- 114 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 13:22:40.93 ID:7R46v8Ki0
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(=゚ω゚)ノ「ねぇちゃんねぇちゃん」
(゚、゚トソン「なによ、勝手に入ってこないでよ」
(=゚ω゚)ノ「ねぇちゃんはプレゼントに何ほしいんだよぅ」
(゚、゚トソン「なにアンタ、買ってくれんの?」
(=゚ω゚)ノ「違うよぅ。女が何ほしいかリサーチだよぅ」
(゚、゚;トソン「……リサーチってあんた、何? 告白でもすんの?」
(=゚ω゚)ノ「違うよぅ。キープに渡す用を買うんだよぅ」
( 、 トソン「……え? 今なんと……?」
- 116 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 13:30:28.83 ID:7R46v8Ki0
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(=゚ω゚)ノ「てかおいら彼女いるよぅ。そっちには今日、ちゃんと渡してきたよぅ」
(=゚ω゚)ノ「プレゼント被ったらダメだから、ねぇちゃんに相談しにきたんだよぅ」
(=゚ω゚)ノ「できるだけ安い方がいいんだよぅ。おいらはキーホルダーがいいかなって思ってるけど」
(=゚ω゚)ノ「ねぇちゃんはどう思う? 別にした方がいいかな?」
( 、 トソン「……」
(=゚ω゚)ノ「……? ねぇちゃん? どうしたんだよぅ?」
(゚、゚#トソン「イヨゥ! ちょっとそこ正坐!」
(;゚ω゚)ノ「ひ? ねぇちゃんこわいよぅ。どうしたんだよぅ!?」
(゚、゚#トソン「いいから座りなさい!!」
- 119 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 13:43:50.96 ID:QUUw4NOn0
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(゚、゚#トソン「アンタ今何歳?」
(;゚ω゚)ノ「11歳だよぅ。小六だよぅ。ねぇちゃんも知ってるよぅ!」
( 、 トソン「……改めて聞くと日本の行く末が心配でならないわ」
(゚、゚トソン「いい? 付き合っている彼女がいるならその子だけを大切にしなさい。
キープとか言ってるうちは男として半人前なのよ」
(=゚ω゚)ノ「……俺はそう言ったことあるよぅ。でも向こうはそれでもいいって言ってるよぅ」
(゚、゚;トソン「……そんなにモテてるの、アンタ」
(=゚ω゚)ノ「んー、ちょっと違うよぅ」
(=゚ω゚)ノ「おいらもよくわかってないけど、
女子の間では彼氏がいないと遅れてるってことになるみたいだよぅ。
女子は誰でもいいから最低一人彼氏がいないといけないみたいだよぅ。
うちの学年は女子の方が多いし、彼氏が被っちゃうのは仕方ないんだよぅ。
(=゚ω゚)ノ「けど女子は彼女がいない嫌いな男よりも、彼女がいる普通の男の第二彼女になるんだよぅ。
これはルール上セーフって教えてもらったよう。
けど第二でも第三でも、クリスマス彼氏は彼女にプレゼント贈らなくちゃいけないんだよぅ。
これは決まっていることらしいんだよぅ」
- 120 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 13:47:26.87 ID:QUUw4NOn0
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(゚、゚;トソン「……アンタの小学校大丈夫なの?」
(;-ω-)ノ「……でもプレゼントしないと怖くて学校いけないよぅ。
もうお小遣い少ないから安くしないといけないんだよぅ」
(゚、゚;トソン「……ゆとり教育で生まれた遊びなのかしら」
(゚、゚;トソン「ていうかルールってなによ。いろいろツッコミどころありすぎよ」
(;-ω-)ノ「女子には歯向かったらいけないんだよぅ」
- 122 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 13:54:31.67 ID:QUUw4NOn0
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(゚、゚トソン「そういうことなら……まぁ……」
(゚、゚トソン「クッキーとかがいいんじゃない? 形に残ると面倒臭そうだし」
(=゚ω゚)ノ「……! 盲点だったよぅ! 灯台下暗しだよぅ!」
(゚、゚トソン「いや、使い方微妙に間違ってるから。ことわざ使いたいのはわかるけども」
(=゚ω゚)ノ「俺はさっとことわざが出てくる男になりたいんだよぅ!」
(゚、゚トソン「はいはい」
