452 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 22:58:00.31 ID:2dx4zJl/0

文化祭をやっているから来てくれお。
ブーンのサークルで伝統芸能をやってるんだお。

と内藤からメールが来た。ニ三通やり取りをして、日を訊ねると三日間らしい。
毎日仕事が入っている僕に対して来てくれ、ということは、時間を作れ、そう言っている。
それとも、最近気が滅入ってると言ったから、気を使ってくれているのだろうか。なんにせよ善処する、とだけ返す。

( ^ω^)『彼女いたらつれて来いお。ブーンにも彼女が出来たお』

ああ、あのぽちゃ男、殺してやりたい。



('A`)ドクオとハハ ロ –ロ)ハハローさん



454 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:00:04.35 ID:2dx4zJl/0

彼女もドクオに会いたがってるお、なんて言ってたが実際内藤のデレ話で終わるんじゃないだろうか。
特有のニコニコ顔で独り者に傷をつける気だろう。
それにしても大学なんて自分には縁のないものだとばかり思っていた。
事実、内藤からメールが来なければモラトリアムを満喫しているやつらの生態すら知る由がなかったのだ。

プリントアウトした地図片手に内藤が通っている大学を目指す。

それだ、と気付く前に文化祭のポスターが大学の壁一面に貼られ、わいわいした空気が漏れ出していた。
華やかなもんだ、と通っていてもおかしくない年齢であるがじじい地味たことを思う。

エジプトの遺跡を彷彿させる門に圧倒され、入ることにためらいを感じたときだった。
やべ、帰ろうかな、なんて臆病虫が鳴いている。


ハハ ロ –ロ)ハ「Excuse me」

金色の髪をした女に声をかけられた。
  


455 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:01:54.07 ID:2dx4zJl/0

金色だけでなく、顔のほりや、鼻の形、眼鏡の向こうの目の色で日本人でないことが分かる。
もちろん、ハーフでもなさそうだ。

ハハ ロ –ロ)ハ「What do you do in this?」

('A`;)「え、あ、やべっ」

自慢ではないが、僕は家業を継ぐために高校にはいっていない。中学すら行く必要がなかった。
辞めてもいいもんだから授業なんて毎時間寝てたし。海外にも一度も行ったことがない。

つまり、英語なんてまず喋るわけがない。

ハハ ロ –ロ)ハ「?」

('A`;)「あー、俺、えいご、だめ。イングリッシュ、ノー、オーケィ?」

ハハ ロ –ロ)ハ「Oh~」

女は僕の目をまっすぐ見つめながらふんふんと二三度頷き、両手を何度か自分の前で動かした。
通じた?と思ったら、

ハハ ロ –ロ)ハ「What do you do in this?」

と、楽しそうに言った。



460 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:04:24.77 ID:2dx4zJl/0

同じようなことを言ってるのは、僕が聞き取れなかったからと思ったのだろうか。優しさ空回りである。

彼女は内藤の通う大学を指差していた。

('A`)(大学のことを訊いてるのか?)

('A`;)「えー、っと。大学って英語でなんていうんだ。スクール、いや、ハイスクール?もっと上だから」

('A`)「ハイエストスクーハハ ロ -ロ)ハ「もういいわよ」

('A`)「……あれ」



462 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:06:19.54 ID:2dx4zJl/0

女は大げさに両手を動かし、ため息をついた。

ハハ ロ -ロ)ハ「役に立たないわね。なによハイエストスクールって。どんだけ高くする気?ここで何やってんの、って訊いてんの」

('A`)「いや、アンタ、日本語喋れんのかよ」

ハハ ロ -ロ)ハ「大学で日本語専攻してるからね」

('A`)「じゃあ最初からそうしてくれ」

ハハ ロ -ロ)ハ「無垢なアメリカ人のふりをしていると楽しいのだ」

なんと、性格の悪い。

ハハ ロ -ロ)ハ「特に君のような田舎臭い格好の、には」

えらい流暢に僕を馬鹿にし始めた。

ハハ ロ -ロ)ハ「あなたここの学生さん?それにしてもきな臭い。なんでアクセサリーの一つもつけてないの?
      香水もつけてない。ワックスも。服だって気を使ってる様子はないし。顔は死人みたい」

('A`)「…………」



464 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:08:25.55 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「まあ、あなたが死人でも関係ない。ここでは何をやってるか答えなさい」

外国の人ってのは、みんなこんな風に自己中心的に話を進めるのか。
少なくとも僕にゃ真似できない。
なんで、バカにされてるんだろうか。
生徒が色んな格好をして出入りしているけど、ジーパンとシャツ一枚の僕はずいぶん淡白だ。
浮いているのかもしれない。気にしないつもりで生きているけど。

