4 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:12:04.92 ID:VGPWI2tV0
('、`*川「いよいよ明日だねぇ」

   ミ・∀・シ「ですねー」

   ζ(゚ー゚*ζ「似合ってるよ制服」

   ミ∀・ シ「ありがとう」

   ミ∀- シ「でもブレザーって学生服より高いんですかね?
        ……こう、着ていても違和感があるっていうか……」

('、`*川「それが値段とどんな関係あるのよ。着馴れてないだけでしょ」

   ミ∀・ シ「そうですよね」(……大事に着よう) シュルッ グッ グッ

   ミ∀・;シ「……あ、あれ?」(思ったそばからネクタイが……コブ結び? ……うぐっ) ギュッ ギュッ

   ζ(゚ー゚*ζ「とってあげる」

   ミ∀・;シ「……ごめんね」




('、`*川(……明日か)

5 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:13:41.65 ID:VGPWI2tV0
('、`*川(明日の転入に向けて取り組んできた『モラちゃん改造計画』……)

('、`*川(首から上の目立つ肌荒れや目元のクマを毎夜保湿パック。
      規則正しい生活サイクル&食生活に加え、
      ここ数日の『詰め』にはリンパ腺マッサージとストレッチをさせた……)

('、`*川(他には気になっていた箸の持ち方、爪の手入れに関するまで、
      人から見たときの印象を上げるべく容赦なくツッコミを入れてきた……)




   ζ(゚ー゚;ζ(あれ? あれれ? どうなってるのコレ?) ギュ ギュッ

   ミ∀・;シ「……」(……苦しい……けど、やってもらっている立場だし、『止めてくれ』、とは……)

   ミ∀<;シ「ぐぇ」

   ζ(゚ー゚;ζ「お、おにぃちゃん! ごめんね? ごめんね? 大丈夫?」




('、`*川(……なにやってんだか。
      ネクタイ触ったこともないくせにはりきるから……)

6 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:15:17.76 ID:VGPWI2tV0
('、`*川「アタシは部屋行くねー。おやすみー」 ガラッ

('、`*川(……ミッションは完璧。一先ず今できることはすべてやったつもり。
      私から見ても満足のいく一品に仕上げたわ。
      感謝しなさい後輩ども……。
      こんな、一本いくらでそこらに転がっていたオタクを、
      めったにお目にかかれない高級食材にして届けてやるんだからねw)

('、`*川(あとは……) ピッピッピッピッピッピッピッ

      トゥルルルルルルル――――――――――――――――




   『先輩ですか?』 ガチャ

8 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:17:44.91 ID:VGPWI2tV0
('、`*川「そうよ。こんばんわ」

('、`*川「こっちの準備はできたわ」

   『どうですか? できあがりは』

('、`*川「ここ数日の詰めをアンタにも見せなかったけど、
      『焦らし』の価値はあるわ。アタシのお墨付きw 太鼓判押すわ」

   『先輩が言うんならそうとうですよねw』

('、`*川「明日を楽しみに寝なさいw
     ……それと、報告楽しみにしているんだからね」

   『はーい♪』

('、`*川「初日の目標は3人以上かな」

   『わ、具体的な数字がでてきた』

('、`*川「VIP高の生徒って、どこか、『やりすぎ感』や『後先考えない感』あるじゃない。
      そんなに外れてないと思うんけど」

10 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:19:27.20 ID:VGPWI2tV0
   『そうですか? それって先輩たちの代の話しじゃ……』

('、`*川「まぁそこも含めてのお楽しみよね♪」

   『そうですね♪』

('、`*川「二人の関係はどう? 良好?」

   『え!? いきなりこっちの話題ですか!?
    それは……まぁ……えへへへ……/////』

('、`*川「あっそ。良好なら興味ないわぁ」

   『せ、先輩!? それってどういう――――――』 ピッ




('、`*川「……」

('、`*川「……いい加減私も独り身期間長い……」

('、`*川「……カレシ……ほしーよぅ……」

11 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:21:06.39 ID:VGPWI2tV0
−翌日−

(,,゚Д゚)「……ハァ」 ダムダムッ
  _
( ゚∀゚)「なんだ、元気ねーじゃねぇかギコ?」
  _
( ゚∀゚)「どうした? 失恋か?」
  _
(* ゚∀゚)「しぃちゃんと別れたのか? ん? おにーさんに話してみなさい」

