救済の文字は何処を捜してもなかった。
 しかしすぐ憎しみの炎を瞳に宿らせて。

(,,゚Д゚)「て、てめぇ……こんなことして許されると思っているのか? ごるぁ!」

( ^ω^)「おっとブーンには手を出さない方がいいだお。ブーンがこれだけのカードでギコに挑もうとも?」

(,,゚Д゚)「は? 何だごるぁ!」



220 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:41:53.99 ID:Wn1OVZYB0

 たまたま持ってきたカメラでギコの様子を写真に収めてから(ご都合展開ドンマイby長門)、色々と情報を頭に詰め込んだ。
 まだギコの手にかかっていないヲタク仲間、それらを中心にツンの人間関係を洗いざらいを調べてみた。
 すると面白い結果が出てきた。



232 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:45:52.74 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「ツンはどうやら、この学校の番長であるモナー( ´∀`)の女だと聞くお。そんなツンと隠れて交際してたみたいだお。
 これがモナーの耳に入ったら、果たしてギコ君はどうなるんだろうね?
 想像してみるんだお」
 
 ギコは最悪のカードを提示されて、顔が真っ青になっている。
 必死に大逆転のカードを取り出そうとするが、この場をひっくり返せる程強力なカードなど存在しなくて……。

(,,゚Д゚)「く、くそ……」



244 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:51:37.11 ID:Wn1OVZYB0

 肩を下げて項垂れるギコ。
 まさかブーンがここまで周到で頭の良い奴だと思っていなかったのだろう。作者も思ってなかったショボーン。

( ^ω^)「これで良かったんだお……」

 健康を象徴する運動場、そしてこの教室はやはり死の象徴であった。



255 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:54:11.48 ID:Wn1OVZYB0

  ★エピローグ★

('A`)「おーい、エヴァンゲリオンの映画見てみたけど、何か訳分からなかった……というか鬱になった」

( ^ω^)「何か色々とウザい台詞だおね……訳分からない、と切り捨てることも出来るけど、日本のアニメ文化を牽引してきたエヴァ、そして視聴者に多大なるインパクトを与えた映画を只で切り捨てるのは馬鹿のやることだお! 
 一万年と二千年前から愛してるー、と歌っているだけでどうにかなると思ってたら大間違いだお!」

('A`)「何かブーンって、アニメのことになると凄い勢いになるな」

( ^ω^)「今度クロスチャンネルと家族計画とリトルバスターズを紹介するだお! 人生変わるだお」

('A`)「エロゲにも詳しいのかよ……」



262 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:57:49.63 ID:Wn1OVZYB0

 虐めのリーダ格であるギコの欠員によって、少しずつであるが、ブーンに対する虐めも収まってきた。
 本来虐めとはそんなものである、目標がなくなればすぐ飽きて収まり、次の対象に移り変わる。只目標の霧散が難しいから、虐め撲滅は困難なのである。
 ブーンはあれから色々と考えてみた。
 何故、AV女優は数ある職業の中から『AV女優』という職業を選択したのだろう?



269 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:58:42.05 ID:Wn1OVZYB0

 一見、間違った選択のように思える。
 しかし目指してる目標は皆と一緒なのではないか。
 幸福という一つの目標に向かって走っているのではないか。
 ベクトルは同じ方向を向かっているのだ。しかしそれに伴う過程が全て異なっていて、複雑に絡み合っていて、正解と間違いなんて区別付けられないのではないか。
 ブーンはしぃをレイプしようとした。
 もしかしたらそれは「しぃが好き」という目標に向かった過程かもしれない。
 いきなり論理が飛躍し過ぎると思うが、もしかしたらブーンはしぃのことが好きだったかもしれない。
 尊敬の対象じゃなくて、憧れの対象でもなくて……只純粋に、好きという感情――。



270 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 00:59:20.12 ID:Wn1OVZYB0

( ^ω^)「……よし」

 ブーンは徐に立ち上がり、屋上に向かった。
 既に準備はしてある。





(*゚ー゚) 「ブーン君、何?」

( ^ω^)「いやさ……」



273 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 01:01:04.94 ID:Wn1OVZYB0

 しぃを屋上に呼び出してみた――。
 しぃはやはり警戒している、送り主の名前は記さなかったが、もし書いてあったら来てくれなかっただろう。

( ^ω^)「最期に伝えたいことがあってさ」



274 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 01:01:58.24 ID:Wn1OVZYB0

 よし認めよう。ブーンは「しぃのことが好き」ということを。
 だからレイプという屈折した表現方法じゃ駄目だったんだ。おそらくブーンは間違った道を選択してしまったんだ。
 しかし「好き」という目標は定まったままなんだ。
 だから――だから――だから――だから――だから――






( ^ω^)「ブーンと付き合ってくれないかな?」



278 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/01/05(土) 01:03:54.53 ID:Wn1OVZYB0

 しぃの返事は至ってシンプルだった。

(*゚ー゚) 「嫌。死ね」

                 《ALL BAD END》

何処の選択が間違っていたのかな? 考えてみよう!
ヒント;そもそもブーンがしぃレイプしなければよかったのでは?
    というかレイプで童貞を捨てようとしなければ良かったのでは?



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