- 94 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:34:43.52 ID:j/LBBRLx0
- − VIP市内大通り二丁目 バーボンハウス地下本店 −
('A`#)
('A`#)「一つ聞きたい」
('A`#)「お前の自慢話聞くために俺はわざわざ呼び出されたのか!?」
ミ∀・ ;シ「い、いや、別に自慢したくて呼んだわけじゃなくて……」
ミ∀- ;シ「……俺……こういうときに真っ先に思い浮かぶのはドクオさんしか……」 モジモジ
(#'A`)「モジモジすんなKIMEEEEEEEEEEEE!!!!!!!!!!!!!!!!」
- 96 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:37:28.07 ID:j/LBBRLx0
-
(´・ω・`)「まぁまぁコレでも飲んで落ち着きなよ」
(#'A`)「ナニコレ?」
(´・ω・`)「オリジナルカクテル……っていうか柑橘系とハーブ入れて振っただけのジュースだよ」
(#'A`) ゴク
('A`)「……うまいじゃん」
ミ・∀・シ「本当だーおいしー」
(´・ω・`)「制服来た高校生にアルコールは勧められないからね」
ミ ・∀)「俺もカクテル作れるようになりたいなー」
(´・ω・`)「モララーはお酒に関する知識もあるし、タンブラーとか買ってみたらいいんじゃない?」
- 97 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:39:18.45 ID:j/LBBRLx0
-
ミ ・∀)「うーん……でも買ったらやらない気がするんだよねー。
俺の知ってるお酒造りは基本漬けて放置だからなぁ」
(´・ω・`)「こういうのは、ふと思ったときに買っておけばよかった、って思うから損はないと思うけどな」
('A`)「……案の上俺放置ですか」
ミ∀- ;シ「そんなことないですって! ドクオさんも俺がどうすればいいかについて考えてくださいよ〜」
('A`)「あーあーリア充がウーザーイー♪」
カラーン♪
(`・ω・´)「おや、開店前にお客さんがいたとは」
(・ω・`)「兄さん」
ミ ・∀)「お兄さん?」
- 100 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:44:51.52 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・´)「こんにちは。ショボの兄のシャキンです」
('A`)「おひさしっす」
(`・ω・´)「ドクオくん、君のその気だるさも相変わらずだね」
('∀`)「持ち味なんで」
(`・ω・´)「そっちの君ははじめましてかな?」
ミ・∀・シ「モララーです」
(`・ω・´)「よろしくね」
- 102 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:47:32.30 ID:vPp/WN680
- (`・ω・´)「ところで今日はなんの集まりだい?」
(´・ω・`)「モララーがVIP高に入った記念の祝いかな?」
('A`)「俺をさらし者にする集まりだろ」
ミ∀- ;シ「ドクオさーん」
('A`)(こいつ本当にいちいち反応するよな。おもしれー)
(;`・ω・´)「そうか。なぜオオカミじゃなくてVIPに入った祝いなのかはわからないけど、
これは良い意味の集まりなんだね?」
(`・ω・´)「なら少しサービスしてあげなくちゃな」
- 103 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:50:14.64 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・))彡°カシャカカシャン カシャカカシャン
(・ω・´) トクトクトク
(`・ω・´)「はい、モララーくん。バーボンハウスへようこそ」
ミ ・∀)「わぁ……」(様になってる……カッコイー)
(`・ω・´)「名前が思いつかないから、『モララー』、とでも名づけようか」
ミ; ・∀)「えぇ!? やめてくださいよー」
('A`)「マスター、モララーひとつ」
(*´・ω・`*)「……モララー一つ」
ミ∀・ ;シ「ショボンくんはなんで照れてるの!?」
- 106 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:53:08.93 ID:vPp/WN680
-
('A`)「そうだ。シャキンさんに聞いてもらえばいいんじゃね?」
(`・ω・´)「……?」
(´・ω・`)「兄さん、実は……」
(`・ω・´)「なるほどねぇ……。今日はそんなことがあったんだ」
ミ; -∀)「もうどうしたものやらパニックで……」
(`・ω・´)「いやいや、誰だって同じだよ?
ここのカウンターに座る人にはね、50過ぎても真剣に恋愛を語る人だっているんだ。
まして君のように若ければ戸惑うのも仕方がないさ」
ミ ・∀)「……あの」
(`・ω・´)「なんだい?」
ミ ・∀)「俺……どうしたらいいですか?」
(`・ω・´)「……ふむ」
- 107 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:55:12.65 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・´)「……モララーくん。バーテンダーにどんなイメージがあるか聞かせてくれるかい?」
ミ ・∀)「バーテンダーに……ですか?
えーと……まず話しを聞いてくれる人かな?