(,,゚Д゚)「……失恋じゃないぞゴルァ……ハァ」 ダムダムッ
  _
(# ゚∀゚)「じゃー幸せじゃねーか! 大いなる谷間を独り占め真っ最中じゃねーか!
     他にどんな逆境があっても戦えるじゃねーか!」

(;,,゚Д゚)「……? いや、すまん、わからん……」

13 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:23:11.84 ID:VGPWI2tV0
(,,゚Д゚)「……」

(,,゚Д゚)「……まぁ些細なことなんだけどな」

(,,゚Д゚)「今日の登校の時に担任に会ったんだが」

(,,゚Д゚)「うちのクラスに転校生はこないそうなんだぞゴルァ」
  _
( ゚∀゚)「転校生?」

(,,゚Д゚)「モララーだ」
  _
( ゚∀゚)「あーいつだったか練習見に来てた……」(あの髪ボッサボサの奴か……)

(,,-Д-)「どうせ転入してくるならうちのクラスだったら良かった……」
  _
( ゚∀゚)(お前しぃちゃんと別れてそいつと付き合っちゃえよ……)

15 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:25:46.55 ID:VGPWI2tV0




      キーンコーンカーンコーン




   (‘_L’)「朝練はおわりです。ギコ、締めを」
  _
( ゚∀゚)「ほら、副部長呼んでるぞ」

(,,゚Д゚)「……おぅ」

(,,゚Д゚)「ヴィップー……ファイ! あしたっ!」(※ヴィップー=VIP高校。 ※あしたっ!=ありがとうございましたの略)




   \あしたっ!/\あしたっ!/\あしたっ!/\あしたっ!/\あしたっ!/\あしたっ!/




16 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:27:25.49 ID:VGPWI2tV0
  _
( ゚∀゚)(……しっかしギコがあそこまで入れ込む奴なのか?)
  _
( ゚∀゚)(体育館で見たときは全然オーラねーなーって感じたけど。文化部っぽかったし)
  _
( ゚∀゚)(むしろギコと正反対に見えたけどな)
  _
( ゚∀゚)(ま、ぶっちゃけどうでもいいがなw 
     そんなことよりも朝錬にしぃちゃん来なかったのが俺様的ショックだぜ)
  _
( ゚∀゚)「……あー、授業だりー」

17 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:30:11.60 ID:VGPWI2tV0




< 今日からうちのクラスに来た転校生を紹介する。





      ミ・∀・;シ「えっと、その、モララーって言います! トモダチ募集中です!」 ドキドキ

     _
   ( ゚∀゚)「……」





18 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:35:07.10 ID:VGPWI2tV0
  _
(; ゚∀゚)(……あれ? こいつ……だよな?)
  _
(; ゚∀゚)(……うちのクラスかよ……つーかさ……)
  _
(; ゚∀゚)(なにこれ? 変身ってレベルじゃねーぞ! 今までは世を忍ぶ仮の姿って奴?)



               川∀・ミ

                 ↓

       ゚・*:.。..。.:*・ +ミ・∀・シ 。.:*・゜゚・*゚・*:.。..。.:*・ 
                            (※イメージです)


  _
(; ゚∀゚)(な、納得いかん……)

20 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:38:44.77 ID:VGPWI2tV0
< ……ねぇ、キてない!? キてるよね!?
                                    ねぇ……ちょっと……////// >
                                          だよね……////// >
< よくない!?よくない!?
                                          ……イケメンとか。 >
                     つーか友達募集中ってwwwwwウケる奴だなwwww >
< (さっきから私の方ばっかり見てる……これってもしかして……キャ/////)
< 私的に指とかも超ツボなんですけど。てか全体的にも。てかヤバいよね?
                             女じゃない時点で冷めた。てか萎えた。 >
                                         はいはいイケメン乙。 >




< おまえらーしずまれー。HRの途中だぞー。

   ミ∀・ ;シ(……掴みは上手くいったのだろうか……それだけが気になる……)



  _
(; ゚∀゚)「……」

       ゚・*:.。..。.:*・ +ミ・∀・シ 。.:*・゜゚・*゚・*:.。..。.:*・ 
                            (※イメージです)
  _
(; ゚∀゚)(なんだろう。ビフォーを知ってるだけに……二重に納得いかん……)

24 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:40:50.95 ID:VGPWI2tV0
< 席はあそこだ。トソン、いじめるなよ。

