178 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 19:32:32.70 ID:P12aSHWG0
周りが俺を気にしてくれる。

……という気遣いを感じながらも、日々は坦々と過ぎていく。
まるで事態は解決していないけど。
目の前にはやることがあるから、余所見はできない。
というか。
俺自身の問題は考査一点のみなんだけど。
やっぱり、普通の人は、こう。
度外視しないものなんだよなぁ。
……我ながらズレてるって思わずにはいられない。

185 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 19:42:37.62 ID:P12aSHWG0
                            クーさんの対策は授業ではまったく使えない。

                                                   なので、
                             『本当にこんなことしてていいのだろうか?』
                                          と頭によぎる時がある。
          しかしそれも、クーさんに直接教えてもらうといつの間にか消えているのだ。
            『冬休みに入ってしまえばその疑念も消し飛ばしてやる。覚悟しておけ』
          ……きっと、付け焼刃、から、詰め込み、の勉強方法にかわるんだろうなぁ。

188 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 19:49:35.68 ID:P12aSHWG0




 カラーン♪




      (・ω・´)「すみません。まだ準備中なので――――――」

      (`・ω・´)「―――おや、こんにちは」

   ミ ・∀)「……こんにちは」

      (`・ω・´)「寒かっただろう? コーヒーでいいかい?」

   ミ ・∀)「あ、いえ、おかまいなく」

      (`・ω・´)「カウンターに座ってくれた人に何も出さない奴にしてくれるなよ」

      (`・ω・´)「はい。ミルクもいれるかい?」

   ミ ・∀)「すみません。じゃあお願いして」

192 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 19:56:26.60 ID:xGro+hnl0

      (`・ω・´)「どうしてここに来たんだい?」

   ミ; ・∀)「あ、え、仕事中にお邪魔するのは悪いかなと思って……」

      (・ω・´;)「いやそういうことじゃなくてね」

      (`・ω・´)「ほら、前がアレだったからもう来てくれないんじゃないかと思ったのさ」

   ミ ・∀)「あ、全然気にしてないですよ」

   ミ ・∀)「また来てもいいって言ってもらえたから、ほいほい寄っちゃっただけですから」

      (`・ω・´)「嬉しいね」

      (`・ω・´)(……不思議な子だ)

      (`・ω・´)(前回あれだけ惑わすようなことを言ったのに)

      (`・ω・´)(自然体というのか? 10代の子には見えないな……)

197 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:09:33.09 ID:xGro+hnl0

   ミ・∀・シ「……」

      (`・ω・´)「……」

   ミ・∀・シ「……」

      (`・ω・´)「……」

   ミ・∀・シ「……」

      (`・ω・´)「……」(……話さないな)

      (`・ω・´)(話しをしたくてここにきたわけじゃない?)

      (`・ω・´)(告白云々のことでも言いに来たのかと思ったが……)

      (`・ω・´)(……独特の雰囲気を持ってるな)




   ミ・∀・シ(あったけー。指がじんってするや)

   ミ・∀・シ(←シャキンが作業中なのでとりあえず待ってるだけ)

198 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:14:04.30 ID:xGro+hnl0

      (`・ω・´)「告白した子は……」

   ミ ・∀) !

      (`・ω・´)「……聞いてもいいかい?」




   ミ ・∀)「フりました」




      (・ω・´)「……そうか」

   ミ ・∀)「今となっては……これ以外なかったな、って思います」

      (・ω・´)「……」

200 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:19:48.03 ID:xGro+hnl0

   ミ ・∀)「でもそのことで周りにいらない心配かけちゃってて」

   ミ -∀)「目下の悩みはそっちですかねー」

   ミ; ・∀)「あ、相談しにきたわけじゃ……」

      (・ω・´)「そんな身構えないでくれよ」

      (・ω・´)「そこまで拘って話しを分けてほしいなんて要求してないって。
            世間話くらいに思ってもらったほうが助かるんだけどな」

      (・ω・´)(……いらないおせっかいだったみたいだし)

   ミ ・∀)「そうですか?」

      (・ω-´)「そうですとも」

206 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:33:00.03 ID:xGro+hnl0

   ミ -∀)「ええーと……」

   ミ ・∀)「戸惑ってただけなんですよ。告白なんてされたことなかったから」

   ミ ・∀)「俺ってどこかズレてて」

   ミ -∀)「……って自覚し始めたのも最近なんですけど」

   ミ ・∀)「必死に考えて、結論出して、その通りにやってみたら」

   ミ ・∀)「今までの人生通りの、俺らしい場所に落ち着いた気がします」

   ミ ・∀)「だから……納得っていうか……『ああ、ここが俺の定位置だな』って」




   ミ; ・∀)「……すいません。なんか言ってることあやふやですよね」

      (`・ω・´)「いいさ。全然悪くない」


209 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:38:39.77 ID:xGro+hnl0

   ミ・∀・シ「つまり……そう」

   ミ・∀・シ「俺の中で解決したんです」

   ミ・∀・シ「それは返事をする前にシャキンさんに会えたこともあると思ったから」
 
   ミ-∀-シ「ありがとうございました」 ペコッ




      (`・ω・´)「……私は何もしてないよ」

      (`・ω・´)(……なんだろう? 本人は満足そうに見えるのに)

      (`・ω・´)(見ているこっちがスッとしないな……)


212 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:47:10.07 ID:/Ox02wfX0

   ミ∀・ シ「準備中なのにお邪魔してすいません」

      (`・ω・´)「もっとゆっくりしていってもいいんだよ?」

   ミ∀- シ「実は定期考査がやばくて……」

      (`・ω・´)「なら引き止めるわけには行かないな」

      (`・ω・´)「そうだ。26日は空いているかな? VIPも冬休みだろう?」

   ミ∀・ シ「どうでしょう……家庭教師さんの都合によると思うので……」

      (`・ω・´)「空きそうならショボに連絡してみてくれ。ちょっとした催し物があるから。
             なんなら友人を連れてきてもいい。歓迎するよ」

   ミ・∀・シ「ありがとうございます」

   ミ-∀-シ「それじゃあ、お邪魔しました」 カラーン♪




      (`・ω・´)「……ふぅ」

      (`・ω・´)「僕が高校生のときよりも、いろいろあるのかな」

218 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 20:55:38.26 ID:/Ox02wfX0
バーボンハウスから出ると、町はクリスマスカラーでライトアップされていた。

時の流れが遅く感じられる。
まだクリスマスも終わっていなかったのか、と。
楽しいときほどあっという間。
そう聞いたことがあるけれど、それも違う気がする。
今の家にくる前は、日記をつけても一行で済んでしまうほどで。
実際、そのくらいの短さで過ごしていた気がする。
今は?
上手くいえないけど、詰まっているのだ。
ぎゅうぎゅうだ。
それでも、回りまわって、俺は俺なんだな、と思った。
ぎゅうぎゅうなのは、入れ物である俺が広がらないせいだ。


221 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/15(土) 21:03:09.68 ID:/Ox02wfX0

   ミ∀・ シ(さむ……)

   ミ∀・ シ(……)

   ミ∀・ シ(今の家は……人がいて……暖房も効いてて……)

   ミ∀・ シ(変な感じだ)

   ミ∀・ シ(……)

   ミ∀・ シ(……申し訳ないっていうか、そう……もったいないよな……)

   ミ∀・ シ(もったいないおばけ出ちゃうよ)




   ミ∀・ シ「勉強しなくちゃなー」

   ミ∀< シ「うー……さぶっ!」

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