他には……客観的なアドバイスをくれる人……とか……?」
(`・ω・´)「そうだね。だいたい当たっているよ」
(`・ω・´)「でもね、それは仕事だからなのさ。
もっともらしい、それでいてあたかも本質を突いているような言葉を選び、優しく語り掛ける。
そういうことが必要な人にとって用意されている職業なんだよ。
会社で疲れたり、他に打ち明ける人がいなかったり、一人になりたかったり、理由はそれぞれ。
でもそんな人に若いうちから答えを求めちゃダメだよ。
ましてや初めてされた告白なんだろう?
もし僕がここで、『迷っているなら断るのが誰のためにもいいよ』、と君に囁いてしまったら。
頭の中にその言葉がくっついて離れなくなっちゃうんじゃない?」
ミ; ・∀)「……」
('A`)「……」
(´・ω・`)「……」(突き放した……)
- 108 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 02:57:42.22 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・´)「相談することは別に悪くない。誰に相談してもかまわない。
ただ、カウンターに立っている僕には相談しちゃだめだよ。
告白したその彼女は君に想いを伝えたんだ。
だから受け止めることにしても、傷つけることになっても、
他人から『こうした方がいい』と言われたことが正しいと思って今夜ぐっすり眠って欲しくない、かな」
ミ; ・∀)「……あ、あの……俺……」
ミ; ・∀)「……そ、んな……つもりじゃ……」
(`・ω・´)「わかってる。わかっているから。ちょっと意地悪な物言いだったよね」
(`・ω・´)「その彼女と話しをしたらまたおいで。
彼女とちゃんと向き合った君と話したいな。
モララーくんが来たくなければ残念だけど、また来てくれるって期待しているから」
- 111 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:00:34.11 ID:vPp/WN680
-
('A`)「……だな。話し合いは終わり」
('A`)「帰んべ」
ミ∀・ ;シ「……ドクオさん……?」
(´・ω・`)「そうだね。そろそろ開店準備もあるし」
ミ; ・∀)「……ショボン……くん」
(´・ω・`)「あ、そうだ。例のアレ、ラッピングしてみたよ。鞄に入るかな?」
ミ; ・∀)「……大丈夫だと……思う……」
('A`)「かーえーるーぞー」
ミ; ・∀)「……あ……待って!……その……お邪魔しました!」
(`・ω・´)「暗いから足元気をつけてねー」
- 112 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:03:01.09 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・´)「さてショボ。フルスピードで掃除しちゃって」
(´・ω・)「……珍しくない?突き放すの」
(`・ω・´)「いいじゃないか」
(´・ω・)「カウンターに立ったら誰にでもプロとして接するんじゃなかったの?」
(`・ω・´)「開店前だろ。口と一緒に手も動かせー」
(・ω・`))「動かしてますー」
(`・ω・´)「ならよーし」
(`・ω・´)(……)
- 116 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:05:11.51 ID:vPp/WN680
-
(`・ω・´)(……突き放す、か)
(`・ω・´)(……だってなぁ……人の顔色伺って生きてきました、って顔に書いてあったんだもんなぁ。
しかも本人は自覚しているのかしてないのか微妙なラインだったし……。
一回誰かとガツン、ってぶつかってみたほうがいいと思ったんだもん……)
(`・ω・´)「……まったく、バーテンとしては良くないよな」
< 何か言ったー?
(`・ω・´)「別にー」
(`・ω・´)(ま、今回は友人の兄貴として、ということで)
- 120 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:08:41.74 ID:vPp/WN680
- − 玄関 −
('、`*川「ただいまー」
川 ゚ -゚)「お邪魔します」
ζ(゚ー゚*ζ「おかえりなさーい」
('、`*川「モラちゃんは?」
ζ(゚ー゚*ζ「それがね……」
ミ ∀ シ(……ドクオさんもショボンくんもあの時話を続けようとはしなかった)
ミ ∀ シ(……俺が決める)
ミ ∀ シ(……俺に向けられた好意を……俺がどうしていいか決める……)
ミ ∀ シ(……好意……好きってこと……)
ミ ∀ シ(……好き……好き、好きって……何さ……)
- 123 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:13:16.56 ID:vPp/WN680
- モラちゃーん、入ってもいー? >
ミ∀・ シ「……」(……スイッチオフしろ)
ミ -∀)「……」
ミ ・∀)「どうぞー」
('、`*川「んじゃしっつれい」 ガラッ
川 ゚ -゚) スタスタ
ζ(゚ー゚*ζ トコトコ (←ついてきた)
ミ・∀・シ「あ、確かペニサスさんとバスケットでチーム組んでいた……」
川 ゚ -゚)「クーだ」
ミ・∀・シ「あ、モララーです」
ζ(゚ー゚*ζ(……あれ? 帰ってきたときは何か変だと思ったんだけど……)
('、`*川(別にいつものモラちゃんじゃん)
- 127 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:20:14.57 ID:vPp/WN680
-
川 ゚ -゚)「さっそくだが、とりあえず範囲表を見てスケジュールを立てようか」
川;゚ -゚)(……これは本当にきついな……)
川;゚ -゚)(いくらなんでも時間が足りなすぎる。加えて今年度の授業をすべて受けていないだと?
