91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:08:30.10 ID:OvFhthRj0



四日目 深夜



92 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:13:48.00 ID:OvFhthRj0

その声は薄い世界を漂っていた私の意識を叩き起こした。
弾かれるようにして立ち上がり声のほうに首を回した。

そこには例の孫を持つじーじの一人が肩で呼吸をして苦しそうにしている。

孫が近寄りじーじの背に手を回している。
酔いつぶれていたじーじたちがそこに集まっている。
人は、完全にそこに集まっている。

     |
 \  __  /
 _ (m) _ピコーン
    |ミ|
  /  `´  \

    /l、    
    (゚、 。`フ   今しかない!!
    」  "ヽ   
   ()ιし(~)〜 



95 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:19:15.85 ID:OvFhthRj0

                 /l、    
「今しかないのだよ!」  (゚、 。`フ

∧ ∧
ξ ゚听)ξ「な、何がですか!!」

今しかないのだ。
水霊男爵が現れただって?
そりゃあもう取材に来た身として突撃せんわけにはいかんじゃろ。

/ ゚、。 /「だからちょっくら行ってきます」

ξ;゚听)ξ「か、軽い。……いや、でも」

( ,,゚Д゚)「待つお」

/ ゚、。;/「…………」

しまった。

( ,,゚Д゚)「何の話をしているんだお」

さあ、どうする私。
はっきり言ってしまえばそれでいいかもしれないが、この男はそんな用事でここを通してはくれないだろう。



97 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:22:08.60 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「トイレですよ、トイレ。それより水霊男爵って何ですか?」

( ,,゚Д゚)「…………」

押し黙るじーじの一人。

/ ゚、。 /「幽霊とかそんなのですか?」

( ,,゚Д゚)「……違う。あいつが、荒巻が酔って幻覚を見ただけだお……」

/ ゚、。 /「そうですか」

まあそれならそれでいいんだけど。どの道私には仕事がある。

/ ゚、。 /「私も少し酔っているので酔い覚ましに少し外を散歩してきます」



100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:24:31.20 ID:OvFhthRj0

(;,,゚Д゚)「……い、いや、それは」

/ ゚、。 /「行ってきます」

私が立ち上がろうとした瞬間だった。

( ,,゚Д゚)「待つお」

きたか。

( ,,゚Д゚)「ここら辺には……」

/ ゚、。 /「…………」

( ,,゚Д゚)「……猪がいるんだお。特有の種で、人をあまり見ずに育ったせいで、人を見るとすぐ襲い掛かるお」

( ,,゚Д゚)「その美しい毛並みと、野生の動物とは思えぬ気品のある生き方から、ここらの地名をもじって、我々はこう呼んでるんだお」

( ,,゚Д゚)「水霊男爵、と」

( ,,゚Д゚)「だから今はあんたらの言葉で猪が出とるお。外には出ないほうがいいお」

/ ゚、。 /「…………」



103 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:27:34.92 ID:OvFhthRj0

        ∧,,∧ ∧,,∧   聞いた?猪だって
   ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・`)∧,,∧
  ( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・` ) 
   l U l (  ´・) (・`  )l と ノ   そりゃないぜ
   .u-u (   l). (l   ) u-u'
        `u-u'   `u-u' ワロリッシュwwwwwww


        ∧,,∧ ∧,,∧     ………………
   ∧,,∧ (´・ω・)(・ω・`)∧,,∧
  ( ´・ω)(∧,,∧) (∧,,∧(ω・` )   ………… 
   l U l (  ´・) (・`  )l と ノ
   .u-u (   l). (l   ) u-u'   ………………
        `u-u'   `u-u'



104 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:29:58.08 ID:OvFhthRj0

                残念ながらボッシュートです。
                            ∧,,∧  ∧,,∧   ∧,,∧    
      | | |  | || |              (・ω・`) (・ω・`) (ω・` )
      || | || |  | チャラッチャラッチャーン♪(   ∪) (  ∪∧,,∧ U )
     ________          ∧,,∧  ∧,,∧(ω・` ) u
    /|::::::::∧,,∧:::::::::::::::/         (・ω・`) (・ω・`)  ∪)
 /:::::::|:::::( ,,゚Д゚)::::::::::/               (   ∪)(   ∪) u-u'
  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄              `u-u'  `u-u


パッ   パッ   パッ    パッ   パッ    パッ
 [次回]   [頑]   [張り]   [ま]   [しょ]    [う] 
  ‖∧∧  ‖∧,,∧ ‖∧,,∧ ‖ ∧,,∧ ‖ ∧,,∧  ‖∧,,∧
  ∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)∩・ω・`)
   (    ). (    ).  (    ) (    ) (    )  (    )
   `u-u´  `u-u´   `u-u´  `u-u´  `u-u´  `u-u



次回頑張りましょう



107 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:33:57.26 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「落ちましたね」

( ,,゚Д゚)?

