ナイトメア交響曲のようです
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192 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 18:54:50 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 ――― 四日目、夜。
 
 
 
 
   「ど……どういうことだ?」
 
   「どうして……どうして!」
 
   「なんで………なんでなんだ、…………!」
 
   「あんたは………、」
 
 
 
 
 
 
 
 
   「ほんとうに………人狼では、なかったんだな………」
 
 
   「は、はは………。 どうなってるんだ、この村は……」
 
 
 
 
.

193 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 18:55:53 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
   「明日、このことをみんなに告げるか……?」
 
   「……」
 
   「……」
 
 
   「………いや。 まだ、はやい」
 
   「覚醒したばかりなんだ。 ひょっとすると、貞子みたいに、勘違い……って可能性がある」
 
   「いや……結局、貞子はなんだったのかについては答えは出てなかったっけな。 はは……。」
 
 
   「とにかく……もう一度」
 
   「もう一度、この力を使って……試したい」
 
   「たとえ、一日待つことで、更なる被害がでたとしても……確実性を、求めたい」
 
   「信じられるものがなくなってしまったこの村で、唯一信用できるもの、己の力……」
 
   「明日の夜、この力を使った結果、もし、また、現状の推理、前提と食い違った結果が出たなら……」
 
 
 
 
                「いま、この村は、人狼の罠にかかっ―――」
 
 
 
 
 
 
.

194 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 18:58:05 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 ――― 五日目、昼。
 
 
 
 
(*゚∀゚)「………」
 
(*゚ー゚)「つーちゃん、眠れた?」
 
(*゚∀゚)「……ううん。」
 
(*゚ー゚)「そう、だよ……ね」
 
(*゚∀゚)「寝る場所がちがったら、寝にくいんだ」
 
(*゚ー゚)「前まで、ロマおじさんとこで、寝てたもんね」
 
 
(*゚∀゚)「……」
 
(*゚ー゚)「……」
 
 
(*;∀゚)「………」
 
(*゚−゚)「…………つー、……ちゃん」
 
 
.

195 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 18:59:12 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(*;∀;)「ろまは……おおかみなんかじゃない……」
 
(* −)「………しかたないよ……」
 
(*;∀;)「つーがわるいんだ……つーがろまんちで寝てたから……」
 
(*;∀;)「つーがわるい子だから……おやじもおふくろも死んで……」
 
 
 
(*;∀;)「だから、ろままで、死んだんだ………っ!」
 
 
 
(;゚−゚)「ッ! そんなことないよ!」
 
(*;∀;)「おおかみは、つーをまっさきに襲えばいいんだ!」
 
(;゚−゚)「つーちゃんッ!!」
 
(*;д;)「つーが、わるい子、だから……ッ…、」
 
(*;д;)「昔っから、やくそくとか、もんげんとか、やぶってたから、ばちが当たってるんだ……あああああああ!!」
 
 
.

196 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:00:30 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(*ぅ− )「つ……つー、ちゃん………」
 
(,,゚Д゚)「……しぃ」
 
(;ぅ−t)「ッ! ギコくん!」 ゴシゴシ
 
(,,゚Д゚)「やっぱり、つーは……?」
 
(*゚−゚)「………」 コク
 
(,,゚Д゚)「そう、か……」
 
(*゚−゚)「しかたないよ……。
     つーちゃん、今までずっと、ロマおじさんがお父さんみたいなものだったんだから……」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
 
(*゚−゚)「やっぱり、ロマおじさんが人狼ってのは……うそ、だよ……」
 
(*゚−゚)「ずっと、つーちゃんと一緒の家で暮らしてきたんだから……」
 
(* −)「もしロマおじさんが人狼だったら……いつだって、つーちゃんを、その……」
 
 
.

197 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:01:10 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「……」
 
(,,゚Д゚)「とりあえず……処刑会まで、時間がある。 飯、食うか」
 
(*゚−゚)「…うん」
 
(,,゚Д゚)「待ってろ。 うちの畑でな、でっけえとうもろこしができたんだ。 茹でて食うとうまいぞ」
 
(*゚∀゚)「………とうもろこし」
 
(,,゚Д゚)「! …そうだ、とうもろこしだ。 たんまり食わせてやっからな!」
 
(*゚∀゚)「………………。」 コク
 
 
(*゚ー゚)「いいな、ギコくん。 うちのは、もう枯れかけだってのに」
 
(,,゚Д゚)「雨、降らねえからなあ……」
 
(,,゚Д゚)「夜の間にでも降ってくれたらさ、人狼も動きにくいだろうし、安心できるんだが……」
 
(*゚−゚)「……降らなくても、いいよ」
 
(* −)「どうせ……その前に、みんなみんな、死んじゃうんだから」
 
(,, Д )「………」
 
 
.

198 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:02:21 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
     「生きるぞ、しぃ。」
 
     「俺らが二十超えるまでは……絶対に、死なないからな。」
 
 
 
     「…………うん。」
 
     「約束だよ。」
 
 
 
 
 
 
 
 
                                 【ナイトメア交響曲】のようです
 
 
.

199 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:03:10 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
(*゚∀゚)「で、で、とにかくおおめしぐらいなんだよ、もららーは!」
 
(,,゚Д゚)「あの人が腹八分目で抑えてくれてたら、だいぶ蓄えが増えてたんだがなあ」
 
(*゚ー゚)「でも、それがあの人のいいところじゃない。 ギコくん、一度も相撲で勝ったことなかったでしょ」
 
(;,,゚Д゚)「お、俺が弱いんじゃねーぞ! あの人が強すぎただけだ!」
 
(*゚∀゚)「もららー、からだおっきいもんなー。 むきむきだし」
 
(,,゚Д゚)「つーよ、俺も筋肉はついてるんだぜ。 ……ほれっ!」 ズイ
 
(*゚∀゚)「うおー! たっけー!」
 
(;,,゚Д゚)「ど、どうだ、俺の肩車は!!」 ユラユラ
 
(*^ー^)「危ないよ」
 
(;,, Д )「俺の馬鹿力をなめちゃ―――!!」 ユラッ
 
(;゚−゚)「ッ! 落ち―――」
 
 
.

