ナイトメア交響曲のようです
http://jbbs.livedoor.jp/bbs/read.cgi/internet/13029/1376043272/
266 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:34:09 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 ――― 五日目、夜。
 
 
 
 
   「……人が、どんどん、減っていく……」
 
 
   「えっと、モララー……あいつから、はじまって……」
 
 
   「ペニサスさんが焼かれて、貞子が喰われて……」
 
 
   「ロマネスクさんが焼かれて、ギコまで焼かれて、」
 
 
 
 
 
   「しぃが………自殺、して…………」
 
 
 
 
 
.

267 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:34:49 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
   「……」
 
 
   「元通りの、平和な毎日……」
 
 
   「そいつを一番噛み締めてたのは、ギコだった……、な……」
 
 
 
 
 コンコン
 
 
 
 
   「うひゃああああっ!」
 
 
   「だッ誰―――」
 
 
   「……あ、なんだ、お前か……」
 
 
 
.

268 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:35:31 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
   「ど、どーしたんだよ……掟違反だぞ、焼かれるぞ……」
 
 
   「……! お前、お前が……狩人だったのか!?」
 
                        スペシャル          イレギュラー
   「あ、あいにくだがよ、こちとら、『 特 別 』 でもなければ、『 異 常 』 でもないぞ?」
 
 
   「そ、そうだ、ミルナ。 守るんなら、あいつを守ってやらないと……」
 
 
 
 
 
 
 
 
   「………なんて、な」
 
 
 
 
 
.

269 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:36:15 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
   「実は……お前が、そうなんじゃないかな、って、ずっと思ってたんだよ」
 
 
   「昨日、お前、変なこと言ってたしなあ……」
 
 
   「はは……遅かった、なあ……」
 
 
   「陰から、援助してやりたかったのに……」
 
 
   「なあ……」
 
 
   「どうせ、今すぐ……ってわけじゃあ、ないんだろ?」
 
 
   「じゃあさ……酒、飲もうぜ」
 
 
   「それこそ掟違反だってか?」
 
 
   「かたいこと言うなよ。 晩酌禁止なんて、もはやどうだっていいじゃんか」
 
 
 
.

270 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:37:02 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   「なあ、人狼………」
 
 
 
   「お前、モララーが喰われるより前のこの村は、」
 
 
 
   「好きだったか?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

271 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:37:44 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 ――― 六日目、昼。
 
 
 
(´-ω-`)「……」
 
从 ゚∀从「あ、オハヨ……」
 
(´・ω・`)「……おはよう」
 
从 ゚∀从「眠れた、か?」
 
(´・ω・`)「あいにくだが」
 
从 ゚∀从「だよ、な……はは……。」
 
 
 
从 ゚∀从「……」
 
从 ゚∀从「なあ」
 
(´・ω・`)「なんだい」
 
从 ゚∀从「やっぱり、しぃは、その……」
 
 
 
.

272 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:38:26 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
从 ∀从「しぃは………人狼だった、のか?」
 
 
 
(´・ω・`)「間違いなく、ね」
 
 
 
 
 
 
 
.

273 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:39:06 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
从; ∀从「な、なんで断言でき……」
 
(´・ω・`)「人狼は火以外じゃふつうは死ねないみたいだ」
 
(´・ω・`)「もししぃが人間だったなら、家を燃やすなんて手間がかかる方法よりも、
.      もっと手っ取り早い方法を選んで、後追い自殺するだろうからね」
 
从; ∀从「わざと、村のみんなをかく乱させるためにってのは…?」
 
(´・ω・`)「あの場面のしぃにとっちゃ、僕たち村の連中なんかよりも、
.      ギコのほうが、よっぽど大事だったに決まってるだろう」
 
(´・ω・`)「僕たちのことを意識した行動より、ギコを意識した行動をとる。
.      しぃが人狼だったからこそ、この結末になった、と言えるね」
 
从;゚∀从「でっ……でも!」
 
(´・ω・`)「そして何より、きみが開口一番にしぃの人狼説を持ち上げてきた時点で、
.      きみもなんだかんだでしぃの人狼説を信じてた、って証拠につながる」
 
从;゚∀从「あっ……」
 
(´・ω・`)「………甘受する、んだ。」
 
从; ∀从「…………。」
 
 
 
从 ;∀从「………………しぃ………」
 
 
.

274 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:39:46 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
(´・ω・`)「………泣くのは、あとだ」
 
从 ぅ∀从「……?」
 
(´・ω・`)「見てみろ」
 
从 ゚∀从「…?」
 
(´・ω・`)「みんなが、荒れてる。 ……なにかが、あっ―――」
 
 
 
≡( ;ω;)「じょぼおおおおおおおおおおおおおおお!!!!!」
 
 
 
(;´・ω・)「わっ! ……なんだ、なんだ!」
 
( ;ω;)「あ、あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙あ゙!!!!」
 
(;´・ω・)「ちょ、鼻水……」
 
从;゚∀从「!! お、おい、あれ……」
 
(;´・ω・)「え?」
 
 
 
从;゚∀从「ドクオ…………っ!」
 
 
 
.

275 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:40:35 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 ――― 六日目、死亡者、
 
 
 
 
 
 
(;:*A")
 
 
 
 
 
 
 ――― ドクオ。
 
 
                                 【ナイトメア交響曲】のようです
 
 
.