ワロス。
そんな子供だましにひっかかるものか。
第一猪呼ぶのにどこの世界の阿呆が男爵なんてめんどくさい言い回しを使うんだよ。
それこそじゃがいもだけで十分だ。

何か隠そうとしているのが見え見えだ。
じーじたちには悪い。

しかし、ここでいい仕事をしてっ!!

/ ゚、。 /(先輩に褒めてもらう!!!)



112 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:38:43.26 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「だいたい、幻覚で見ただけでしょう。大丈夫ですよ」

( ,,゚Д゚)「いや、だが……」

/ ゚、。 /「なんなら鈴や(無いけど)火でも持っていきます。煙草も吸いたいですし……」

( ,,゚Д゚)「…………」

( ,,-Д-)「…………」

( ,,゚Д゚)「わかった。しかし危険だということは変わらない。連れを一人つけよう」

おい、内藤。
とじーじAが声をかけるも、



115 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:41:43.80 ID:OvFhthRj0

(*"ω")「だから、僕のかわいい彼女はAカップなんですお!!」

<ヽ`∀´>「貧乳は正義だお」

(*"ω")「ですおですお」

( ゚Д゚)「しかし、巨乳こそ至高」

(*"ω")「何を言ってるんですかお!!」

(*"ω")「愛がそこにあれば胸なんて!!」

ぼろぼろに酔って全裸で愛を語っていた。



119 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:44:33.07 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「…………」

ξ ゚听)ξ「……ちょっと殺してきます」

/ ゚、。 /「異界にでも送れ。そのうち誰かの夢で復活するから」

チョアアア!とツンが空に舞ったかと思うと、腰から引き抜いた日本刀が千の刃に姿を変えた。
散れ、だかなんだかよく分からない掛け声とともに内藤が血まみれになっていく。

正直ひいたわ。

( ,,゚Д゚)「…………」

/ ゚、。 /「行ってきますよ」

( ,,゚Д゚)「い、いや、待てお」



122 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:47:43.16 ID:OvFhthRj0

        ,. -ー冖'⌒'ー-、
       ,ノ         \
       / ,r‐へへく⌒'¬、  ヽ         
       {ノ へ.._、 ,,/~`  〉  }    ,r=-、<僕が行きましょうか
      /プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く    /,ミ=/
    ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}    〃 /
   / _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ    〃 /
  ,/ └' ノ \   こ¨`    ノ{ー--、〃__/
  人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\
. /   |/ |::::::|、       〃 /:::::/    ヽ
/   |   |::::::|\、_________/'   /:::::/〃


/ ゚、。 /「それ以上冗談を言ってみろ。その醜い顔をセメントに突っ込んで美しいぬりかべにしてくれる」

( ,,゚Д゚)「…………」

        ,. -ー冖'⌒'ー-、
       ,ノ         \
       / ,r‐へへく⌒'¬、  ヽ
       {ノ へ.._、 ,,/~`  〉  }    ,r=-、<…………ヒドス
      /プ ̄`y'¨Y´ ̄ヽ―}j=く    /,ミ=/
    ノ /レ'>-〈_ュ`ー‐'  リ,イ}    〃 /
   / _勺 イ;;∵r;==、、∴'∵; シ    〃 /
  ,/ └' ノ \   こ¨`    ノ{ー--、〃__/
  人__/ー┬ 个-、__,,.. ‐'´ 〃`ァーァー\
. /   |/ |::::::|、       〃 /:::::/    ヽ
/   |   |::::::|\、_________/'   /:::::/〃



124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:50:20.80 ID:OvFhthRj0

急いで辺りを見回すもどの老人も何かしらで動く気はない。
水霊男爵と呼んだ荒巻老人を中心に何かに怯えている風なグループもいれば、
ツンを見てほれぼれしているものもいる。
空いているのはこやつしかいなかった。