200 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:03:50 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
  _
( ゚∀゚)「朝から飛ばすんすね」 サッ
 
(;゚ー゚)「あ、……よかった。」
 
(*゚∀゚)「もーちょっとで落ちるところだったぞ」
 
(;,,゚Д゚)「ちょっと立ちくらみしただけだ。 ……ジョルジュ、さんきゅ」
 
 
  _
( ゚∀゚)「(それはいいとして……なんでモララーさんの話が?)」 ヒソヒソ
 
(*゚−゚)「(つーちゃんの気をまぎらわそうと思って……。
       ほら、つーちゃん、モララーくんとも仲よかったから)」 ヒソヒソ
  _
( ゚∀゚)「(ああ……なるほど)」 ヒソヒソ
 
 
.

201 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:04:42 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「で、なんでジョルジュがこっちのほうまで?」
  _
( ゚∀゚)「……誰が襲われたのかが、気になって」
 
(,,゚Д゚)「俺ら三人は大丈夫だ。 これからは、つーはしぃんトコで寝ることになったし」
 
(*゚∀゚)「しぃといっしょで楽しかったぞ! 風呂!」
  _
( *゚∀゚)「グホッ!! ……ッッ!」
 
(;゚−゚)「つ、つーちゃん!」
  _
( ゚∀゚)「よ、よかったら、もっと詳しく………」
 
 
 
 
 
 
 
(,,゚Д゚)「………ジョルジュよ。 遺言はないか?」 グッ
  _
( ;゚∀゚)「ほ、ほんの出来心なんだって! い、いやあああああ!!」
 
 
.

202 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:05:28 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(;'A`)「朝からなーにやってんだか……」
 
(,,゚Д゚)「お、ドクオ」
  _
( ;∀゚)「いッてえええええええ!!」
 
 
 
 
 
 
 
(;'A`)「ジョルジュ、こっちは大丈夫だった。 誰も食われてない」
 
 
 
 
 
 
 
.

203 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:06:22 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
  _
( ゚∀゚)「――――ほんとか!?」
 
(,,゚Д゚)「まだ様子見か? それとも “狩人” か!?」
 
(;'A`)「いや、そこまでは知らないけど……ただ………」
  _
( ゚∀゚)「………ただ?」
 
(;'A`)「…………いや、あとで言う。 まだ時間あるから、それまでは仕事に精を出してこい」
 
(,,゚Д゚)「いや、俺らはもう広場にいく」
  _
( ゚∀゚)「同じく」
 
(;'A`)「………じゃ、じゃあ……いっか。 行こうぜ」
 
(,,゚Д゚)「おう」
 
 
(*゚−゚)「……。」
 
 
 
 ――― 死亡者、なし。
 
 
.

204 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:08:39 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
/ ,' 3「お、おう………きたのじゃな」
 
(;'A`)「ああ」
  _
( ゚∀゚)「きたけど……、……?」
 
(,,゚Д゚)「?」
 
(*゚∀゚)「なんか、みんなくらくないか?」
 
 
( ; ω )
 
从;゚∀从
 
(´-ω-`)
 
 
(,,゚Д゚)「あれ? 誰も食われちゃいない……んだよ、な?」
 
/ ,' 3「おぬしらが大丈夫でおったら、そうなる、の」
  _
( ゚∀゚)「どーしたの?」
 
/ ,' 3「………」
  _
( ゚∀゚)「?」
 
 
.

205 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:09:48 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
/ ,' 3「……おぬしらが来る、前」
 
/ ,' 3「ドクオがこやつらの安否を確認しに村んなかを走り回っておったのは知っとるな?」
  _
( ゚∀゚)「俺と手分けして、でな」
 
/ ,' 3「で、先にこやつらがここにきよって、話をしとったんじゃが……」
  _
( ゚∀゚)「?」
 
/ ,' 3「話し合いの結果……つまり」
 
 
 
 
 
/ ,' 3「占い師を名乗る二人、貞子と、ロマネスク」
 
/ ,' 3「どちらが占い師であろうと、どのみち占い師が消えたことは、間違いない」
 
/ ,' 3「じゃから……例によって、会議のみ、追究のみで人狼のしっぽを掴むことになるんじゃが……」
 
 
 
 
/ ,' 3「まっさきに、おぬしに白羽の矢がたったのじゃよ」
 
/ ,' 3「………ギコ」
 
 
 
.

206 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:10:31 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(,,゚Д゚)「       」
 
 
( ;^ω^)「だ、だって、そうだお!」
 
( ;^ω^)「ロマさんが………その。 ほら……、えっと……」
 
( ;^ω^)「と、とにかく、ロマさんが人狼だったとすると……」
 
( ゚д゚)「疑わしく、見えてしまう……んだよ、な」
 
 
(,,゚Д゚)
 
 
(´・ω・`)「……僕は、発言は控えさせてもらうよ。 考え事がある」
 
从;゚∀从「お、俺もだ。 へたに特定を急くと、かえって人狼の手助けになる、って、ロマさんが……」
 
/ ,' 3「………。」
 
 
 
(,,゚Д゚)
 
(,,゚Д゚)「………」
 
(,,゚Д゚)「お前ら……変わっちまったんだな」
 
 
.