276 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:41:44 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
(;´・ω・)「……! ドクオっ!」
 
( ;ω;)「あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!!!」
 
从;゚∀从「い、いいから、落ち着け! な!?」
 
  _
( ;゚∀゚)「何事だ!」
 
从;゚∀从「ど、ドクオが喰われちまって、」
  _
( ;゚∀゚)「!」
 
从;゚∀从「で、ホライゾンが、……見ての、とおり」
  _
( ;゚∀゚)「………ドクオだった、か……」
 
从;゚∀从「……………え?」
  _
( ;゚∀゚)「話はあとだ! とりあえず広場にこいつ連れてくぞ」
 
从;゚∀从「……、……連れてって、どうすんだよ」
  _
( ;゚∀゚)「なんとなくだ!」
 
( ;ω;)「あ゛あ゛あ゛あ…… お゛お゛・・・。」
 
 
.

277 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:42:44 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
――― 広場。
 
 
 
/;,' 3「……きた、か」
 
 
 
(´・ω・`)
 
从;゚∀从
  _
( ゚∀゚)
 
 
(* ∀ )
 
( ゚д゚)
 
( ;ω;)
 
 
 
/;,' 3「……」
 
/;,' 3「前もそうじゃったんじゃが……もう、半数が、逝った……のか」
 
 
.

278 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 21:43:29 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/;,' 3「……えーー」
 
/;,' 3「見ればわかるとおり……おもにホライゾンを見ればわかるように、」
 
/;,' 3「ドクオが………喰われた」
 
( ;ω;)「ッ」 ビクッ
 
 
 
/;,' 3「死んだ人狼は、確定している分で、ロマネスク、しぃ……のみ」
 
/;,' 3「生き残っとるもんは、七」
 
/;,' 3「一日で二人が死ぬ、として……」
 
/;,' 3「この “処刑会” は、最大であと何日続くのか。 のう、ショボン、数えてみい」
 
(´・ω・`)「………」
 
/;,' 3「わからぬか?」
 
(´・ω・`)
 
(´・ω・`)「三回」
 
 
.

280 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:03:45 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/ ,' 3「で……生き残っとる人狼は、個体数こそわからぬが、少なくとも一匹だけではなかろうて」
 
/ ,' 3「一匹だけじゃったら、しぃが自殺する時点で二匹」
 
/ ,' 3「そんなんじゃったら、片割れの人狼は
.     是が非でもしぃの自殺を認めるわけにはゆかなくなっとったからな」
 
/ ,' 3「おそらく、儂の予想じゃあ……せいぜい、残り、二匹」
 
/ ,' 3「いくら繁殖した可能性があるぅゆうても、三十年やそこいらで
.     爆発的な繁殖を遂げるもんやとは思わんからの」
 
/ ,' 3「最初の段階で、四匹程度。
.     もし四匹以上が残っておったら、村人の数が下回るゆえ、儂らは全滅じゃからな」
 
/ ,' 3「じゃが、それでも……問題が、ある」
 
 
 
/ ,' 3「処刑会で村人を吊るようなことがあっては、もう儂らの生きる道もなくのーてしまう、ゆうことじゃ」
 
 
 
.

281 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:04:28 ID:dYaEgPww0
 
 
 
从 ゚∀从「な……なんで、だ?」
 
/ ,' 3「考えてみい。 もし現存する人狼が三匹じゃったとしたら、
.     一発外した時点で、村人が三人、人狼が三匹……
.     つまり、数が同じになってしまう」
 
从 ゚∀从「!」
 
/ ,' 3「前例はないからわからんがの、とにかく村人の数が人狼より下回るようになってはいかん」
 
/ ,' 3「たとえ二匹しか人狼がいなかったとしても、どのみち外さないに越したことはないがの……」
 
从 ゚∀从「あ、ああ……」
  _
( ゚∀゚)「で……その。」
 
/ ,' 3「?」
 
 
  _
( ゚∀゚)「ギコも……人狼だった、のか?」
 
 
.

282 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:05:10 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/ ,' 3「……そうじゃな。 そろそろ、本題……話し合いを、はじめようぞ」
 
/ ,' 3「ミルナ。 ……当然、視たんじゃろうな?」
 
( ゚д゚)「……」
 
/ ,' 3「ミルナ、聞いておるのか」
 
( ゚д゚)「……」
 
 
( ゚д゚)「………視た、けど……」
 
/ ,' 3「けど?」
 
 
 
 
( ゚д゚)「……ギコ………」
 
( ゚д゚)「あいつも、その………」
 
( ゚д゚)「しぃと揃って、二人で、人狼だった」
 
 
 
.

283 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:06:10 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「―――捕まえたよ、人狼。」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

284 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:06:54 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
从 ゚∀从「ッ――」
  _
( ;゚∀゚)「しょ……ショボン!?」
 
( ;ω;)「うぇ…?」
 
 
 
( ゚д゚)「……人狼? 捕まえた?」
 
/ ,' 3「待て。 ……どういうこと、じゃ」
 
(´・ω・`)「この瞬間、誰が人狼なのかが、芋づる式で把握できた」
 
/ ,' 3「!」
 
/ ,' 3「おぬし……なにか、“力” があったのか!?」
 
(´・ω・`)「ああ、あったよ。 ただ、名乗り出ることができなかった」
 
       ジンロウ            ムラビト
(´・ω・`)「 “嘘吐き” の後から “正直者” が不用意に名乗り出たら、吊られるからね」
 
(´・ω・`)「だから……きみが、“嘘吐き” らしくぼろを出してくれるのを、待ってた」
 
(´・ω・`)「だろう?」
 
 
 
 
.