(゚、゚;トソン「いじめませんよ!」

(゚、゚;トソン(……どうしよう……男の人だよ……うぅー席変えてもらいたい……) ドキドキ




   ミ∀・;シ「あの、よろしくお願いします」(第一印象スベってるのかな…。セーフ!? セーフだよね!?) ドキドキ

(゚、゚;トソン「よ、よろしく」(近いよぅ) ドキドキ

   ミ・∀・;シ「はい、よろしくお願いします」(この反応……ひいてる!? まずってる、俺!?) ドキドキ



  _
(; ゚∀゚)(……やっぱ納得いかねー)

26 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:42:38.16 ID:VGPWI2tV0
初登校。そして、自分のクラス、2−A。

休み時間になると包囲された。
『学校』という場所でこんなに人が周りに来たことはない。
ご飯の時間だって机をちょっと離さないとモララー菌がうつるって言われてたのに。
嬉しい気持ちもある。
けれど、どこか冷めた感情が大きくなるのを感じた。
『いいね』
『かっこいい』
『メアドおしえて』
そういう言葉を聞くたびに、
『キモイ』
『オタク』
『近寄んな』
過去からの足音がリフレインする。
……考えるなと言い聞かせても、意識したら止まることはない。

28 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:44:43.85 ID:VGPWI2tV0
                そうして俺は、『最近の』自分じゃなくなっていくのを実感していた。

           水のように決まったキャラを作らず、常に当たり障りのない印象を求める。
                                          相槌だけの、八方美人。
                                  ロックじゃないですよね、ドクオさん。
                                                  そんな中、
                          『A組になったのか、登校したなら顔出せゴルァ!』
                                      ……おせっかいがやってくる。
                            クラスメイトが突然の大声にフリーズしている。
                                               ありがとうギコ。
                               空気を読まなすぎて、逆に読めているよ。
                                             裏の裏は表だね。
                                      いや、ギコには表しかないか。

30 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:46:43.12 ID:VGPWI2tV0
−昼休み−
  _
( ゚∀゚)「へいへい転校生」
  _
( ゚∀゚)(近くで見ても別人だなー)

   ミ∀・ シ「あ、ジョルジュさん」
  _
( ゚∀゚)「もう名前覚えてくれたのか。でも呼び捨てでいいぜ」

   ミ∀・ シ「あ、どうもです。名前ジョルジュさん以外はまだ全然ですけどね」
  _
(; ゚∀゚)「……」
  _
(; ゚∀゚)「……あ、そうなの」(……俺だけ? どういうことだ? なんか意味深だぞおい。 怖ぇーな)

   ミ∀・ シ「メアド聞いてもいいですか? 本当はもっと早く聞きに行きたかったんですけど」
  _
(; ゚∀゚)「あ、ああ。別にいいけど……」(なにこの俺に対してだけのアグレッシブさ。……怖ぇー)


31 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:48:19.52 ID:VGPWI2tV0
(,,゚Д゚)「メシ食いに行くぞー!!」 ガラッ

(,,゚Д゚)「なにしてんだモララー! 食堂に行く準備はできてるのか!?」

   ミ∀-;シ「……ギコ……あの、もう少し静かに……」

(,,゚Д゚)「ジョルジュも一緒だったか! 丁度いいな! お前もこい!」
  _
(; ゚∀゚)「へ? 俺はいいよ。パン買わなきゃならねーし」

(,,゚Д゚)「パンよりうどんの方がいいんじゃないか? 食堂に行くぞゴルァ!」
  _
(; ゚∀゚)「えぇー……」

(,,゚Д゚)「しぃが席とって待っているぞ! 待たせたくないからさっさとしてくれ」
  _
( ゚∀゚) !
  _
(* ゚∀゚)「ま、たまにはいいか」(そういや今日はまだしぃちゃん見てないしな)




   ミ; -∀)(……転校初日から目立ちすぎじゃないかな……俺)

      (゚、゚;トソン(……空席だった隣が男になった……さらにめっちゃ騒がしくなった……)

33 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:51:34.79 ID:VGPWI2tV0
   (゚Д゚,,)「今日から昼休みはここに集合になるな!」

   ミ∀・ シ「お弁当忘れてたから丁度良いかも」

(*゚ー゚)「あ、来た来た。みんな注文してきていいよー」

ζ(゚ー゚*ζ「あ、おにぃちゃ――――」

从 ゚∀从「あ、お兄ちゃんだ! 本当に髪切ってる! かぁーくいぃー!」

   ミ∀・ シ「あ、ハインちゃんひさしぶりー」

ζ(゚ー゚*ζ(……)
     _
   (゚∀゚ )(くーっ! カーディガンのしぃちゃんも鬼カワイイな!)