( ,,゚Д゚)「……しょうがない。俺がついていってやるお」

/ ゚、。 /「……熊が出たところで女に一人老人がついて何か変わるのでしょうか?」

( ,,゚Д゚)「まあ、そう言うなお」

俺も煙草でも吸うかお。
と私が靴をはいている間に鞄に手を伸ばした。

先に行ってます。

と向かった先はもちろんプレハブ小屋である。
先輩を叩き起こして写真に収めてオールおk
なんの問題もない。



125 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 18:56:11.02 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「先輩」

しかし、先輩はそこにおらず、抜け出した形の毛布がその形で残っている。
こんな大事なタイミングでどこに行ったのか。
煙草だろうか。

「おーい、いくおー」

時間はない。
小型のカメラと煙草だけをポケットに突っ込んで立ち上がった。

/ ゚、。 /「とりあえず適当にぶらぶらしましょうか」

( ,,゚Д゚)「ああ」

じーじはやる気がなさそうだ。
どうせ注意する人間なんていないんからマナーも無視をして、歩きながら火を点けた。
夜の道に注意する。



127 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 19:01:31.17 ID:OvFhthRj0

灯りは星と、じーじの持つ懐中電灯だけだ。

とりあえず境内(のような広場)まで出て、どうしようか、と考えている。

/ ゚、。 /「とりあえず、階段でも下りましょうか」

( ,,゚Д゚)「やめるお。男爵が出る」

/ ゚、。 /「山に近いのはここです。そんなに心配しなくても大丈夫ですよ。下のほうが安全です」

( ,,゚Д゚)「…………」

( ,,゚Д゚)「わかった……」

一体、なんだというのだ。
このじーじの異様な警戒心。



128 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 19:06:39.50 ID:OvFhthRj0

仮に男爵が幽霊としてでたとしても彼らにとってそれは英雄。
ならば会ったところで驚きはあるとしても怯えなどなくてもいいはず。

それななのに何故こうもあからさまに避けたがる。

ある。

必ず何かがある。

という、確信。

/ ゚、。 /「行きましょう。先を行きます。ライトを貸してください」

( ,,゚Д゚)「……ん」



130 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 19:11:15.56 ID:OvFhthRj0

この足場の悪い階段で後ろから押されてはひとたまりもないだろうな、なんて心の中で笑ってみる。
かまいたちの夜ならここで選択肢がでて、三つのうち二つは死んでしまうんだろう。

だが、現実では人の背を押すほどの余裕も無く、なんとか、必死にこの階段をおりきる。

おりきったところで道は昨日同様何も変わってなどいない。
相も変わらず蜘蛛の巣のように水路が流れ、虫たちの声が響いている。
ここでも注意しなければ足をとられてしまう。

/ ゚、。 /「まあ、期待はしていませんが、いませんね。……熊」

( ,,゚Д゚)「……ならいいんだお」

私はそのまま歩を進める。
じーじが短く驚きの声をあげたが気にはしない。



132 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 19:14:07.43 ID:OvFhthRj0

靴の底で煙草の火を消して洋館のほうへ進んでいく。
吸殻は携帯灰皿へ。

理由はない。
ただ、道がそう広がっているからだ。

(;,,゚Д゚)「ま、待つんだお」

慌てたじーじが私の手をとった。
おいおいこれが美形の男ならどきりとしたものだが相手は老人。
さすがにのるものものらず、なんだよ、と思ってしまう。
そういうのはヤクルトレディ相手にでもやっておけ。

/ ゚、。 /「何故です」

(;,,゚Д゚)「いや……」



133 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 19:20:17.73 ID:OvFhthRj0