207 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:11:12 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
( ゚д゚)「なにが変わったっていうんだ?」
 
( ゚д゚)「答えろよ。 へたに話をそらすのは、逆効果だぞ」
 
(,,゚Д゚)「…あ?」
 
  _
( ;゚∀゚)「み、ミルナ! もっと穏便に――」
 
( ゚д゚)「――してたら、そこを人狼につけあがられて、吊られるのがオチじゃねえか」
  _
( ;゚∀゚)「わかった、お前、まだ朝食ってねーんだろ! 握り飯やるから、落ち着け! な!」
 
( ゚д゚)「………、………すまん」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
 
( ゚д゚)「………で」
 
( ゚д゚)「変わった、ってのは……なんなんだ?」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
(,,゚Д゚)「お前、ここには、誰と一緒にきた?」
 
( ゚д゚)「? ……ドクオ、ハイン、ショボンの三人だけど」
 
(,,゚Д゚)「この、朝のきもちいい風の話はしたか?」
 
( ゚д゚)「!」
 
 
.

208 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:12:03 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「雨が降らなくてやってらんねえな、なんて愚痴は言ったか?」
 
(,,゚Д゚)「乾いた土にくわが入りづらくて、いらいらしたか?」
 
(,,゚Д゚)「たまには魚の塩焼きとかみてーな馳走食いてえなあ、とかは?」
 
(,,゚Д゚)「家に入ってきた虫と格闘して疲れた、とか」
 
(,,゚Д゚)「昼飯賭けて腕相撲やったらずるされて腹立ったり、とか」
 
(,,゚Д゚)「町に出てなんかりんごとか買いたいなあ、とか」
 
(,,゚Д゚)「しょんべんひっかけたとこからきれいな花が咲いてたのに笑ったり、とか」
 
(,,゚Д゚)「相変わらずショボンの眉はなさけねえことになってんな、とか」
 
 
(,,゚Д゚)「……そんな、いままでの平和を、今日も噛み締めたのか?」
 
( ゚д゚)「……」
 
 
(,,゚Д゚)「先祖から引き継がれて、俺たちが確かに築いてった平和」
 
(,,゚Д゚)「それって、人狼が出ただけですべて消えるもんなのかよ」
 
 
.

209 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:12:44 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;゚д゚)「そ、それとこれとは話が別だろ! 人狼だぞ! 命がかかってんだぞ!」
 
(,,゚Д゚)「確かに人狼は怖い。 けどよ、人狼におびえようが、命をかけてでも、平和を優先させんだろ」
 
(;゚д゚)「命あっての平和なんだ! 平和を楽しむのは、人狼を皆殺しにしてからでいいだろ!」
 
 
(,,゚Д゚)「その人狼も、いままで俺らが世話になったり、ともに遊んだり泣いたり笑ったりしてきた連中なんだぞ」
 
 
( ゚д゚)「―――ッ……」
 
(,,゚Д゚)「しぃも、つーも、ジョルジュも、人狼かどうかなんて、実際のところは、わかんねえ」
 
(,,゚Д゚)「けど……こっちは、楽しかったぜ。 朝からバカやってよ」
 
(,,゚Д゚)「目の前にいたのが人狼だったとしても……それが平和であることには、違いなかったな」
 
( ゚д゚)「…………」
 
 
.

210 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:13:26 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「……いやに冷静じゃの、珍しい」
 
/ ,' 3「ロマネスクの出した助け舟、それに乗っとるっちゅーのに」
 
(,,゚Д゚)「…」
 
/ ,' 3「じゃが……まだ、おぬしを責めることは、できぬ」
 
(,,゚Д゚)「え?」
 
 
/ ,' 3「昨日もロマネスクが言っておったろう。 我々にはまだ、“霊能者” がおるんじゃ」
 
 
(,,゚Д゚)「あ、ああ……」
 
从 ゚∀从「霊能者って……なんだっけ」
 
( ;^ω^)「た、確か、処刑された人が人狼かどうかを〜〜って……」
 
/ ,' 3「そう。 それでもしロマネスクがシロじゃったら、ギコもシロかもしれ――」
 
(´・ω・`)「ちょっと待ってください」
 
/ ,' 3「ん?」
 
 
.

211 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:14:19 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(´・ω・`)「ロマネスクさんがシロだったとしたら、
.      我々としてはあなたこそが真の人狼と見なければならなくなるのです」
 
(´・ω・`)「ロマネスクさんが真の占い師で、ギコも、つーもシロ。
.      代わりに、貞子は……、……置いとくとしても、アラマキ、あなたがおかしくなる」
 
(´・ω・`)「あなたは初日、貞子の祖母が占い師だったということで、貞子も占い師であると言った。
.      貞子の血縁がどうなっているのかは知りませんが、祖母の話を持ち出すということは
.      あなたは少なからず貞子の祖母が当時のその占い師であったことを確信している、ということ」
 
(´・ω・`)「なのに、事実としては貞子ではなくロマネスクさんこそが占い師だった。
.      とすると、あなたの言う話は、貞子の祖母の件から、すべてが嘘になる」
 
(´・ω・`)「そしてそれは、あなた自身が誰よりも認識している、はず」
 
(´・ω・`)「つまり、あなた視点で言えば、誰がなんと言おうと
.      ロマネスクさんが人狼だったことは確定事項となるわけです」
 
 
 
(´・ω・`)「しかし、どうして」
 
(´・ω・`)「あなたは、仮の話であれロマネスクさんがシロであるケースを持ち出したのですか」
 
 
.

212 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:15:01 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「……」
 
(´・ω・`)「答えてください」
 
 
( ;^ω^)「しょ、ショボン……?」
 
(;'A`)「み、ミルナだけじゃなくて、ショボンまでぴりぴりしてやがる……」
  _
( ;゚∀゚)「俺、握り飯、一個しか持ってきてねえよ……」
 
('A`)「あ、それはいいや」
  _
( ゚∀゚)
 
 
/ ,' 3「……そうか。 そういや昨日、ロマネスクの話を聞いておったのは儂だけじゃったな」
 
(´・ω・`)「話…?」
 
/ ,' 3「皆が揃っておるゆえ、ちょうどいい。 一つ、村長として、若いぬしらに伝えねばならぬことがある」
 
(´・ω・`)「な、なんですか……?」
 
 
.