   ミ∀・ シ(混んでるなぁ……寒くなってきたしみんな温かいもの食べたいんだろうなぁ……)

34 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:53:27.30 ID:VGPWI2tV0
(*゚ー゚)「あれ? ジョルジュくんが学食なんて珍しいね?」
      _
   (゚∀゚ )「う、うん! たまにはいいかなーっってさ。ギコが来いってうっせーし」

(*゚ー゚)「ごめんねーギコくん言い出すと聞かなくて」
      _
   (゚∀゚ )「そんな、しぃちゃんが気にしないでよ」
     _
   (゚∀゚ )(……諦めたとはいえ……ギコにはもったいなすぎるいい子だ……)
     _
   (゚∀゚ *)(……カーディガンの袖で手隠れてるのも鬼カワイイな!
        つーかちょっと角度的にブラ透けて見えてないか……? さりげなく……さりげなく……)




(*゚ー゚)(……ジョルジュくん、視線自重して)

36 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:55:11.27 ID:VGPWI2tV0
从 ゚∀从「あれ? お兄ちゃんいつの間に食券買った?」

   ミ∀・ シ「え、食券? ―――あ、本当だ。券売機あったね」

从 ゚∀从「俺が並んでるから行ってきなよ!」

   ミ∀・ シ「本当? ごめんねハインちゃん」

ζ( ー *ζ「……」

38 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:56:49.60 ID:VGPWI2tV0
ζ( ー *ζ「……ハイン、私が並んでるからいいよ? 先食べてなよ」

从 ゚∀从「いいっていいって! 俺も追加で焼きおにぎりの食券買ったしさ。
       デレは弁当だろ? お前こそ食って良いよ」

ζ( ー *ζ「……ありがとう」

   ミ∀・ シ「おまたせー」

从 ゚∀从「何買った?」

   ミ∀・ シ「かけそばの温かいの」

从 ゚∀从「えーそれで足りんの? 焼きおにぎり一個やるよ」

   ミ∀・ シ「大丈夫だよ。それハインちゃんのでしょ?」

从 ゚∀从「いいのいいの。お兄ちゃんの転校祝いってことさ!」

   ミ∀・ シ「じゃあ後で何かお返しするね」

ζ( ー *ζ「……」

40 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 01:59:42.78 ID:VGPWI2tV0
(,,゚Д゚)「よしっ! 食ったぞゴルァ!」
  _
(; ゚∀゚)「テメーはもう少し噛んで食えよ……」

从 ゚∀从「あー、やっぱ高校っていいよな。
      中学までは冬でも冷たい弁当だったから食堂のありがたさが身に染みるぜ」

ζ(゚ー゚*ζ「ハインってどこ中だっけ?」

从 ゚∀从「俺? VIP北中」

(*゚ー゚)「北中ってお弁当なんだ」

从 ゚∀从「俺らが最後の弁当世代ですけどね。なんか衛生どうたらこうたらで、今は給食になりました」




   ( ゚∋゚)「にぎやかだね、私も座っていいかい?」




(*゚ー゚)「部長!」
       _
(,,゚Д゚) ( ゚∀゚)「「……! おつかです!」」

42 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:01:40.52 ID:VGPWI2tV0
( ゚∋゚)「いいよいいよ。俺はフィレンクトと違って引退したんだし」

   ミ∀・ シ「あれ?冬の大会に出ないんですか?」

( ゚∋゚)「受験の方を磐石にしたくてね」

   ミ∀・ シ「受験大変ですものね」

( ゚∋゚)「ある意味君の方が私より大変だということに気づいているかな?」

   ミ∀・ シ「俺がですか? ……?」

( ゚∋゚)「……そうか」




( ゚∋゚)「みんなも聞いてくれ。今は11月後半に差し掛かろうとしているが、目先にある学校行事といえば何がある?」

43 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:03:40.91 ID:VGPWI2tV0
(,,゚Д゚) ( ゚∀゚) 从 ゚∀从「「「冬の選抜!!!」」」