285 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:07:35 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「霊能者を騙ってギコを貶めた……ミルナ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

286 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:08:24 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
从;゚∀从「なッ―――」
 
/ 。゜3「にいイイイイイイイイイイ!!?」
 
 
 
( ゚д゚)
 
 
 
(´・ω・`)「さあ。 チェックメイトのはじまりだ、ミルナ」
 
( ゚д゚)「…… 『自分が吊られないがために慌てて嘘を吐く』 」
 
( ゚д゚)「それは、人狼の常套手段じゃなかったのか、ショボンよ」
 
(´・ω・`)「そんな誰が決めたでもない空気を論拠に持ち出すなんて、やっぱりきみは頭が悪いよ」
 
( ゚д゚)「……にッ……!」
 
(´・ω・`)「昨日の時点で、僕はきみが人狼だってのは気づいていた」
 
(´・ω・`)「だが……それを止めることは、あのときの僕にはできなかった」
 
(´・ω・`)「後だしじゃんけんってことでね、僕のほうが疑われるのは目に見えていたから」
 
 
.

287 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:09:10 ID:dYaEgPww0
 
 
 
( ゚д゚)「フン。 今言うと、却って疑われるんじゃあないのか?」
 
(´・ω・`)「だから、言質をとったのさ。
.      感情に流されるきみなんかと違って、理屈を追求する僕らしく、ね」
 
( ゚д゚)「言ってもらおうか。 みんなに聞こえるように、な」
 
(´・ω・`)「ああ、言ってやるさ。 きみの最大の失態は―――」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「ギコを人狼だ、と判定してしまったところだ」
 
 
 
 
 
.

288 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:10:16 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
(;゚д゚)「なッ―――!?」
 
 
从;゚∀从「え……別におかしいことでもないんじゃ……」
  _
( ゚∀゚)「むしろ……ギコが村人だったほうがおかしいんじゃねえのか?」
  _
( ゚∀゚)「あいつら……村人と人狼でカップルになってた、ってことになるんだぜ?」
 
从;゚∀从「そ、それに、ホライゾンも昨日言ってただろ。
.       人狼を名乗り出るって行為がメリットになりえたのは、人狼だけだ……って」
 
从;゚∀从「あと、なにより………」
 
 
 
 
 
从;゚∀从「お前……いかにもミルナがほんものの霊能者であるかの如くふるまってたじゃねえか」
 
 
 
 
.

289 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:11:04 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
   (´・ω・`)『それをミルナは掴んだみたいだから、ああやって強気でいられるみたいだけど』
 
 
 
   (´・ω・`)『そのケースがあるから、ミルナが霊能者ってのは信じたほうがいいだろうね』
 
 
 
   (´・ω・`)『もっとも……逆のケースもあるんだけど』
 
   ( ^ω^)『逆?』
 
   (´・ω・`)『ミルナがほんものだからこそ、
.         味方の人狼を助けるために第三の占い師を騙る人狼とか……ね』
 
 
 
 
.

290 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:11:50 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
从 ゚∀从「あの流れでこれは、ちょっと……疑っちまうぞ」
 
(´・ω・`)「確かに、きみたちのなかの勝手な感情論で言えばそうなるだろうね」
 
(´・ω・`)「だが、問題はなかった。 言質さえとれて、理詰めができるようになれば、
.      きみたちの感情論なんざ、どうだってよくなるんだからね」
 
从 ゚∀从「で、でも……」
 
(´・ω・`)「昨日、ミルナは安堵したはずだ。
.      村の若者のなかでも、一番学識のあるショボンが信じてくれてたんだから」
 
( ゚д゚)「…」
 
(´・ω・`)「で、その慢心は、言質となりうるぼろを生む」
 
(´・ω・`)「今回におけるそれが、ギコの人狼宣言だった――というわけ、さ」
 
( ゚д゚)「御託は、いい。 なら、さっさとそれがおかしい理由を言ってくれよ」
 
(´・ω・`)「ああ、いいさ」
 
( ゚д゚)「…!」
 
 
.

291 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:12:40 ID:dYaEgPww0
 
 
 
(´・ω・`)「まず、最初に触れるべきはしぃの自殺だ」
 
(´・ω・`)「彼女が村人か人狼かは判定できなかったんだけど、こんなの、視るまでもない」
 
(´・ω・`)「ハインにはもう言ったけど、しぃが自殺に選んだものが 『火』 だったのがすべてのコタエさ」
 
(´・ω・`)「しぃは、人狼、だった」
 
 
(´・ω・`)「人狼は、火以外では死なない。
.      言い換えれば、死ぬためにいは火が必要だそうだ。
.      もっとも、病だとかほかの死因があるのかもしれないけど、ね」
 
/ ,' 3「それについては、異議はないのぅ…」
 
/ ,' 3「しぃは、混乱状態にあった」
 
/ ,' 3「自分を人狼と見せかけることで〜〜とか、
.     そんなしちめんどくさいことを考えられん状態で、真っ先に焼死を目論んだ時点で…の」
 
 
/ ,' 3「じゃが……それとギコの村人説とは、結びつかぬ」
 
/ ,' 3「おぬし、自分が視えたそれを根拠に〜〜なんざ考えたぁーおらぬよのう?」
 
(´・ω・`)「当然。 いいから黙って聞け」
 
/ ,' 3「……、……っ!」
 
 
.