/ ゚、。 /「何故先ほどから私が外に出ようとしたり、遠くへ行こうとしたら止めるんですか?」

(;,,゚Д゚)「その……」

/ ゚、。 /「その?」

(;,,゚Д゚)「…………」

/ ゚、。 /「何か……隠してませんか?」

(;,,゚Д゚)「…………」

じーじの、動きも、声も全てが止まった。

さあ、どうでる。

口八丁でごまかせるつもりならやってみろ。
完膚なきまで叩き潰して必ず本音を引きずり出してやる。



141 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:15:26.13 ID:OvFhthRj0

(;,,゚Д゚)「…………じ」

実は、と言おうとしたのだろうか。
じゃが、と繋げるつもりだったのか。

どちらでもいいがそれは不意に現れた雑音にかき消された。
じーじと向かい合う私の背後。
つまりは洋館の方面からじゃり、と砂を踏む音が辺りを支配した。

( ,,゚Д゚) !!!! / ゚、。 /

驚いたのは私だけではない。
弾かれるようにしてそちらを向いたのと同時にじーじの視線も私の背中を突き破りそちらを見ている。
そう、はっきりわかるほど強く。



145 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:19:02.73 ID:OvFhthRj0










                             一人の、男が立っていた。



146 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:24:00.68 ID:OvFhthRj0

暗闇の中。決めるように、いや、ただ、闇から溶け出したように。
違和感は全く無く、今までそこに立っていたかのようだ。

背をこちらに向け、顔は見えない。

距離は10メートルほどか。
不思議と恐怖はなかった。

(;,,゚Д゚)「だ、誰だお!!!」

じーじが叫ぶ。

怯えているのだろうか、声が震えていてなんとも頼りがない。

私はゆっくりと、カメラに手を伸ばす。

(   )

しかし男はこちらを向かず、声にも反応しない。

妙な沈黙が辺りに広がり、私は思わず声を出した。

/ ゚、。;/「……男爵?」



147 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:30:59.00 ID:OvFhthRj0

(   )「…………」

その言葉で自分の存在を得たのか、男はゆっくりと洋館の方へと歩き出した。

じゃりじゃりと、砂を踏む音が夜に消えていく。
懐中電灯の光が届かなくなる。
こんな小さなものではすぐに見失う。

気付けば私は男を追いかけるために一歩踏み出していた。

(;,,゚Д゚)「待つお」

/ ゚、。 /「何故です。見知らぬ人間ですよ。ほっといていいわけがない」

正論は正義だ。
何かを隠すものにとってそれは銃弾よりも傷を与える。



148 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:33:41.29 ID:OvFhthRj0

(;,,゚Д゚)「わ、分かっているお」

そういいながらついてくるじーじ。

(;,,゚Д゚)「でも、幽霊かもしれないし」

ここに来てそれか。
笑わせるのもいい加減にしてほしい。

私はその声を無視して慎重足を進めた。

ライトを伸ばすと、男はずいぶんと先にいた。
やはり洋館に向かって歩いている。
幽鬼のようだ。
簡単に見失ってしまいそうで怖い。



150 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:40:07.07 ID:OvFhthRj0

私が足早になると、男も足早になる。
ゆっくり歩くと、向こうもゆっくり歩いた。
その後ろになさけなくじーじもついてくる。

まるで導いてるかのように、洋館との距離だけが短くなっていく。

そして気付けば、門の前。
森に入る辺りから消えた男は門の前にはいない。
そこには鎖もかけられず、入ってくださいと言わんばかりに開いている。

(;,,゚Д゚)「な、なんで門が開いているんだお」

/ ゚、。;/「…………」

確かに、ずっと、しまっていたはずなのに。

と、じーじは驚いている。

ごめん、それわたしが開けたようなもんだわ。



153 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:42:47.93 ID:OvFhthRj0

逃げるようにじーじを無視して敷地内へと入っていく。
思っていた通り、男は入り口の前で背を向けて立っていた。

ゆっくりと近づいても逃げようとも消えようともしない。

わずか5メートルばかしの距離。
溶けそうだった男の存在が近くなり、あることに気付いた。
いや、元々気付いていたのかもしれないが、心の奥のほうで無視していたことだ。
だから、私は声をかけなかった。この男に。

全て彼の口から聞くために。



154 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:45:51.10 ID:OvFhthRj0

(   )「…………」

/ ゚、。 /「…………」

(;,,゚Д゚)「…………」

そして、私とじーじが二人横に並んだとき、口を開いたのは男だった。

(   )「お帰り」

/ ゚、。 /「…………?」

(;,,゚Д゚)「お、お帰り?」

そしてそのままゆっくりと振り返る。



156 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 20:51:23.37 ID:OvFhthRj0







(=゚ω゚)ノ「お帰りギコ。水霊洋館へ」






160 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日: 2008/08/19(火) 21:07:38.14 ID:OvFhthRj0




四日目 深夜 おわり




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