213 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:15:41 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「儂は最初に、“力” の話をした」
 
/ ,' 3「 “占い師” 、“霊能者” 、“狩人” 」
 
/ ,' 3「儂もロマネスクも、力ぁーゆうたらこやつらしかおらぬと睨んでおったのじゃが……」
 
从 ゚∀从「……違う、の?」
 
 
 
 
/ ,' 3「ひょっとすると……この三人だけじゃあ、ないのかもしれん」
 
            スペシャル
/ ,' 3「ゆうたら 『 特 殊 』 である占い師、霊能者、狩人。」
 
 
/ ,' 3「こやつらに加えて、ほかに “力” を持つ……」
 
          イレギュラー
/ ,' 3「そう、『 異 常 』 なるきゃつが、おるのやもしれぬ………の、じゃ」
 
 
/ ,' 3「おぬしらの、なかに」
 
 
 
.

214 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:16:22 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(´・ω・`)「イレギュラー……?」
 
从;゚∀从「ど、どういうこと?」
 
(;'A`)「つまり、だ。 じいさんが言った三つ以外にも、“力” はあるかもしれない……
.     そういうことなんじゃねえの? シランケド……」
 
( ;゚ω゚)「ほッ、ほかにも変なやつはいるってことかお!!?」
 
(;'A`)「おま、変は変でもおれたちの味方なんだぜ!? たぶん!」
 
( ^ω^)「! じゃあ、その人らがいたら、」
 
/ ,' 3「儂は、おらぬと見ておる。 ただ、ロマネスクの戯言じゃろう、と」
 
( ;^ω^)「!」
 
 
 
/ ,' 3「じゃが……あやつはあやつで、嘘をついておるようには、見えんかった」
 
/ ,' 3「どーーーも、儂とあやつとで、話が噛み合わぬのじゃ」
 
/ ,' 3「ともすれば……儂もロマネスクも知らぬところで、妙なことが起こっておるのやも……しれぬ」
 
 
 
.

215 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:17:04 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「して、ショボン、ぬしの質問に答えよう」
 
(´・ω・`)「…」
 
/ ,' 3「儂も当初は、貞子こそがほんとうの占い師だ、と思っていた。
.     最初ロマネスクが占い師を騙ったときは、こやつは人狼で間違いない、と考えた」
 
/ ,' 3「じゃが…… 『異常』 ……そやつの存在を持ち出されてしまうと、どーも、気んしてしまう。
.     儂も、なんだかんだで、疑心暗鬼になりつつあるんじゃからの……」
 
/ ,' 3「疑える要素が一個でも増えてしもたら、とたんに考えるべきことが山ほど増えてまうんじゃ。
.     ロマネスクが占い師を名乗った時、ぬしら、一気にたくさん考えるべきことが増えたじゃろう?」
 
(´・ω・`)「し、しかし……」
 
/ ,' 3「おぬしが儂を疑うのは、よし。
.     この言葉を、ロマネスクっちゅーな事態を紛らわすための言葉と見なすのもかまわん」
 
/ ,' 3「じゃが、ならば、心してかかれ。 ……思わぬところで、足をとられてしもうては、おしまいじゃからな」
 
(´・ω・`)「………」
 
 
 
( ^ω^)「結局あんたは誰なんだよ…」
 
(;'A`)「お前、変なところで強気になるな……それ、じーさん本人に言えよ……」
 
 
.

216 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:17:45 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「とにかく……」
 
(,,゚Д゚)「俺が疑われてるってのは、つまりロマさんの助け舟……が原因なんだな?」
 
( ゚д゚)「……」
 
(,,゚Д゚)「だったら、弁解してやる。 あの人のように、な」
 
(,,゚Д゚)「……つっても、俺はなにもしてないんだから、弁解のしようがねえが……」
 
/ ,' 3「かまわぬ。 言質ひとつとって、ほかのもん……
.     そうじゃな、告発してきたミルナに対して反撃に出るっちゅーのんも、手じゃ」
 
(,,゚Д゚)「………」
 
/ ,' 3「? せんのか?」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
 
(,,゚Д゚)「反撃とか……する必要、ねえよ」
 
/ ,' 3「!」
 
 
.

217 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:18:48 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「俺は、自分が人狼でないってのは、わかってる」
 
(,,゚Д゚)「で、人狼は、俺が人狼でないことを知ってる」
 
(,,゚Д゚)「この現状で、俺を人狼だと思って指すのは、俺と同じ村人側しかいない」
 
(,,゚Д゚)「つまり、俺は村人側を説得すればいいわけ、だ」
 
 
(,,゚Д゚)「……俺が村人であることを言って、なお俺を指してきたやつは。
      俺をはめようとする人狼か、人狼にちゃちゃを入れられたやつくらいに……なる」
 
(,,゚Д゚)「最悪、それで俺が吊られたとしても……
      俺を指さなかったやつは村人と確定するわけなんだから、
      そいつら視点で言えば、人狼候補はある程度絞り込めることになる」
 
(,,゚Д゚)「……俺の犠牲で人狼が割れるなら、俺はそれで―――」
 
 
 
 
(  д )「やめてくれ」
 
 
 
.

218 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:19:29 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(,,゚Д゚)「…?」
 
(  д )「もう、これ以上、俺たちの心を掻き乱すのは、やめてくれ」
 
(,,゚Д゚)「掻き乱すって、おまえ……」
 
(  д )「俺が、なんであんたに執拗に迫ったのか、わかってんのか?」
 
(,,゚Д゚)「お前が疑心暗鬼になっているから、ってだけだろ」
 
(  д )「ロマ、ネスクさんが、占い師だったのかどうかすら、わかってなかった。
     その状況で執拗にあんたに迫ってたら、吊られるのを避けようとする人狼だ、って名乗ってるのと一緒だろ」
 
(  д )「それなのに、なんで俺がこう問い詰めてんのか……考えろ、よ……!」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
 
 
(;,,゚Д゚)「………もしか、し、て」
 
 
 
 
.