292 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:13:27 ID:dYaEgPww0
 
 
 
(´・ω・`)「問題は、ギコのカミングアウトだ」
 
(´・ω・`)「ギコは、しぃとは違って、吊られる前から燃やされるに至るまで、常に冷静だった。
.      つまり、合理性には富んでいた、というわけだ」
 
/ ,' 3「わからぬぞ。 おぬしの言う合理性は、皆共通のもんじゃあない。
.     おぬしが頭ひとつ抜けて賢いからこそ、ほかのもんはそれに気づかんかもしらんのじゃぞ」
 
(´・ω・`)「それも、僕の話を聞いてから、みんなが決めればいいさ」
 
/ ,' 3「…………」
 
 
(´・ω・`)「一つ目のケースを考えよう」
 
(´・ω・`)「ずばり、ギコが人狼で、しぃも人狼だったケースだ」
 
(´・ω・`)「つまり、【猫又】 であることを示唆することで処刑を免れる、という戦法」
 
(´・ω・`)「この戦法、ホライゾンが力説したのはいいんだけどさ、」
 
 
 
(´・ω・`)「これ、」
 
(´・ω・`)「そもそも人狼がするメリットも、ないんだよ」
 
 
.

294 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:14:14 ID:dYaEgPww0
 
 
 
( ;^ω^)「え…?」
 
(´・ω・`)「考えてみなよ。 ポイントは、きみが自分で言った、」
 
 
 
   ( ^ω^)『言い換えたら、村人なら、猫又なんて存在の実態は知らないんだから、』
 
   ( ^ω^)『「追い詰められたときに、わざと人狼を名乗って猫又の存在をにおわせる」』
 
   ( ^ω^)『……そんな心理戦、使えるわけないんだお』
 
 
 
(´・ω・`)「 『猫又をにおわせる戦法は、村人には効かない』 ということだ」
 
( ^ω^)「?」
 
(´・ω・`)「一方で、『猫又の実態を知っているのは、実質人狼だけ』 という点もひっかかってくる」
 
(´・ω・`)「つまり、だ」
 
 
 
(´・ω・`)「人狼と名乗ったら、遠回りしてどの道自分が人狼であることを教えてくるのと一緒なんだよ」
 
(´・ω・`)「この心理戦が効くのも、この心理戦を使えるのも、人狼だけなんだから」
 
(´・ω・`)「ほんとうに人狼だったら、こんな戦法、使うはずがないね」
 
 
.

295 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:15:15 ID:dYaEgPww0
 
 
  _
( ゚∀゚)「あっ…!」
 
( ゚д゚)「表向きに冷静な態度をとっていただけで、中まで冷静だったとは限らん。
.     そんなややこしいことを、処刑台に立たされるギコが言うとは思わんな」
 
(´・ω・`)「逆だね。 そもそも、人狼を名乗る時点で、とんでもないリスクを背負い込むことになるんだ」
 
(´・ω・`)「だから、確たるメリットが得られない限りは、
.      たとえ惑わすためだとしても、人狼を名乗り出るのは人狼はぜったいにできないんだよ」
 
(´・ω・`)「ふつうの思考の持ち主なら、ね」
 
( ゚д゚)「じゃあ、ふつうの思考の持ち主じゃなかっ――」
 
(´・ω・`)「はあ……。 やっぱり、きみは頭が悪い」
 
( ゚д゚)「……お前な、いくらこんな場だからって、人をばかにするのもいい加減にしろよ」
 
(´・ω・`)「ただ罵っただけじゃない。 じゃあ、きみはわかるのかい?」
 
( ゚д゚)「なに?」
 
 
 
(´・ω・`)「人狼にとってもメリットにならない、人狼カミングアウト」
 
(´・ω・`)「これをして唯一得をする、ケース……ってものが」
 
 
.

296 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:16:03 ID:dYaEgPww0
 
 
 
( ゚д゚)「ない」
 
(´・ω・`)「いや、あった。 一つ、だけ」
  _
( ゚∀゚)「な…んだ?」
 
(´・ω・`)「ずばり、ほんとうの人狼を守りたがっていて、
.      かつ人狼ではない……そんな条件に立っていた場合だよ」
  _
( ゚∀゚)「しぃは人狼で、またギコと仲がよかった。
      ギコがしぃを守る、ってのは確かにうなずけるし、
      確かにこいつらなら条件としては当てはまるが……だから、どうしたんだ?」
  _
( ゚∀゚)「なんで、村人であるギコが人狼宣言をしたら、しぃを助けられることになるんだ?」
 
(´・ω・`)「ここでのポイントは……だ」
 
 
 
(´・ω・`)「ここでギコが人狼として吊られたら、」
 
(´・ω・`)「人狼側にとって大きなメリットとなり」
 
(´・ω・`)「そしてそれは、しぃにとってのメリットにもなるってところだ」
 
 
.

297 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:16:46 ID:dYaEgPww0
 
 
 
从 ゚∀从「…え? なんで?」
 
(´・ω・`)「いいかい? ロマネスクさんがほんものの占い師だったとして、
.      それは現状で言えば嘘で、彼は人狼だった、とされている」
 
(´・ω・`)「その人狼が助け舟を出したギコ、彼まで人狼だったら……
.      つまり、ロマネスクさんが人狼だった、という裏づけにもなるんだよ」
 
(´・ω・`)「で、ロマネスクさんを人狼と決め付けたミルナの、
.      ほんものの霊能者としての信憑性が高まる」
 
(´・ω・`)「そうなったら、あとは人狼のターンだ。
.      村人を巧みに騙して吊って、人狼だったと言えばいいんだ」
 
 
 
从 ゚∀从「そ、それはいいんだけど、それとしぃとが、どうして……」
 
(´・ω・`)「人狼が、仲間のしぃを吊らせようとするかい?」
 
从 ゚∀从「!!」
 
 
.