もはや物分りがいいとか勉強が好きとかいうレベルでカバーできるものではない……)
川;゚ -゚)「……結論から言おう。考査の三連続は、追試を含めて赤2つは覚悟で望もう」
ミ∀・ ;シ「……赤は避けれないですか? 学期末の考査は追試ないそうなので赤を取っておきたいんですけど……」
川 ゚ -゚)「いや、まずはこの三連続考査を乗切ろう。赤2つでこれを乗切れば赤1つの余裕を残して冬休みになる。
冬休みになればそこで巻き返しを図っていく。そういうプランだ」
- 129 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:23:17.69 ID:vPp/WN680
-
川 ゚ -゚)「そして普通にテスト勉強していては一回目の考査で留年が確定する可能性もある」
ζ(゚ー゚;ζ「じゃあどうすればいいんですか?」
川 ゚ -゚)「教育学部ならではのヤマ張りを見せてあげよう」
('、`*川「クーかっこいー♪」
川*゚ -゚)+
川*゚ -゚)「と、とりあえず次に私がここに来るまでに用意して欲しいものがある。
勉強はそれからだな!」
- 133 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:29:30.34 ID:vPp/WN680
- 時計が進む。
ペニサスさんはクーさんをつれてきてくれた。
クーさんはやるべきことを指示してくれた。
デレちゃんは用意するものを手伝うと言ってくれた。
ご飯を食べた。
クーさんが帰った。
秒針が周回遅れを蹴っ飛ばす。
長針も周回遅れを蹴っ飛ばす。
短針も周回遅れを蹴っ飛ばす。
急かされた俺は、それでも、立ち止まっている。
勉強?
告白?
学校生活すべて?
それが問いなのかすら判断でできない。
まるでまったく目にしたことのない言語でテスト受けているようだ。
カチ、カチ、カチ、と。背中を蹴っ飛ばす音がする。
蹴り音が、耳に響く。
残り時間は、あとどのくらい?
- 135 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:32:04.89 ID:vPp/WN680
-
ζ(゚ー゚*ζ「あがったよー。次の人ー」
ミ∀・ シ「あ、今日は俺先でいいですか?」
('、`*川「いいけどなんで?」
ミ∀・ シ「……」
ミ∀・ シ「……今日は疲れたので」
('、`*川「ん、りょーかい」(やっぱなんかあったのかな?)
- 136 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:34:05.84 ID:vPp/WN680
-
ミ・∀・シ「あがりました」
('、`*川「じゃ、ラスト風呂いってきまーす」
ζ(゚ー゚*ζ「いってらっしゃーい」
ミ∀・ シ「……」
ζ(゚ー゚*ζ「ん? おにぃちゃんもポッキー食べたいの?」
ミ∀・ シ「……ううん」
ミ∀・ シ「……デレちゃん、俺もう寝ようと思うんだ」
ζ(゚ー゚*ζ「……? 早いね?」
ミ∀・ シ「……疲れたからかな。もう横になりたくて」
ζ(゚ー゚*ζ「わかった。おやすみおにぃちゃん」
- 139 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:37:50.89 ID:vPp/WN680
-
――――――待って。
- 141 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:40:11.45 ID:vPp/WN680
-
ζ(゚ー゚*ζ「え? 今呼んだ?」
ミ ∀ シ コクリ
ミ ∀ シ「……あのさ、言いにくかったらいいんだけど」
ζ(゚ー゚*ζ「何?」
ミ ∀ シ「好きな人いる?」
ζ(゚ー゚*ζ「……え」
- 145 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:42:39.05 ID:vPp/WN680
-
ζ(゚ー゚*ζ「……えっと?」
ミ ∀ シ「好きな人……昔のことでもいいんだ。デレちゃんが好きになった人って今までいた?」
ζ(゚ー゚;ζ「わわわ私が!? えぇー? い、いきなりそんなこと聞かれても……」
ミ ∀ シ「言いにくかったら言わなくていいから」
ミ ∀ シ「引き止めてごめん、おやす―――」
ζ(゚ー゚*ζ「あ、う、おにぃちゃん!」
ミ ∀ シ「……は?」
ζ(゚ー゚*ζ「もちろん妹として兄が好きって意味だよ。
でも誰か選べって言われたら繰り上がり一位でおにぃちゃんかなー?私の場合」
ミ ∀ シ「……兄として、ね」
- 147 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:45:56.93 ID:vPp/WN680
-