219 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:20:10 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
(  д )「昨日の今日だから、疑われてもしかたないとは思うんだけど……」
 
 
 
(  д )「いや……疑われようが、もう、どうでも、いい」
 
 
 
(  д )「……………昨日、“力” …?が、発現、した、んだ、と、思う」
 
 
 
 
 
 
 
( ゚д゚)「……… “霊能者” だ」
 
 
 
( ゚д゚)「昨日処刑されたあの人は、」
 
 
 
( ;д゚)「…………ッ、……、……………」
 
 
 
 
 
 
 
.

220 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:21:24 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
                       人狼、だった。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

221 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:22:50 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
从;゚∀从「!!?」
 
 
(;´・ω・)「ッ!!」
 
 
(;'A`)「―――っにイ!?」
 
 
 
 
 
(,,゚Д゚)「………まさか、お前……」
 
(,,゚Д゚)「こうやって、相手をはめるために、霊能者だってことは黙って――」
 
( ;д;)「――だったらペニサスさんの時点で言っている!
       あの人を調べた時点でロマネスクさんの真偽がわかんだからな!」
 
(,,゚Д゚)「………」
 
 
 
.

222 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:23:35 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;゚−゚)「う、うそよ! あなた、人狼でしょ!
     騙ってるんでしょ、ほんものが名乗り出てこないのをいいことに!」
 
( ぅд )「………、……ああ、それでいい」
 
(;゚−゚)「……?」
 
(  дt)「疑ってくれ、疑ってくれ。 もう、誰も信じちゃいけないってことが、わかったんだから」
 
(;゚−゚)「ど、どういうこと……?」
 
(  д )「実は、最初、俺は、村長………あんたを、ずっと睨んでた」
 
/ ,' 3「…!」
 
 
(  д )「こんな一大事だってのに、拍子抜けな、ばか騒ぎとかやりやがる」
 
(  д )「村長として、率先してみんなを冷静にさせないとだめなのに……」
 
( ゚д゚)「……わざと、村をかく乱させようとしているように見えた」
 
( ゚д゚)「第一、いちいち言わなくても、貞子がほんものの占い師なんなら、
      勝手に “力” に気づいては俺たちを占ってくれてただろう」
 
( ゚д゚)「それどころか、人狼どもにえさを差し出しているようなもんだ。
      占い師が誰かを、占う前にみんなに知らせる、なんて……な」
 
 
.

223 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:24:15 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「………儂は、」
 
( ゚д゚)「一夜目からその占い師としての力を発揮してほしい、と思ったんだろ。
      だったら、個人的に伝えればいい。 わざわざ、みんなの前で言う必要はない」
 
( ゚д゚)「だから、なんだかんだで俺は、ロマネスクさんのほうを、信じてた。
      昨日のあれのせいで、今みたいに疑心暗鬼に陥っちまったんだが、な」
 
( ゚д゚)「でも、霊能のやり方に気づけた。 誰が信じなくても、俺だけは、事実をつかめる。
      その事実で、みんなを説得できるか、はまた別として……だけど」
 
 
( ゚д゚)「……で、わかった。」
 
( ゚д゚)「ロマネスクさんの言葉は、つーを占ったってところ以外は、どれも、
      ああ、この人はほんとうの占い師なんだな、って思わせてくるようなものばかりだった」
 
( ゚д゚)「――なーんて信じてたら、これだ。
      あやうく俺は、あの人狼にだまされてしまうところだったんだ、って、わかった」
 
 
( ゚д゚)「………それから、もう、誰もが信じられなくなってきた」
 
 
.

224 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:25:01 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;゚−゚)「で、でも!」
 
(;゚−゚)「だからってギコくんも人狼ってなるわけじゃないじゃない!」
 
(;゚−゚)「当たり障りのないところを村人って言って、怪しまれないように……って!」
 
(;゚−゚)「みすみす人狼候補を絞るようなことを、人狼がしてくるはずないじゃない!」
 
(  д )「それは、結果論だ!」
 
(;゚−゚)「………っ!」
 
 
(  д )「逆に言えば、あの人が人狼ってばれなかったら……」
 
(  д )「あの人が村人判定してきた二人……この二人が人狼だったとしたら」
 
(  д )「間違いなく、人狼側が生き残って、俺らが全滅することになるんだぞ!」
 
 
.

225 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:25:42 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
从;゚∀从「た、確かに……」
 
从;゚∀从「ま、まあ、二人とも……ってのは怪しくなるにしても、」
 
从;゚∀从「どちらか片方だけでも人狼だったら、リスクは少ないし、保険も残せる……ね」
 
(;゚−゚)「おかしいよ! 一人目、ギコくんが村人って言う時点で既にロマおじさん、疑われてたもん!」
 
(;゚−゚)「むしろ、ギコくんは無実の被害者って線のほうがありえそうじゃない!」
 
(  д )「………」
 
( ゚д゚)「……なにも、お前にギコを疑え、って強要してるんじゃあない」
 
( ゚д゚)「村人が生き残るための一つの推理、考えとして言ってるだけなんだから」
 
(;゚−゚)「そ、そんな………っ!」
 
 
 
( ゚д゚)「むしろ……そこまでギコに固執してくるお前が」
 
( ゚д゚)「味方であるギコを守ろうとしている人狼にしか見えなくなるんだよな」
 
 
.