298 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:17:48 ID:dYaEgPww0
 
 
 
(´・ω・`)「しぃにとって、ギコは村や仲間なんかよりも大切な存在だった」
 
(´・ω・`)「一方で、ギコにとっても、しぃは村や仲間なんかより大切な存在だった」
 
(´・ω・`)「だから、たとえ村を崩壊させることになったとしても、ギコはしぃの生存を優先させたんだ」
 
(´・ω・`)「――ここまで来れば、ギコの人狼宣言の真意も、自ずと見えてくる」
 
 
 
 
(´・ω・`)「ギコの狙いは、『猫又と見せかけて牽制』 ではない」
 
(´・ω・`)「ずばり 『自分を人狼と思わせて処刑されること』 だったのさ」
 
(´・ω・`)「命を張って、愛する人、しぃを守った」
 
(´・ω・`)「この結論に至ったとたん……僕は、ある仮説が浮かんでしまった」
 
(´・ω・`)「ギコとしぃは、ひょっとすると……」
 
 
.

299 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:18:47 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                       イレギュラー
(´・ω・`)「言うところの、第二の 『 異 常 』 」
 
 
(´・ω・`)「そう、【恋人】 ―――だったんじゃないのか、ってね」
 
 
 
 
 
 
 
 
.

300 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:19:39 ID:dYaEgPww0
 
 
 
( ゚д゚)「!」
 
(´・ω・`)「そうすれば、しぃが自殺した理由にも合点がいく。
.      彼女は彼女で、ギコに 『異常』 なまでの愛をいだいていたんだ、
.      ギコのいない世界で生きていくくらいなら、死んだほうがいい――って」
  _
( ;゚∀゚)「わ、わりとスジは通ってる感じがするが……」
 
(´・ω・`)「裏づけが足りない? よし、じゃあしてやろう」
  _
( ゚∀゚)「…え?」
 
 
(´・ω・`)「そもそも、仮にギコが人狼だったとしたら、ギコもしぃも揃って人狼となるんだから、
.      そんなまどろっこしいことしなくても、素直に人狼側の得になるようなことをしてればよかったんだよ」
 
(´・ω・`)「人狼にとっての脅威は、村人。
.      村人がいる限り、ギコとしぃは常に間を引き裂かれる関係にあったんだから」
 
(´・ω・`)「人狼として、人狼がとるべき行動をとって、人狼を生き残らせるようにすればいい」
  _
( ゚∀゚)「???」
 
(´・ω・`)「わからないかい?」
 
 
 
(´・ω・`)「ギコが人狼だったら、やっぱり、人狼側に負担をかけるようなことはしないのさ」
 
(´・ω・`)「人狼側が勝てば、ギコとしぃはいつまでも一緒に暮らしていけるのだから」
 
 
.

301 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:20:21 ID:dYaEgPww0
 
 
 
(´・ω・`)「彼らの一番の障害は、その境遇のギャップに在った」
 
(´・ω・`)「人狼同士だったら人狼が、村人同士だったら村人が。
.      自分たちの陣営が生き残れば、成立する恋」
 
(´・ω・`)「だというのに、自分たちの陣営の生存を妨害しかねない両者の行為。
.      これらはつまり、互いの境遇が人狼と村人とで食い違っていたからこそ起こったことだと思わないかい?」
  _
( ゚∀゚)「な、なんでだよ」
 
(´・ω・`)「もしギコが村人でしぃが人狼だったら、この二人が幸せになれるためにはだね、」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「自分たち以外のみんなが、死ななくちゃいけなくなるからだよ」
 
(´・ω・`)「ほかの村人も人狼も、この二人の恋の前じゃあ、ただの障害でしかなかったんだから」
 
 
 
 
.

302 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:21:06 ID:dYaEgPww0
 
 
 
  _
( ;゚∀゚)「―――ッ!」
 
/ ,' 3「す、好き勝手にありもしない 『異常』 を練成して、なんじゃ、村を惑わすつもりか、人狼」
 
(´・ω・`)「まだ僕の裏づけは終わってないよ。
.      今の僕の理屈にはひとつ、ふつうではありえない前提がある」
 
/ ,' 3「な、なに?」
 
 
 
(´・ω・`)「ギコは、しぃを生き延びさせるために人狼の支援をした」
 
(´・ω・`)「言い換えれば、」
 
(´・ω・`)「ギコは 『しぃが人狼であることを知っていた』 んだ」
 
(´・ω・`)「この、『普通』 ではありえない前提が、この 『異常』 の存在を裏付けている」
  _
( ;゚∀゚)「どういう意味……だよ」
 
(´・ω・`)「簡単さ」
 
 
.

303 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:21:50 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「……ただ仲がよかった程度で、自分の境遇を相手にばらすと思うかい?」
 
 
(´・ω・`)「つまりそこには、『普通』 では考えられない、
.      ある意味で 『異常』 なまでの感情が介在されていたわけなのさ」
 
 
(´・ω・`)「 【恋人】 という 『異常』 が……ね」
 
 
 
 
 
 
.

304 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:22:36 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/ ,' 3「―――よーくできた話じゃ。 さすが、医者を目指すだけある」
 
/ ,' 3「おまけにロマネスク譲りのその話術は、褒めるしかなかろうて」
 
/ ,' 3「じゃが、全ておぬしの勝手な戯言……」
 
/ ,' 3「ミルナと霊能者対決をできると思っとるんかいのぅ?」
 
(´・ω・`)「ああ、それ? やだなあ、僕がいつミルナと対峙するって言ったんですか」
 
/ ,' 3「     ―――え」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「今日、僕が処刑会で吊り上げるつもりなのは、ほかにいるんだ」
 
 
 
.