ζ(゚ー゚*ζ「私はバスケ部じゃないから……うーん……クリスマス? 冬休み?」

(*゚ー゚)「もしかしてアレですか?」

(*゚ー゚)「中間考査」

( ゚∋゚)「私が聞きたかったのはしぃ君の言ったことだね」



       _
(,,゚Д゚) ( ゚∀゚) 从 ゚∀从「「「あー……あったあった……」」」

( ゚∋゚)「勉強はためになるよ?」

( ゚∋゚)「それはそれとして、モララーくんは中間考査を乗り切れる自信はあるかね?」

   ミ∀-;シ「……」




( ゚∋゚)「ま、普通そうだろう。半年以上休学していたのだ。無理もない」

44 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:05:49.30 ID:VGPWI2tV0
( ゚∋゚)「だがその半年を無視して、モララーくんはVIP高に二年生として転校してきた。
     こういうことは普通ありえない。
     なぜなら高校という場は義務教育ではないからだ」

( ゚∋゚)「書類的なものの話は関係ないから省こう。
     問題なのはモララーくんが、高校二年次の前期中間、前期期末、そして今回の後期中間を受けていないこと」

( ゚∋゚)「学年末の後期期末試験までに、この3つを消化するスケジュールでテストを受けてもらうことになる。
     順番的には後期中間、前期中間、前期期末の流れだろう。
     どんな事情であれ今はすでにVIP高の生徒なのだし、後期中間を一人だけ外れることはないはずだから。
     何にも準備していないのだろう? ある意味では受験生より過酷だろうね」

( ゚∋゚)「私は言ったはずだ。転入に関しては君の意思の問題だが、
      転入にはVIP高に来たいという意志の他に、『優秀』であることが推薦の条件だとね」




   ミ∀・;シ「……」 ポカーン

(;,,゚Д゚)「……三連続考査」

从;゚∀从「学年末も含めて実質四連続……」 ゴクリ……

45 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:07:57.11 ID:VGPWI2tV0
( ゚∋゚)「みんなで彼を助けてあげなさい。
     はっきり言って理解しようとしていたら追いつかないだろう。その場しのぎでもいいから赤点回避だけを考えるんだ」

( ゚∋゚)「一年の復習はデレ君も力になれるだろう。兄妹として支えてあげなさい」

( ゚∋゚)「力を合わせてみんなで進級目指すんだ。
     特にうちの三バカは普通に危ないからね。モララーくんがセーフで三バカがアウトなんて言語道断だよ?」

( ゚∋゚)「では。昼休みももう終わる。早く食べてしまいなさい」 ガタンッ




   ミ∀ ;シ「……」

(;,,゚Д゚)「……」
  _
(; ゚∀゚)「さ、さりげなく俺らにも釘刺してったな、部長……ハハ……」

从;゚∀从「……」

48 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:11:10.81 ID:VGPWI2tV0
(;゚ー゚)「ま、まだ時間はあるよ! 私も教えるし!」

ζ(゚ー゚;ζ「そう、そうだよ!一発目でダメでも追試があるんだし、進級するときに全部クリアできていれば……」

   ミ∀ ;シ「……前の学校は学年末の試験追試なかったんだけど、VIP高は……ある?」

ζ(゚ー゚;ζ「……ぁぅ……」

(;,,゚Д゚)(放課後モララーをバスケ部に引きずって行こうと思っていたが……さすがにこれは……)




从;゚∀从「……も」

49 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:14:08.09 ID:VGPWI2tV0

从;゚∀从「もし進級できなくても俺たちと同じ学年になれるんだしいいじゃん!! なぁ!?」




                        !?
                  _
                (  ∀ )  (,, Д ) (* ー ) ζ( ー *ζ




   ミ ∀ シ「……そ、うかもね……ハハ……」

从*゚∀从「だっろー?」

ζ( ー *ζ(……私……なんでこいつと友達やってるんだろ……?)




                                        キーンコーンカーンコーン




50 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:15:49.25 ID:VGPWI2tV0
勉強に関して頭の中がぐるぐるだったけど、教室に戻ると昼休み聞いたことは二の次にした。

ありがたいことにクラスメイトがたくさん話しかけてくれる。
携帯のメモリーも爆発的に増える。
俺は悪い印象を与えないように最善を尽くす。
そして授業が始まるとやばいやばいと頭を抱え、何していいかわからないまま板書だけでも必死になる。
食堂から涼しい顔で去っていった会長さんが今は恨めしかった。
そして放課後。
遊びに誘いをやんわり断りつつ、一目散に昇降口に向かう。
そこにはデレちゃんが待っていてくれたので二人で帰る。早足で。
途中の本屋さんで問題集と参考書を一通り見た。
しかし俺はVIP高の考査の対策などまるでわからず、
デレちゃんは一年生のため二年生の試験の対策を言えるはずもない。
気づけば夕方を通り越して辺りは暗くなっていた。
……冬は日が落ちるのも早い。