('A`)「大学の文化祭だよ」

ハハ ロ -ロ)ハ「Wow! それはいいわね。あなたはここの学生さん?」

('A`)「いや」

ハハ ロ -ロ)ハ「そーよねー」

内藤だったらそろそろぶち切れているだろうか。



465 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:10:41.37 ID:2dx4zJl/0

じゃ、俺用があるから。と構内に入ろうとした。

ハハ ロ -ロ)ハ「Hey! Stop!!」

('A`)「ん」

ハハ ロ -ロ)ハ「それぐらいは分かるのか。……ちょっと私をこの中に案内してくれないか」

案内、と言われて何も知らぬ僕が案内できるのだろうかと考え、
よく考えたら見知らぬ性格の悪い外人を連れまわす度胸もない、という結論にたどり着く。

しかし、日本人から見れば外人の顔の整いには驚くものがある。
この女だって黙っていれば仕事の出来る社長のむふふ秘密秘書系だ。
金髪黒ぶちってのが一つ、駆り立てる要素になっているからか。
そうして、浮かぶのが内藤のメールの一文。
( ^ω^)『彼女いたらつれて来いお。ブーンにも彼女が出来たお』

騙すというわけではないが、ビックリにはなるだろう。

('A`)「俺何にも知らないけどそれでよければ」

ハハ ロ -ロ)ハ「よし、行くぞ」



466 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:12:25.14 ID:2dx4zJl/0

女の名前はハローと言った。
こんにちは?と訊くと笑って発音とスペルの違いを指摘された。
僕の名前はドクオ、と言うと。楽しそうにドクオ!ドクオ!と繰り返し、
はしゃぎ終わった後に疲れた顔をして、ドクオ……(笑)と丁寧に馬鹿にした。
外人がかっこわらいかっことじるって言うのはシュールだ。

構内ではまさにお祭り騒ぎで。
ライブをやっているところもあればマジックショーもあった。
内藤のメールを見直すと、この時間彼は第二体育館で太鼓を叩いているらしい。

('A`)「ハロー、こっち」

ハハ ロ -ロ)ハ「さん付けねーと、英語で喋るぞ」

('A`)「ハローさん。行きましょう」

ハハ ロ -ロ)ハ「Let’s go!!」



467 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:14:38.49 ID:2dx4zJl/0

体育館はほぼ満員で、空いた席に並んで座ると、静かに照明が消えていった。始まる直前だったらしい。

ハハ ロ -ロ)ハ「何が始まるの?」

('A`)「大太鼓だよ。太鼓。知ってる?日本の文化でどんどこどんどこするやつ」

ハローさんは、ニ三度頷き、日本のドラムね、と言う。
なんか違うと思ったがまあ否定するのもなんだと思い演奏に聴き入ることにした。

スポットライトが舞台を照らし、大太鼓と共に内藤が現れる。

( ^ω^)「みなさん、お集まりいただきありがとうございますだお」

挨拶のお決まりみたいな言葉をニコニコしながら内藤は言っていた。

あれ、俺の友達なんだ。というと彼女はさして興味なさそうに頷いた。
太っているな、と呟く。

しばらくしてから、演奏は始まり、腹の底まで重たく響く太鼓の音色に身を委ねる。



468 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:17:46.80 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「すごかったな。お次はなんだ?」

内藤に会うひまもなく、次はここだとメールが来る。よほど忙しいらしい。

('A`)「もちつき、だよ。もちつき。もち米をきぬとうすでついて、もちにする」

ハハ ロ -ロ)ハ「Rice cake?」

('A`)「わかんね」

内藤を含め、三つのうすでぺったりぺったりもちをつくのを遠くからハローさんと見ていた。
もうすぐ、十月とはいえ、この暑い中ご苦労なものだ。
柔らかくなったもちをきなこやらあんこにまぶし、周りにいる子供たちに配っている。

終始目を輝かせ、素晴らしい文化だ、とハローさんは言う。
太鼓の興奮冷めやらぬ。そうも言う。向こうで日本語学んでこんだけ喋れりゃ儲けもんだろう。

僕は二人分彼らからお餅をもらい、
ハローさんの元へと戻ると一口、二口と口をつけて食べた。



469 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:19:52.72 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「素晴らしい!美味い!!こんな美味いものがある日本はずるいな」

('A`)「もち米をもっといいやつにして水分調節も丁寧にして、
    あんこときなこにこだわればもっと美味いよ。水を変えるだけでもじゅうぶ」

ハハ ロ -ロ)ハ「君は空気というものを味わえない男だな」

('A`)「…………」

遠くで内藤が怒られる声がする。主力がさぼってんじゃないわよとか楽しそうに聞こえる。
背の小さな、巻髪の女に怒鳴られていた。
こりゃ喋りかけるのは悪いな、と思いメールを打ってその場を去った。
せめて内藤の彼女が見たかった。