305 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:23:20 ID:dYaEgPww0
 
 
 
从;゚∀从「なんだって…!?」
  _
( ;゚∀゚)「なに言ってんだお前! 流れ的に、ミルナを吊るんじゃないのかよお前は!」
 
(´・ω・`)「なに言ってんだ、はきみのほうだよ。
.      ここでミルナを吊ったら、せっかくの勝機が消えてなくなってしまうじゃないか」
  _
( ;゚∀゚)「なんでだ!」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「もしミルナを吊ったら、今夜、僕は喰われてしまうからさ」
 
 
 
 
.

306 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:24:35 ID:dYaEgPww0
 
 
 
  _
( ゚∀゚)「ッ――!」
 
(´・ω・`)「でも、ここでミルナを吊らないで置いておけば、人狼は僕を喰らうわけにはいかなくなる」
 
(´・ω・`)「仮にミルナを吊らないで置いておいたとしたら、霊能者の対立候補は依然二人いることになってだね」
 
(´・ω・`)「そんなさなかで僕が喰われたら、僕は村人だったということで、すなわち本物だった、ということになる」
 
(´・ω・`)「ほんものの霊能者が喰われたんだから、対立候補のミルナは人狼で確定し、
.      話し合いの余地なく吊り上げられてしまうんだよ」
 
(´・ω・`)「つまり、霊能者候補が二人いる限り、人狼は僕を喰らうことができない」
 
(´・ω・`)「だから僕は、確定しているもう一人の人狼……」
 
 
 
(´・ω・`)「そいつを、吊るつもりで最初からいた」
 
 
 
.

307 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:25:16 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/ ,' 3「言うてくれるな、ショボン」
 
/ ,' 3「もう一人、人狼が確定しているじゃと?」
 
/ ,' 3「おぬし視点でならともかく、村の連中にとっては確定じゃ――」
 
 
 
(´・ω・`)「確定だよ」
 
(´・ω・`)「それも……結果論でいえば、初日の時点で、
.      そいつは自分が人狼であることを名乗っていたようなものだったんだ」
 
 
 
/ ,' 3「…!」
 
从;゚∀从「な……なんで?」
 
(´・ω・`)「思い返せ、ハイン」
 
(´・ω・`)「ポイントは “占い師” ――だ」
 
 
.

308 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:26:00 ID:dYaEgPww0
 
 
  _
( ゚∀゚)「占い師……貞子かロマさんか、もう一人か〜〜っていう……?」
 
(´・ω・`)「ああ。 だが、結論から言うと、真の占い師はロマネスクさんだったんだ」
  _
( ゚∀゚)「え……なんで断言できんだよ」
 
( ゚д゚)「自分が霊能者として視たから、ってのはなしだぞ」
 
(´・ω・`)「それもある。 が、それを言うまでもなく、証明できる」
 
( ゚д゚)「論拠を出せ」
 
(´・ω・`)「ロマネスクさんが、『占い師のほんとうの力』 を知っていたということさ」
  _
( ゚∀゚)「え?」
 
(´・ω・`)「きみならわかってくれると思ったんだけど……しかたない」
 
(´・ω・`)「だったら、思い出せ!」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「二日目の、ロマネスクさんの発言を!」
 
 
 
.

309 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:26:45 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
     _
   ( ゚∀゚)『確か、誰が人狼なのかを占えるんだよな?』
 
   ( ФωФ)『…違う。 一日につき一人、その人が人狼かどうかを占える、という “力” だ』
 
 
 
  _
( ;゚∀゚)「……?」
  _
( ;゚∀゚)「俺が勘違いしてたのを、つっこまれただけじゃあ――」
 
(´・ω・`)「じゃあ、『なんで勘違いしたのか?』 」
 
(´・ω・`)「その元凶を辿れば、自ずとコタエは見えてくるはずだよ」
  _
( ゚∀゚)「えっと、確か……」
 
 
 
.

310 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:27:27 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
       『じゃから、“占い師” らの力を借りて、人狼が誰なのかを突き止め、そやつらを “燃やして” いったのじゃよ』
 
   ( ;ω;)『……占い師? 燃やす?』
 
 
 
   (´・ω・`)『! つまり “占い師” ってのは……!』
 
   (    )『そうじゃ。 人狼を駆逐するのに、その力を貸してくれたのじゃ』
 
 
 
   /   )『そして貞子。 その件については、おぬしのばあさんには、世話になった』
 
   川д川『…?』
 
 
 
   /  3『おぬしのばあさんは、そりゃーもう凄腕の “占い師” じゃった』
 
   /  3『集中力が要るゆえ、一日一回しか占いはでけへんかったが……』
 
 
 
 
.

311 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:28:10 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
   / ,' 3『一日一回、一匹ずつ、人狼が誰かを当ててもろうた』
                        ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

312 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:29:18 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
/ 。゜3「―――――――ッ!!!!」
 
 
 
 
 
从;゚Д从「!!!!」
 
 
(  ゚ω゚)「ああああああああああああああああああああああああ!!!」
 
 
 
 
  _
( ;゚∀゚)「待て!! 村長、あんた、どうして……!」
 
 
 
 
 
 
.