226 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:26:22 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;゚−゚)「…………え………」
 
(,,゚Д゚)「……おい、てめえ」
 
( ゚д゚)「なんだよ」
 
(,,゚Д゚)「………」
 
( ゚д゚)「……」
 
  _
( ;゚∀゚)「い、いいから落ち着けよ、お前ら!」
  _
( ;゚∀゚)「チームワークが大事だ、疑心暗鬼が敵だ、って言ってただろ!」
 
( ゚д゚)「……フン」
 
(,,゚Д゚)「クソが……」
  _
( ;゚∀゚)「やだ、ウンチだなんて下品ですよー…」
 
(,,゚Д゚)「………。」
 
 
.

227 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:27:17 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
(;'A`)「……ショボン、お前はどう見るよ、これ」
 
(´・ω・`)「…」
 
(;'A`)「…」
 
 
('A`)「……ショボン?」
 
(´・ω・`)「ん? あ、ああ。 考えてた」
 
('A`)「どんな感じだ?」
 
(´・ω・`)「確たる証拠、ってものがないのが、厳しいね」
 
('A`)「確たる……」
 
(´・ω・`)「それをミルナは掴んだみたいだから、ああやって強気でいられるみたいだけど」
 
('A`)「あ、ああ……」
 
(´・ω・`)「で、僕……、………その」
 
('A`)「?」
 
(´・ω・`)「……………、」
 
(;'A`)「……なんだよ、怖いな。 どうした?」
 
 
.

228 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:28:00 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(´・ω・`)「い、いや……」
 
(´・ω・`)「どうも、気になったんだ、僕」
 
('A`)「?」
 
 
 
 
(´・ω・`)「誰も、」
 
(´・ω・`)「『占い師は貞子でもロマネスクでもなかった』、」
 
(´・ω・`)「っていうケースを想定してないんだなあ、って」
 
 
 
 
 
 
 
.

229 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:28:56 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
( ゚д゚)「…!」
 
从;゚∀从「!」
  _
( ;゚∀゚)「さ、さすがに、それは……」
 
( ^ω^)「消えた占い師……右腕が疼くお」
 
(;'A`)「ふざけてっと、お前もじーさんみたいにミルナとかに疑われるぞ」
 
(  ゚ω゚)「!!?」
 
 
 
/ ,' 3「三人目の占い師……」
 
(´・ω・`)「あなたは認めざるを得ないでしょうねえ。 さっき、言ってたんだから」
 
(´・ω・`)「ロマネスクさんが占い師であるケースも万が一にはありうる、と」
 
/ ,' 3「……」
 
 
.

230 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:29:43 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(´・ω・`)「そのケースがあるから、ミルナが霊能者ってのは信じたほうがいいだろうね」
 
从 ゚∀从「…? なんで?」
 
(´・ω・`)「僕が人狼だったら、ここで占い師を騙るからさ」
 
从 ゚∀从「?」
 
(´・ω・`)「 『異常』 の存在のせいで、そもそも占い師って存在があやふやになってきた」
 
(´・ω・`)「それが言われる前だったら占い師を名乗っても自殺に近い行為だったんだろうが、
.      もしかしたら、なんて第三の可能性が、生まれてしまった」
 
(´・ω・`)「どのみちリスキーに近いこの状況で占い師を名乗るのは、かえって現実味が生まれるんだよ。
.      実際、窮地で占い師を名乗ってきたロマネスクさんに、ミルナが騙されかけたみたいに、ね」
 
( ゚д゚)「……」
 
 
(´・ω・`)「……もっとも」
 
(´・ω・`)「ミルナも、僕と同じようなことを考えていなかったら、
.      きみの霊能者説は五分五分ってところだろうけどね」
 
( ゚д゚)「悪いな、俺、お前みたいに賢くはないんだ」
 
(´・ω・`)「だろうね。 昨日の今日で発言を手のひら返しするようじゃ」
 
( ゚д゚)「……フン」
 
 
.

231 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:30:23 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「とにかく、ここにきて、占い師の言葉は半ばあやふやになった、と見るほうがええの」
 
('A`)「いいのか? だとすっと、じーさんも人狼候補に戻っちまうんだぜ?」
 
/ ,' 3「儂のことは儂がよく知っておる。 問題ない」
 
/ ,' 3「それに……一応、ミルナがロマネスクを人狼だ、と申した。
.     少なくとも、ミルナは儂のことも連動的に知っとることになるよ」
 
( ゚д゚)「……老人ら三人のうち二人が人狼だった、って可能性もあるのだがな」
 
/ ,' 3「ペニサスが処刑されたときにおぬしが動かんかった時点で、もう証明する術はないわい」
 
( ゚д゚)「………チッ」
 
 
.

232 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:31:03 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(´・ω・`)「で、ギコ、きみはどうするんだい?」
 
(,,゚Д゚)「?」
 
(´・ω・`)「三人目の占い師……の可能性はあるんだけど、なにぶん、名乗り出てこない」
 
(´・ω・`)「じゃあ、現状じゃあ、きみは疑われている。 どう弁解する?」
 
(,,゚Д゚)「……そうだなあ」
 
从;゚∀从「……あ、あの……っ」
 
(´・ω・`)「? どうしたの」
 
从;゚∀从「…………」
 
(´・ω・`)「なにか言いたいことあるの?」
 
(´・ω・`)「役職を名乗る頃合をはかってた、とかで」
 
从;゚∀从「え、えっと………」
 
(,,゚Д゚)「?」
 
 
.

233 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:31:44 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
从;゚∀从「………なんでも、ないです……」
 
 
 
 
  _
( ゚∀゚)「……日に日に、ハインが丸くなっていくな」
 
(;'A`)「そこ、今つっこむべきところか?」
 
 
( ^ω^)「! ハイン、実は三人目の占い師とか?」
 
(´・ω・`)「ここで占い師を名乗るメリットは、ずばりミルナが嘘吐きであるケースのときにある」
 
(´・ω・`)「人狼に騙されそうなところを助ける、って意味合いが強いからね」
 
(´・ω・`)「もっとも……逆のケースもあるんだけど」
 
( ^ω^)「逆?」
 
 
 
(´・ω・`)「ミルナがほんものだからこそ、
.      味方の人狼を助けるために第三の占い師を騙る人狼とか……ね」
 
 
.