(=゚ω゚)ノ「ところでねぇちゃんは彼氏いないのかよぅ」
( 、 トソン「……!!!!!」
- 124 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 14:07:43.12 ID:xuepwr040
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( 、 トソン(……弟に……小学生に言われるこの無念……)
( 、 トソン(……胸をえぐられるようだわぁ)
(=゚ω゚)ノ「高2のクリスマスが終わっちゃったら、来年の今頃は受験で忙しいんじゃないかよぅ?」
( 、 ;トソン(無駄に詳しいし)
(=゚ω゚)ノ「イブも終わっちゃうよぅ。明日は予定あるのかよぅ」
( 、 ;トソン「あ、明日はないけど、明後日に集まりがあるのよ」
( 、 ;トソン「ちょっとしたバーでパーティがあってね、ま、呼ばれた人しかいけないんだけど」
( 、 ;トソン「大体日にちに拘ってるうちはおこちゃまなのよ。クリスマスはバイトある人だっているんだし」
(=゚ω゚)ノ「すげー! バーってあのシャカシャカする人がいるとこだよね?」
(=゚ω゚)ノ「いいなぁ……おいらも行ってみたいよぅ」
( 、 ;トソン「高校生の付き合いってやつだから小学生にはちょっと、ね」
(=゚ω゚)ノ「ねぇちゃんすげーよぅ。変なこと言ってごめんよぅ」
( 、 ;トソン「さーて、私はお風呂でも行ってこようかなー」
- 137 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:04:11.64 ID:/g//E21I0
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−12/26−
(゚、゚;トソン「……という勢いできちゃったけど」
(゚、゚;トソン「……地下なんだ」
(゚、゚;トソン(怪しくないよね?) カツカツカツカツ
――――――キィ
――――――カラーン♪
('A`)「……」
(゚、゚;トソン「あ、あの、今日こちらで催し物があると聞いて」
('A`)「まぁ座ってください。水なら出せますんで」
(゚、゚;トソン(……気難しそうな人だなぁ)
- 138 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:12:09.44 ID:/g//E21I0
-
(゚、゚;トソン「……あのぅ」
('A`)「はい」
(゚、゚;トソン「準備中なら手伝いましょうか?」
('A`)「―――ああ、ここでやるんじゃないですから。集合場所なだけですよ」
('A`)「今先発隊が出発したので二便に乗る人は待機しているところです」
(゚、゚;トソン「そうなんですか」(……えぇー二人っきりーっ?)
- 139 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:17:49.23 ID:/g//E21I0
-
カラーン♪
ミ ・∀)「お邪魔しまーす」
(゚、゚;トソン(……知り合いキター)
('A`)「きたか」
ζ(゚ー゚*ζ「すごーいここー」
('、`*川「へぇこんなとこあったんだー」
川 ゚ -゚)(暗いな……だがいいかもしれん)
( ФωФ)「なかなかであるな」
('A`)(……大量に女を連れて)
- 143 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:23:31.76 ID:/g//E21I0
-
ミ∀・ シ「ギコっていう奴来ませんでした?」
('A`)「ああ、VIP高のバスケ部連中だろ」
('A`)「車一台しかなかったから先発隊として先行ったよ」
('、`*川「それじゃあ今は車待ち? ならロマがいるから私たちも出発できるんじゃない?」
(;'A`)「あ、はい。人数的にここから出発するメンバーはこれで全部なので」
(;'A`)「でも全員乗れますか?」
(ФωФ )「任せるである。三列シートは伊達じゃないのである」
- 146 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:34:46.24 ID:/g//E21I0
-
運転手 ( ФωФ)「ではいくのであーる!」
助手席 川 ゚ -゚)「あまり揺らさないでくれ」 (←バイト先で余ったホールケーキを抱えています)
二列目 ζ(゚ー゚*ζ「準備いいですよー」
(゚、゚トソン(……私って拉致気味だよね、これ)
('、`*川「出しちゃってーロマー」
三列目 ミ∀・ *シ「なんかいいですね、ドクオさん」
('A`)(どうしてこう、これだけ女がいて男とツーショットなのか……。まぁ無難ちゃあ無難だが)