313 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:30:14 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
  _
( ;゚∀゚)「どうして、“占い師” の力を、間違えて言ったんだ!!」
 
 
  _
( ;゚∀゚)「あんたが、占い師の力を誤解するはずがない!!」
 
 
  _
( ;゚∀゚)「昔の戦いで、占い師の力の概要は、知ってたはずだろ!!」
 
 
 
 
 
 
  _
( ;゚∀゚)「………貞子のおばあさんが占い師で、その力を見てきたんだから!!!」
 
 
 
 
 
.

314 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:30:58 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
/;。゜3「ちッ―――違う! 儂は……知らんぞ! そんなこと!」
 
/;。゜3「せや! ロマネスクがのちに占い師を騙るために、わざと意味深なことを言っただけに過ぎぬ!」
 
(´・ω・`)「だったら、貞子の検証結果との間に食い違いが生じるぞ!」
 
/;,' 3「なに……?」
 
 
 
 
   川;д川『人狼を見つけて、早速処刑してもらおうと思って、がんばったんだけど……』
 
 
 
   川;д川『わ、わたし、人狼を当ててみせたかったのに……』
 
   从 ゚∀从『村長がはずれだったのが、悔しいんだな』
 
   川;д川『ごめんなさい……ごめんなさいっ!』
 
 
 
 
(´・ω・`)「貞子は、ロマネスクさんの言ったほうの “占い師” を演じた!!」
 
(´・ω・`)「貞子がほんものの占い師だったとすると、どうして!」
 
(´・ω・`)「偽の占い師の言葉に乗っかって占いをしたって言うんだ!!」
 
 
 
.

315 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:32:08 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
/;,' 3「―――ッ、…………っ!」
 
 
(;゚д゚)「ショボン、お前……!」
 
(;゚д゚)「正気か! 村長だぞ!」
 
(;゚д゚)「仮にこいつが人狼だったとして、炙ったあとの俺たちはどうするつもりなんだ!」
 
(´・ω・`)「どうもしない、このままで進めるさ。 人数で勝る限り、村人のほうが強いのだから」
 
(;゚д゚)「で、でも……!」
 
(´・ω・`)「うるさいよ、人狼」
 
(;゚д゚)「……!」
 
 
 
.

316 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:32:51 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
从;゚∀从「しょ、ショボン……?」
 
(; ∀ )「しょぼん……怖い……っ」
 
(´・ω・`)「……」
 
 
 
(´-ω-`)「……とにかく」
 
(´・ω・`)「いつも……ロマネスクさんにだって、言ってた」
 
(´・ω・`)「その言葉を、僕が代わりに……言ってあげますよ」
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「アラマキ」
 
(´・ω・`)「弁解はしないのか?」
 
 
 
.

317 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:33:36 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
/ ,' 3「―――いいじゃろう」
 
(´・ω・`)「…!!」
 
/ ,' 3「おぬしの仮説、じーつに、面白い。 ロマネスクが、背後に映って見えるよ」
 
 
/ ,' 3「じゃが……ひとつ」
 
/ ,' 3「あきらかに説明ができていない、」
 
/ ,' 3「そして……説明のできないことが、ある」
 
 
(´・ω・`)「な……なに?」
 
/ ,' 3「簡単じゃよ」
 
/ ,' 3「おぬしの推理に風穴を開ける存在―――」
 
 
 
.

318 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:34:18 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
/ ,' 3「貞子」
 
 
/ ,' 3「あやつは……結局、誰だったのか?」
 
 
/ ,' 3「そのコタエが……出てないぞよ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

319 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:35:05 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
(´・ω・`)「……」
 
( ^ω^)「ええと、貞子がほんものの占い師だったら、
      こいつを村人判定したのがおかしくなるし……」
 
( ^ω^)「でも、貞子が占い師を騙ったら人狼だったら、
      人狼に喰われたってのがおかしくなるし……」
 
( ^ω^)
 
( ^ω^)
 
( ^ω^)「!? かみ合――」
 
 
 
(´・ω・`)「――うケースが、一つだけあったとしたら?」
 
 
.

320 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:35:56 ID:dYaEgPww0
 
 
 
/ ,' 3「…ッ!?」
 
/ ,' 3「まさか……あるはずがない!」
 
/ ,' 3「おぬしの推理が間違っているということしか――」
 
(´・ω・`)「僕がさっき、ギコとしぃのことを “第二の” 異常って言った理由、わかる?」
 
/ ,' 3「きゅ、急になんじゃ…?」
 
/ ,' 3「んなもん、【猫又】 を第一のーって数えただけじゃろうて――」
 
 
(´・ω・`)「まさか。 昔の戦いに現れた役職は、『異常』 なんかじゃない」
 
(´・ω・`)「れっきとした 『特別』 ……だ。 現に、あんたが知っているのがいい証拠だ」
 
/ ,' 3「…!」
 
从;゚∀从「じゃあ、『異常』 はほかに…?」
 
(´・ω・`)「ああ、いた。」
 
(´・ω・`)「それも、初日から、“彼女は” 『異常』 として、しっかり仕事をしていた」
 
(´・ω・`)「僕が思うに――」
 
 
.

321 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:37:02 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                    イレギュラー
(´・ω・`)「貞子こそが、“第一の” 『 異 常 』 だったんだ」
 
 
 
(´・ω・`)「その名も――― 【狂人】 ッ!!」
 
 
 
(´・ω・`)「 『彼女の動きを合理化することができない』 ことこそが、全ての証拠だ!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
.