ミ ∀ シ「……じゃあ」
ミ ∀ シ「じゃあもし恋人したい意味で好きな人がいたらどんなことしてほしい?」
ζ(゚ー゚;ζ「ど、どんなことって……」
ミ ∀ シ「逆に恋人にしたいって言われたらどうする?」
ζ(゚ー゚;ζ「どうするって……」
ミ ∀ シ「……だよね」
ミ ∀ シ(シャキンさんにも言われたのに、俺は他人の答えを言い訳にしようとした……)
ミ ∀ シ(……だめだ。寝よう。まともに頭が働かない……)
ミ ∀ シ「ごめん。漫画でさ、そういうこと聞く展開で次号に続く、だったから聞いてみただけ」
ミ ∀ シ「もう寝るよ。おやすみなさい」
ギュ
- 149 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:49:54.67 ID:vPp/WN680
-
ζ( ー *ζ「私が」
ζ( ー *ζ「私が好きな人には、正直にいてほしいよ」
ミ ∀ シ(……正直に)
ζ(゚ー゚*ζ「悩んでいるなら悩んでいるって言ってほしいし、辛いなら辛いっていってほしい。
誰にも言えなくて困っているなら私の前では素直になってほしい」
ζ(^ー^*ζ「恋人にしたいって言われたら……その人によるかも。
私結構ハードル高い――――――」
ζ(゚ー゚*ζ「――――――……か……ら、……」
ζ(゚ー゚;ζ「え、おにぃちゃん、どうしたの? 苦しいよ?」
ζ(゚ー゚;ζ「や、やだ、ねぇ、どうしたの? おにぃちゃん?」
――――――ありがとう。ちょっと、軽くなった。
- 150 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:52:12.17 ID:vPp/WN680
-
ζ(゚ー゚*ζ「……あ」
ζ(゚ー゚*ζ「……」
ζ(^ー^*ζ「どういたしまして。私、役に立てた?」
ミ ∀ シ「うん。デレちゃんのおかげ」
ミ ∀ シ「……今度こそ、おやすみなさい」
ζ(゚ー゚*ζ「……おやすみなさい、おにぃちゃん」
- 151 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:54:17.29 ID:vPp/WN680
- 部屋に戻るデレちゃんを見送って、電気を消して布団に入った。
思えばバーボンハウスを出たときから心臓に『なにか』が溜まっていくのを感じていた。
クーさんが来て考査の話しをしていたときも。
ご飯を食べていたときも
お風呂に浸かっていたときも。
頭のどこかで考えていた。
なにを?
……。
『それ』を。
溜まっていくのを横目に、いつも通りの自分がそこにいた。
……ああ、そうか。
溜まっていくのすら、今まで通りじゃないか。
今までは『それ』を認知すらできなかっただけで。
気づいてしまったから、こんなにも、重いんだよ。
- 155 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 03:56:16.86 ID:vPp/WN680
-
ミ∀- シ(それがデレちゃんに抱きついた言い訳かよ……)
ミ∀- シ(なんであの子に守ってもらおうとしたんだよ)
ミ∀- シ(……)
ミ∀- シ(……都合いいからか。最低すぎる……)
ミ∀- シ(……なんで俺に告白してきたんだろう)
ミ∀- シ(話ししたこともない。クラスも違う)
ミ∀- シ(……いや、そういうことじゃないだろう? 気持ちにどう答えるか……)
ミ∀- シ(……)
ミ∀- シ(……時計うっさい)
ミ∀- シ(……気温寒い。これじゃあ寝れない)
ミ∀- シ(……)
- 158 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 04:00:22.35 ID:vPp/WN680
-
ζ(゚ ゚*ζ(なんであんなことになったんだろ……)
ζ(゚ ゚*ζ(……抱きしめられちゃった)
ζ(゚ ゚*ζ(……おにぃちゃん……)
『今朝一緒に歩いているのを見て、付き合っているのかなって思ってたの〜』
ζ(/////*ζ(……)
ζ(/////*ζ(……妹……恋人)
ζ(/////*ζ(……もー! おにぃちゃんのせいだ! ぜんっぜん寝れないじゃん!)
- 160 名前: ◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/08(土) 04:03:38.75 ID:vPp/WN680
- 鼓動が落ち着いていくのを感じていた。
まどろみとも違う。
どこか意識が覚醒していて、それでいて空気の冷たさが心地良い。
……結論は出た。
正直に行こう。
ああ、ほら。
時計だけじゃ俺が動かなかったから、お日様まで背中を蹴っ飛ばしに来た。
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