- 148 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:45:52.59 ID:W289aqgX0
- ロマネスクさん運転ので向かったのは山だった。
登れば登るほどに車の窓ガラスが曇る。
路肩には残雪が、道行く車の排気で黒くなっていた。
それも次第に白い部分が多くなり。
いつの間にか、アスファルトが見えないくらいに道路に雪が覆いつくされていて。
白銀世界。
いや、違う。
真っ白だ。
白い以外に目に映るのは、樹の幹や電線などで。
今走っている場所の地面は、白く、厚く、化粧をしていた。
ここが、冬だ。
- 149 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 15:53:53.65 ID:W289aqgX0
-
('A`)「あ、あれです。あのペンション」
( ФωФ)「了解なのである」
ζ(゚ー゚*ζ「おしゃれー。カワイー」
(゚、゚トソン(かわいい)
('、`*川「THE・森の家って感じね。シルバニアファミリーとかの」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、それぴったりだね」
(゚、゚トソン(確かに)
ミ∀・ シ(……大勢での旅行になるのかな、これ)
ミ∀・ シ(いや、変にこじつけるのは俺の悪い癖だ)
ミ∀・ シ(余計なこと考えずに楽しもう。シャキンさんは、そのために招待してくれたんだから)
- 151 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:01:40.65 ID:W289aqgX0
-
ζ(゚ー゚*ζ「……ねぇ、これ……」
川 ゚ -゚)「……ピンポンだな」
(゚、゚トソン「……ですね」
('、`*川「……ログハウスに呼び鈴って」
ミ ・∀)「いいじゃないですか。押しますね」 ピンポーン♪
『――――――おぅ! 来たなモララー!』
ミ ・∀)「ギコ? よく俺だってわかったね」
『カメラにお前がばっちり映ってるからな!』
ζ(゚ー゚*ζ「あ、カメラあった」
(゚、゚トソン「防犯対策でしょうか」
( ФωФ)「見た目に反して現代的な建物であるな」
('A`)(なんでもいいからさっさと入れよ。寒ぃーよ。死ぬよ)
- 154 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:11:14.06 ID:ComJcCub0
-
(`・ω・´)「やあみなさんいらっしゃい。温かい飲み物を用意していますよ」
('、`*川「――――――!?」
('、`*川(……来た甲斐があったわ)
川 ゚ -゚)「ケーキを持ってきたのだが」
(・ω・´)「ああ、なら外に出しておきましょう」
( ФωФ)「おお、すでに始まっていたのであるか」
( ФωФ)「すまない。少し遅れたようである」
(`・ω・´)「本当は始まっていないのですが……まぁ気が早い人たちばかりなので」
(`・ω・´)「運転してくださってありがとうございます。おかげで私も準備に時間が割けました」
( ФωФ)「いやいや、招待していただいたお返しとして思ってほしい」
(・ω・´)「嬉しいですね。どうぞこちらへ」
- 155 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:18:16.46 ID:A4dr4zkN0
-
(´・ω・`)「ドックンおつかれー」
(´・ω・`)「ごめんね定員オーバーで残らせて」
('A`)「いやいいよ。正直あのメンツで知り合いジョルジュしかいねーし」
('A`)「どっかの豚野郎は前日にドタキャンして海外とか行ってやがるし」
(´・ω・`)「……ツンに言いなよ、その愚痴は」
('A`)「無理。俺ブーンみたいにギャグマンガ体質じゃねーもん」
(´・ω・`)「あのコンビが世界の中心みたいなものだしね」
('A`)「しかし人多いな」
(´・ω・`)「まぁねぇ。ドックンみたいな人たちがいっぱいだから」
('A`)「それどういうアンダスタン?」
(´・ω・`)「お店のパーティだけど、お店に関係ない人ばっかりってことだよ」
- 158 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:27:37.20 ID:A4dr4zkN0
-
ζ(゚ー゚*ζ「もうちょっとちゃんとした服にすればよかったかな……」
从 ゚∀从「おーいデレー! こっちー! こっちー!」
从 ゚∀从「これすっげー旨いの! ホントやべーこれ! な、食ってみ? 食ってみ?」
ζ(>ー<;ζ「ハイン食べていいから喋らないっ!」
从 ゚∀从「うるさいぞーお前。ほらみんな何事かって振り向いてるじゃん」
ζ(/////*ζ(……このKYは!!!)