234 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:32:29 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
( ^ω^)
 
( ^ω^)
 
 
( ;ω;)「ぎゃあああああああああああああああ!!!」
 
从;゚∀从「!?」
 
( ;ω;)「は、ハインが人狼だったのかお!!?」
 
从;゚∀从
 
从 ゚∀从
 
从 ゚∀从「は?」
 
( ;ω;)「ごめんなさい」
 
从 ゚∀从「タマ、蹴り飛ばすぞ」
 
( ;ω;)「ごめんなさい」
 
 
  _
( ゚∀゚)「いつものハインに戻ったな」
 
(;'A`)「どっちもどっち……」
 
 
.

235 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:33:10 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「……定刻まで、もう少し」
 
/ ,' 3「そろそろ、話し合いにもけりをつけんといかんが」
 
(,,゚Д゚)「……」
 
/ ,' 3「ギコよ」
 
/ ,' 3「このままじゃと、吊り上げられるやもしれぬぞ」
 
/ ,' 3「それでもいいのか」
 
(,,゚Д゚)「……あー」
 
/ ,' 3「もはや、信じられるもんがなくなった。
.     ミルナ以外は、誰もおぬしを頭ごなしに疑ったりはせんじゃろうて」
 
(,,゚Д゚)「いいぜ、言ってやる」
 
/ ,' 3「よろしい」
 
(,,゚Д゚)「みんな、聞いてくれ、」
 
 
.

236 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:34:06 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(,,゚Д゚)「俺は、人狼だ」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

237 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:34:57 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
/ ,' 3「ほっほっ、それはつま――」
 
/ ,' 3
 
/ ,' 3
 
/ 。゜3
 
/ ,' 3
 
/ 。゜3
 
 
 
 
 
 
 
/ 。゜3「――――なにイイイイイイイイイイイイイイッッ!!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
.

238 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:35:37 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
(  ゚ω゚)
 
 
 
从;゚Д从
 
 
  _
( ;゚Д゚)
 
 
 
( A ) ゜ ゜
 
 
 
 
 
 
 
(;゚−゚)「    ………… ………え……   ?    」
 
 
 
 
 
.

239 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:36:18 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
( ;ω;)「――――ぎゃああああああああああああ!!!」
  _
( ;゚Д゚)「あが、あああアアアア!?」
 
(;'A`)「ああ、アゴはずしてやがる! とにかく、ええええええええっ!!?」
 
 
/ 。゜3「ととっと、とにか――押さえろ!! 押さえるのじゃ!!」
 
(,,゚Д゚)「暴れねーよ、うっとうしい」
 
 
从;゚Д从「ほんきで言ってんのか!!?」
 
(,,゚Д゚)「もう、絶望したんだよ。 この村に、な」
 
 
(;゚д゚)「………、」
 
(,,゚Д゚)「定刻までまだあるが……いいだろ。 台にあがるぜ」
 
 
(;゚∀゚)「ぎ、ぎこ…?」
 
(,,゚Д゚)「しぃをよろしくな、つー」
 
 
.

240 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:36:59 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;´・ω・)「なーにばかなことやってるんだ! こんなの、罠に決まってるだろ!」
 
(,,゚Д゚)「この罠で、俺は誰をはめるってんだ?」
 
(;´・ω・)「うっ………、……でも!」
 
(,,゚Д゚)「お前の思っている以上に、俺ら人狼ってのは、お前らに情を抱いてたんだぜ」
 
(,,゚Д゚)「大好きだった村のみんなを喰らうくらいなら死んでやる、って感じでな」
 
(;´・ω・)「…………、………。」
 
(,,゚Д゚)「……どうした。 へたに俺をかんぐろうとすると、お前、人狼扱いされるぜ」
 
(;´・ω・)「………………、…………」
 
 
 
(,,゚Д゚)「先にロマネスクさんに会って、飲めなかった酒でも飲んでくるわ」
 
(,,゚Д゚)「ほら、じーさん。 さっさと俺を縛ってくれ」
 
 
.

241 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:37:39 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/;,' 3「……」
 
(,,゚Д゚)「なに戸惑ってんだよ」
 
/;,' 3「……」
 
/;,' 3「占い師や霊媒師を名乗るならともかく、人狼を名乗る者など、昔もいなかったのでな」
 
/;,' 3「この場合、ほんとうにおぬしが人狼かどうかを、疑いたくなるのじゃ」
 
(,,゚Д゚)「?? 騙る意味なんて、ないだろ?」
 
(,,゚Д゚)「一方的に人狼側が不利になるだけなんだから――」
 
 
 
 
 
/;,' 3「意味? んなもん、あるに決まっとる」
 
/;,' 3「もし、おぬしが――― 【猫又】 じゃったなら!」
 
 
 
 
.

242 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:38:19 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(,,゚Д゚)「?」
 
从 ゚∀从「ねこ……また?」
 
/;,' 3「最初にゆうたやろ! 思い出せい!」
 
 
 
 
   / ,' 3『あのときも……猫を喰らった狼が、おった』
 
   / ,' 3『大方、人狼は、そやつを恐れたのかもしれぬな』
 
   / ,' 3『わしは、もうきゃつらはいない……と見ているが』
 
 
 
 
(;'A`)「あ、ああ……猫ってなんのことかと思えば」
 
( ゚д゚)「猫って……、……」
 
 
.