470 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:22:32.80 ID:2dx4zJl/0

ぶらぶらと他を探索し、めぼしいものもないのでどうしようかと考える。
前方からハロウィンを意識しただろう集団がやってくる。
ハローさんはすごいすごいと辺りを見ていてそれに気付かない。
このままではいけないと思ったので怒られるのを覚悟で彼女の手をひいた。

('A`)「危ない。分かるよね」

ハハ ロ -ロ)ハ「あ、ああ。ごめんなさい」

ハローさんの手は少し、骨ばっていて日本人のそれより皮が薄い気がした。

ハハ ロ -ロ)ハ「君の手は意外に繊細だな」

('A`)「そう?」

彼女は僕の右手を持ち上げ、じろじろと見る。顔の正面で広げて、やっぱりじろじろ。
そして何をするのかと思ったら手のひらに鼻を寄せて、匂いをかぎ始めた。

('A`;)「おい!」

恥ずかしいのか、怖いのか、慌てて手を戻す。

('A`)「何するんだか」

ぶつぶつ文句をこぼす僕を無視してハローさんはぼそりとこう呟いた。

ハハ ロ -ロ)ハ「……Vinegar?」

('A`)「分からないって」



482 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:41:28.26 ID:2dx4zJl/0

急に手をひかれ、闇雲に歩いた先は先ほどの広場にあったベンチだった。
並んで腰かけ、忙しく動く人の波を観察する。

ハハ ロ -ロ)ハ「ドクオは何故大学に行かない?」

('A`)「理由なら二つある。テストが嫌い。家業を継ぐ。それだけ」

ハハ ロ -ロ)ハ「テスト?」

('A`)「そう、あのぺらっぺらの紙に自分の学力を書き写すもの」

ハローさんは納得したように、Oh~.paper test!!と手のひらをでこに当てながら笑った。

ハハ ロ -ロ)ハ「何を継ぐ?」

('A`)「家?」

ハハ ロ -ロ)ハ「家」

('A`)「さあ、なんでしょう」

重なる厭味といじわるに、復讐の火がぽつんと灯る。



484 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:43:21.40 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「言わぬと英語を使うぞ」

('A`)「それでもいいさ。俺はもう帰る」

そう来るだろうと思って僕は立ち上がる。
人付き合いは苦手だ。
久々に家の近所から外に出たし、内藤とも話せた。
それで今日は満足。また仕事に打ち込める。

ハハ ロ -ロ)ハ「寂しいな。日本語で喋ろうぜ」

('A`;)「どっちだよ」



487 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:46:00.53 ID:2dx4zJl/0

しばらくしてからハローさんは腹が減ったと言った。

('A`)「日本に来てどれくらいだ」

ハハ ロ -ロ)ハ「三日デス」

('A`;)「よく喋れるよな、そんだけ」

ハハ ロ -ロ)ハ「ネットで日本人とずっと喋ってた」

なるほどな、と頷く。

('A`)「日本の飯って知ってる?」

ハハ ロ -ロ)ハ「スシ、テンプラ、ゲイシャ!」

('A`)「最後の食いもんじゃねぇ。断じてねぇ。目の保養だ」

ハハ ロ -ロ)ハ「?」

('A`)「いい店に連れて行ってやる」



489 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:47:54.38 ID:2dx4zJl/0

僕とハローさんは大学を出ると、そのままバスに乗り、地下鉄に乗り、少し、歩いた。

ハハ ロ -ロ)ハ「Oh~!!すし屋?」

擬古房という店だ。

('A`)「開店前だけど、俺、顔きくんだ」

ハハ ロ -ロ)ハ「やるじゃんドクオ」

裏口から入って店主に直談判してくる。よかったら中から鍵開けるから。
そういい残して僕は裏口に回った。

( ,,゚Д゚)「ドク、もう帰ってきてたのか、何やってんだ?」

仕込みの途中の父親が目を点にして僕を見る。

('A`)「今日いなくなる友達が来てるんだ。ちょっと店開けるよ」

僕は、店の中からハローさんを呼んだ。



491 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:50:11.31 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「OK?」

曇りガラスの向こうから声をだし、彼女はがらがらと音を立てながら入ってきた。

('A`)「いらっしゃい」

ハハ ロ -ロ)ハ「……What?」

('A`)「カウンターにどうぞ」

不思議な顔をした彼女はうながされるままカウンターへと座る。

('A`)「何を握りましょう?」

僕は手を拭きながら言う。もちろん服だってちゃんと着替えてある。

ハハ ロ -ロ)ハ「サーモン?」

あいよ、と僕は返し、酢飯を左手で掴み、揉むように形を作る。



494 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:52:43.66 ID:2dx4zJl/0

ハハ ロ -ロ)ハ「ドクオ、寿司屋の息子だったのか」

('A`)「はい」

二貫、彼女の前に置いた。
素手でそれを口に運び、うん、と声を出す。

('A`)(ん?)