- 160 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:39:24.53 ID:/N0m4noH0
-
( ゚∀゚)「あれ? トソンじゃん」
(゚、゚;トソン「ジョ、ジョルジュくん……」
( ゚∀゚)「お前も誘ってもらったんだ」(モララーの奴、トソンみたいなのがタイプなのか)
( ゚∀゚)(女とは付き合わねー宣言から一ヶ月も経ってねーけど)
( ゚∀゚)(……やっぱ気になる奴いるんじゃん)
(゚、゚;トソン「成り行きでね」(……ううぅ、苦手キャラだぁ)
(゚、゚;トソン(ってよくよく考えたら男の人のリハビリ状態なのにパーティとかほいほい来ちゃってるよ私!)
(゚、゚;トソン(……本当に今更だけどどうしよう)
- 162 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:47:39.52 ID:UKw4G1wj0
-
(*゚ー゚)「もぅ、ギコくん! つまみ食いしすぎ!」
(,,゚Д゚)「いいじゃねぇか。楽しんだもん勝ちだと思うがな」
(*゚ー゚)「勝たなくていいからもう少し待ってようよ」
(,,゚Д゚)「おぅ!」
(*゚ー゚)(……本能で動いているからなぁ)
(*゚ー゚)「あ、これおいしい」
(,,゚Д゚)「それカクテルじゃねぇか?」
(*゚ー゚)「そうなの? お酒だったんだ。ジュースみたいだね」
(,,゚Д゚)「俺にも一口くれ」
(*゚ー゚)「はい」
(*゚ー゚)(……間接キッスとか意識しないんだろうなぁ)
(,,゚Д゚)「うまいな」
(*゚ー゚)「だよね」
- 164 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 16:54:00.19 ID:wXNlHYg/0
-
ミ∀・ シ「……」
(`・ω・´)「どうしたんだい?」
ミ・∀・シ「シャキンさん」
ミ・∀・シ「……いえ、こういうところに招待されるなんて今までなかったから」
(`・ω・´)「感激してたの?」
ミ∀・ シ「いえ、そこまでは」
(`・ω・´)「そこは『した』って言ってほしかったんだけどな。招いた側として」
ミ∀・ シ「だと思って」
(`・ω・´)「おや、『その上で』だったか」
(`・ω・´)「……まぁこういう騒ぎは毎日あってもいいもんじゃない」
(`・ω・´)「一日遅れの聖夜を楽しんでくれればこちらとしても呼んだ甲斐があるというものだよ」
ミ∀・ シ「……ちょっとキザすぎません?」
(`・ω・´)「それが仕事だからね。ごゆっくり、モララーくん」
- 167 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 17:03:26.68 ID:QHqL80IE0
- 一日遅れの聖夜。
それはバーボンハウスのオーナーの誕生祭でもあった。
拍手の中でエスコートされた初老のオーナーはトンガリ三角の帽子を被って現れた。
それはそれは嬉しそうに微笑んで。
ここに集まったのはプライベートな繋がりの人たちだと。
オーナー自身、初めて会う人にも、再会を懐かしむ人にも。
『その一期一会に感謝している』
そう言って握手して、とうとう全員と握手していた。
その言葉と行動の重さは、人としての羨ましさ。
理想、尊敬、その中間にある、
『こんなおじいさんになりたい』
気持ちが今なお、じんわりと暖かかった。
- 169 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/18(火) 17:12:17.21 ID:QHqL80IE0
- あえて知り合いたちを『うちの者たち』と言おう。
うちの者たちの騒ぎっぷりは凄かった。
ギコやハインちゃんは食べまくる。
それが旨いからと近くの人に薦めまくる。
ペニサスさんはポーカーで負け知らずで。
クーさんは甘いものに目がなくて。
ショボンくんとジョルジュくんはなにやら二人で盛り上がっているし。
ドクオさんも。
ロマネスクさんも。しぃちゃんも。
シャキンさんも。トソンさんも。デレちゃんも。
そして俺も。
みんなハイになって楽しんでいたと、そうとしか思えないと、そんな夜であると。
そんな聖夜なら、来年も待ち遠しいじゃないか。
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