51 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:17:58.51 ID:VGPWI2tV0
   ('、`*川「ありゃりゃ、天国だと思って飛び込んだところが地獄でした、って感じだねー」

ミ; -∀)「まったくです……」

ミ; ・∀)「あの、VIP高の試験のコツとかありますか?」

   ('、`*川「アタシが高校生なんていつの話をしてるのよ」

ミ; -∀)(去年じゃないですか……)

   ('、`*川「あ、なにその顔。手を貸してあげようと思ったのに」

ミ; ・∀)「へ?」

53 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:20:06.19 ID:VGPWI2tV0
   ('、`*川「頼りになる人を明日連れてきてあげる。
         頭良いし、要点だけ教えるの得意だから損はないと思うけど?」

ミ ・∀)「あ、是非お願いします!」

   ('、`*川「ほいほい。それじゃー今日はこの辺で部屋行くにー」(しぃの報告もあるしねー♪)

ミ ・∀)「あ、はい。おやすみなさい」

ミ ・∀)「……」

ミ ・∀)「……話せる人がいるって、強いなー」




                                   ……おにぃちゃん、起きてる? >

ミ ・∀)「デレちゃん? 起きてるよー?」

                                             ζ(゚ー゚*ζ ソーッ

                                         ζ(゚ー゚*ζ トコトコトコ

ミ ・∀) ?

54 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:21:43.47 ID:VGPWI2tV0
   ζ(゚ー゚*ζ「今日は勉強なし?」

ミ ・∀)「あーうん、何をどうしたらいいのかもわからないしねー」

   ζ(゚ー゚*ζ「……」

ミ ・∀)「……?」

   ζ(゚ー゚*ζ「あのね、おにぃちゃんと私って一つ違いだよね?」

ミ ・∀)「そうだね」

   ζ(゚ー゚*ζ「私が妹」

ミ; ・∀)「そうだね」(……? 何の確認だろ?)

   ζ(゚ー゚*ζ「私たちって高校生だよね」

ミ; ・∀)「……そうだね。二人とも高校生」(……? ???)

55 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:25:56.00 ID:VGPWI2tV0
   ζ(゚ー゚*ζ「高校生にもなって、こうやってるのって、変かな?」

ミ ・∀)「……こう、って?」

   ζ(゚ー゚*ζ「普通の兄妹ってこの歳だと部屋に行ったりとかおかしいかな、って思って」

ミ; ・∀)「……うーん」(……その問いに……俺はなんて答えたら?)

ミ; ・∀)「……いや、別にいいじゃない。俺は嬉しいよ?」

ミ; ・∀)「ペニサスさんも自然にここくるし、気にする必要ないんじゃない?」




   ζ(゚ー゚*ζ「……そうだよね」

   ζ(>ー<*ζ「……っ、クシュ……!」

ミ ・∀)「あああ、湯冷めしちゃうよ?」

56 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:27:34.64 ID:VGPWI2tV0
   ζ(゚ー゚*ζ「うぅー……」

      ゴロゴロゴロ バハッ

   ζ(^ー^*ζ「これで寒くない」

ミ; ・∀)「……毛布、俺臭くない?」

   ζ(゚ー゚*ζ「今は暖かいのが優先♪」

ミ; ・∀)「……俺ももう寝るところだったんだけど」

   ζ(゚ー゚*ζ「寒いから動きたくなーい」




ミ; ・∀)「……」

ミ; -∀)「……困った妹さんですね」

   ζ(゚ー゚*ζ !

58 名前:◆sJZmtVUczw 投稿日:2008/11/05(水) 02:29:19.44 ID:VGPWI2tV0
   ζ(゚ー゚*ζ「ねぇ、もう一回!」

ミ; ・∀)「へ? 何が?」




   ζ(゚ー゚*ζ「うぅー……」

   ζ(゚ー゚*ζ「おにぃちゃんってハインからも『お兄ちゃん』って呼ばれてるよね?」

ミ ・∀)「……そういえば……そうだった気がする」

   ζ(゚ー゚*ζ「私とハイン、妹として選べるならどっちがいい?」

ミ; ・∀)「選ぶって……」

ミ; ・∀)「そんなこと、考えたことないからなぁ」

   ζ(゚ー゚*ζ「じゃあ今考えるの!」

   ζ(゚ー^*ζ「答えてくれるまで、毛布は返さないから」

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