322 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:37:53 ID:dYaEgPww0
 
 
 
( ^ω^)「……!」
 
/;,' 3「 【狂人】 じゃと!?」
 
/;,' 3「 『狂っていたから自分の推理にはアナがあった』 とでも申すつもりか!
     都合がよいにもほどがあるぞ、ショボンッ!!」
 
(´・ω・`)「彼女が 【狂人】 だったら、あのことにも合点がいくんだ!」
 
/;,' 3「合点…?」
 
 
 
 
(´・ω・`)「貞子が、占いを披露してすぐに喰われてしまったことだ」
 
/;,' 3「!」
 
(´・ω・`)「あれは、『貞子が人狼にとって脅威だったから喰われた』 んじゃあない」
 
(´・ω・`)「むしろ、その、逆!」
 
 
 
.

323 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:38:37 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
   / ,' 3『もしわしが人狼で、もし貞子が勘違いでわしを村人じゃ、と占ったのなら』
 
   / ,' 3『わしならまあ、絶対に、貞子だけは喰らわぬな』
 
   / ,' 3『人狼側にとってこの上ない味方じゃからのう』
 
 
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「 『貞子をほんものの占い師と思わせるために喰らった』 んだ!!」
 
 
 
 
 
 
 
.

324 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:42:55 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
/;,' 3「……!」
 
(´・ω・`)「あんたは自分が人狼であるとわかっているから、
.      したがって貞子が適当を言っていることはすぐにわかった」
 
(´・ω・`)「だけど、生かしておくわけにもいかなかった」
 
(´・ω・`)「野放しにしておいて、のちのちに変なことを――
.      それこそ、狂ったことを言われて疑われたら、
.      貞子は人狼だと間違われて、そのままあんたにまで火の粉が降りかかる」
 
(´・ω・`)「そんな爆弾じみた存在を残しておくよりは、
.      すぐに喰らいつき、よけいなことを言われる前に口を封じるほうが得策だ」
 
(´・ω・`)「人狼の牙にかかったことで、貞子が人狼でないことは証明されるのだから」
 
 
/;,' 3「まだじゃ! じゃとしたら問題は、『儂がどうやって貞子の正体を知りえていたのか』 になるぞ!」
 
(´・ω・`)「………ひょっとすると」
 
/;,' 3「…?」
 
 
.

325 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:43:50 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
(´・ω・`)「三、四十年前の戦い」
 
(´・ω・`)「あんたは、【狂人】 だった貞子のおばあさんを利用して、生き残ったのかもしれないな」
 
(´-ω-`)「だとすると、【狂人】 も……りっぱな 『特別』 なのかもしれない」
 
 
(´・ω・`)「でも、まあ」
 
(´・ω・`)「異常な思考を抱いているって考えたら、」
 
(´・ω・`)「狂人は狂人でまた、『異常』 が相応しいと思うけどね」
 
 
/;,' 3「む、………ぐ……っ!」
 
(´・ω・`)「さあ、これで―――」
 
 
.

326 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:44:48 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
(´・ω・`)「これで、チェックメイトだ」
 
 
(´・ω・`)「もう、定刻となった」
 
 
(´・ω・`)「……指名しよう、ではないか」
 
 
 
 
 
 
.

327 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:45:38 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
/;,' 3「!!!」
 
 
 
 
( ;^ω^)
 
 
从;゚∀从
 
  _
( ;゚∀゚)
 
 
(;゚д゚)
 
 
 
 
/;。゜3
 
 
 
.

328 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:46:55 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
/;,' 3「なッ―――なんじゃ貴様ら、その目は!!!」
 
/;,' 3「まさか……疑っておるのか! この、儂を! 村長、アラマキを!!」
 
/;,' 3「ええ!? 今まで、誰のために尽力してきたんじゃと思っておるのじゃ!」
 
/;,' 3「すべて――全てッ! おぬしら、村人のためなんじゃぞ!!」
 
/;,' 3「それを………こんな、戯言しか並べぬ小僧っこ一人の口先に、騙されよって!!」
 
/;,' 3「忘れてやおらぬか! こやつは、あの人狼、ロマネスクの、手先!!」
 
/;,' 3「………騙されるでない! 昔も、このようにそれらしい理屈を並べて脅かしてきよった人狼がおった!」
 
 
 
( ;゚ω゚)
 
从; ∀从
  _
( ;-∀-)
 
(;-д-)
 
 
 
/;。゜3「目を、さませえええええぇぇぇぇえええぇええええええええええええええええ!!!!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
                   「汝は―――人狼なりや?」
 
 
 
 
.

329 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:47:39 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 ――― 六日目、処刑者、
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
/ 。゜3
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――― アラマキ。
 
 
 
.

330 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:48:41 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

331 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:49:48 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 ――― 某時刻。
 
 
 ――― 某所。
 
 
 
 
 
 
   「なあ、ショボン……」
 
 
   「あ、ああ……きみか。 どうしたんだい?」
 
 
   「俺、黙ってたんだけどよ……」
 
 
   「一つ、誰かに言っておきたかったことがあるんだ」
 
 
   「…?」
 
 
 
 
   「つーちゃんの事だよ」
 
 
 
 
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332 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:50:37 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
   「あ、ああ……」
 
   「ギコも死んで、しぃも死んで、ロマネスクさんも死んで……」
 
   「……そうだな、じゃあ今夜は僕の家で寝かせようか?」
 
 
   「い、いや……そういう意味じゃあ、ない」
 
 
   「え?」
 
 
   「つーちゃん……ひょっとすると……」
 
 
   「ひょっとすると?」
 
 
 
 
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333 名前:名も無きAAのようです :2013/08/17(土) 22:51:22 ID:dYaEgPww0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
              「人狼かもしれねえんだ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
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