ハハ ロ -ロ)ハ「美味いじゃないか」

('A`)「どこぞのあほ親父のせいで7歳から握ってたからな」

おい、と奥から声が聞こえるが、
僕は、無視して適当に握っていく。

ハハ ロ -ロ)ハ「手のひらからお酢の匂いがしたのはこういうことか」

('A`)「アクセサリーつけないのも、な。香水なんてご法度すぎる」

ハハ ロ -ロ)ハ「それは知らずに失礼なことを言ったな」

うまうま、と彼女は本当に美味しそうに僕の握った寿司を口に運ぶ。



498 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:55:03.32 ID:2dx4zJl/0

('A`)「生まれてすし屋。何をしてもすし屋。将来はすし屋。そんな人生なわけだ」

ハハ ロ -ロ)ハ「いいじゃないか、それでも。少なくとも私は君がすし屋の息子でよかった」

('A`)「そりゃどうも」

ハハ ロ -ロ)ハ「ところで次々くるが、こんどはなんの魚だ?」

ヒラメである。
しかし、一つだましてやろうと再び思う。

('A`)「スズキ目タイ科。鯛の一種。美味しいだろう?」

ハハ ロ -ロ)ハ「Delicious!!」

('A`*)「それならいいんだ」

ハハ ロ -ロ)ハ「さすがに簡単なのは分かるか」

('A`)「店に時々来るからね」



499 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:56:58.21 ID:2dx4zJl/0

昼食をご馳走して、店の一画でハローさんと少し話をしていたら、携帯が鳴った。
内藤だった。

('A`)「内藤、こっちに来るのか」

ハハ ロ -ロ)ハ「どうしたの?」

('A`)「友達が店に来るんだ」

ハハ ロ -ロ)ハ「じゃあ私はここでさよならしようかしら」

私にも携帯の着信あるし、と鞄から携帯を取り出す。

('A`)「あ、その前に訊きたいことが」

なにかしら、とハローさんは言う。



502 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/09(土) 23:59:36.12 ID:2dx4zJl/0

('A`)「アンタ実は日本に来て長いだろう?」

ハハ ロ -ロ)ハ「……ばれちゃったのかしら。どこで気付いた?」

('A`)「たいてい外国の人は最初、無理してでも箸で食おうとするんだがな、迷わず手でいったからな」

ハハ ロ -ロ)ハ「あらあら。言葉じゃなくてそんなところで。ヒントあげたからそれで気付いたのかと思った」

じゃあ、私も、と。

ハハ ロ -ロ)ハ「ヒラメはスズキ目タイ科なんてわけのわからないもんじゃないわよね?」

('A`)「あらら。バレてた」

おかしくなって、二人で顔を見合わせてくすくす笑う。



504 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/10(日) 00:02:08.41 ID:TNLWckmw0

ハハ ロ -ロ)ハ「ドクオ、今日はありがとう」

('A`)「また来いよ」

ガラガラ、と音が鳴る。

ハハ ロ -ロ)ハ「See you soon.」

笑いながらそう言った。

('A`)「わかんねーっての」

ハハ ロ -ロ)ハ「近いうちに会いましょうね」

それじゃあ、とハローさんは店を後にし、不思議な余韻に僕は包まれる。

('A`)「アドレスぐらい訊けたらな」

臆病虫の性である。



507 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/10(日) 00:04:19.83 ID:TNLWckmw0

三十分ほどして、内藤が店にやって来る。
大学で会えなかったからわざわざこっちまで足を運んでくれたらしい。
そういう名目でただで寿司を食おうとしているのが丸見えだが、今日ぐらいそれでもいいか、と思った。

( ^ω^)「おっおっおっ。ドクオ、邪魔するお」

ガラガラ、と戸が開き、大柄な内藤が店に足を踏み入れる。

('A`)「いらっしゃい」

( ^ω^)「会えなかったから彼女連れてきたお」

('A`)「帰れ帰れ。ここはすし屋だぞ」

と茶化していると、内藤が外に顔をだしてこっち、こっち!と誰かを呼んでいる。



508 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。:2008/02/10(日) 00:04:47.57 ID:TNLWckmw0

ハハ ロ -ロ)ハ「こんにちは」

('A`)「あ」

( ^ω^)「紹介するお。彼女のハロー。外見は外人だけど国籍も丸ごと生粋の日本人なんで気にする必要ないお」

ハハ ロ -ロ)ハ「よろしくね、ドクオ君」

ちくしょう、こんなところまでひっかけてやがったか。

彼女はしてやったりの得意顔で笑った。


おわり



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