243 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:39:41 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
              イレギュラー
/;,' 3「言うなれば、『 異 常 』 じゃよ」
 
/;,' 3「 “力” として発現する役職じゃあない」
 
 
 
 
 
/;,' 3「その能力は――― “道連れ” 」
 
/;,' 3「処刑されたら誰かを、オオカミに喰われたらそやつを……」
 
/;,' 3「殺された直後に、呪い殺す」
 
 
 
 
/;,' 3「もし、おぬしがそれじゃと………」
 
/;,' 3「おぬしを処刑したら、じきに、誰かが――人狼、村人関係なく、死ぬ」
 
 
 
 
.

244 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:40:31 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;'A`)「猫、は、もういないんじゃなかったのかよ」
 
/;,' 3「と、思っておった、ちゅーたやろ!」
 
 
( ゚д゚)「いるかどうかは別として、ギコに限って、それはない」
 
( ゚д゚)「人狼だったロマネスクが、ギコを指名したのだから」
 
/;,' 3「てきとーに村人認定したのがたまたま “猫又” じゃったら、どうすんじゃ!」
 
 
( ^ω^)「………なにを戸惑ってるんだお」
 
/;,' 3「ホライゾン……?」
 
( ^ω^)「あんた、ギコの思うつぼだお」
 
( ^ω^)「事態をよく整理したら、わかることだお」
 
( ^ω^)「ギコが、ただ僕たちを牽制しようとしているだけ、ってのは」
 
/;,' 3「なに…?」
 
 
.

245 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:41:26 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
( ^ω^)「僕……ずっと考えてたんだお」
 
( ^ω^)「どうして、初日、人狼どもは動かなかったのか」
 
( ^ω^)「様子見、って言ってたけど、ほんとうなら様子見する必要なんて、ない」
 
( ^ω^)「でも、あんたら老人たちは、猫がどうのこうの言ってた」
 
( ^ω^)「つまり、人狼側には絶対一人老人組がいるってことになる」
 
( ^ω^)「僕たち若者の間で、猫なんて知ってた人、いなかったんだから。 ……たぶん、だけど」
 
 
( ^ω^)「話を戻すと、つまり、人狼側にいる老人から、人狼たちは猫又の存在を聞かされたことになる」
 
( ^ω^)「そうでないと、若者たちが、襲撃しないことに不満を持つん、だから」
 
( ^ω^)「で、さっきのハインとかドクオが好例だけど、無実の若者たちは、猫のことはほとんど知らない」
 
 
( ^ω^)「言い換えたら、村人なら、猫又なんて存在の実態は知らないんだから、」
 
( ^ω^)「『追い詰められたときに、わざと人狼を名乗って猫又の存在をにおわせる』」
 
( ^ω^)「……そんな心理戦、使えるわけないんだお」
 
 
.

246 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:42:07 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
(;'A`)「お、おまえ……」
 
 
( ^ω^)「それに、人狼を名乗り出る唯一のメリットが、猫又であることをにおわせること」
 
( ^ω^)「でも、それがメリットになるのは、人狼だけじゃんか」
 
( ^ω^)「村人側としては、人狼を道連れにしてく、れる猫又は、むしろ救世主、なんだか、ら」
 
 
( ^ω^)「だ、だから、ギコは……」
 
 
 
 
 
 
( ;ω^)「ギコは、じんろグェエエェェッ!!」
 
 
 
 
 
 
(;'A`)「ああ! かっこよかったのに結局吐いちゃった!」
 
 
.

247 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:42:51 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/ ,' 3「…!」
 
( ;ω;)「こわいっぺえええええ!! どぐおおおおおお!!」 ギュッ
 
(;'A`)「あ、抱きつくな!!」
 
 
(;゚д゚)「え、ええと……つまり、どういうこと?」
  _
( ゚∀゚)「………ギコの人狼宣言は、ただ裏めっただけになった……」
 
从;゚∀从「……じゃ、じゃあ……」
 
 
 
 
(,,゚Д゚)
 
 
 
 
/ ,' 3「……定刻より若干はやいが、指名を開始するぞ」
 
(;゚−゚)「!!!」
 
 
.

248 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:43:44 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(; −゚)「ま、待って!! 待って!!」
 
/ ,' 3「汝は―――人狼なりや?」
 
(*;−;)「やだ!! やだ!! 待って!!」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――― 五日目、処刑者、
 
 
 
.

249 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:44:25 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(,, Д)
 
 
 
 
 
 ――― ギコ。 
 
 
 
(*;Д;)「違う! ギコは人狼じゃない!!」
 
从;゚∀从「し、しぃ!」
 
/;,' 3「のわっ!」
 
(*;Д;)「人狼じゃない! 人狼じゃないから!」
 
( ゚д゚)「……なんで、断言してんだよ」
 
(*;Д;)「だ、だって、だって!!」
 
 
 
 
 
 
(*;Д;)「あたしが人狼だもん!!」
 
 
(*;Д;)「ギコが人狼じゃないこと、知ってるもん!!」
 
 
 
 
 
.

250 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:45:17 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
(;゚д゚)「!?」
 
 
从;゚Д从「ハア!?」
 
 
( ;゚ω゚)「ッ!!」
 
 
/ 。゜3「イイイイイイッ!!?」
 
 
(*;Д;)「あたしが人狼だから!! ほんとうだって!!」
 
 
 
 
(;´・ω・)「何がどうなってるんだ……?」
 
('∀`)「あっははは……もうどうでもいいや……」
 
(*;∀;)「うわあああああああああああああんっ!!!」
 
(;'A`)「…っ! なに言ってんだ俺!」
 
 
.

251 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:46:00 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
(*;Д;)「あああああああアアアアアアアアア!!」
  _
( ;゚∀゚)「と、とにかく、しぃ! 落ち着け!」
 
(*;Д;)「ぎこおおおおおおおおおおおおおおおおお!!!」
 
/;,' 3「おぬしがこやつのことを好いとるんは知っとるわ!」
 
/;,' 3「じゃが………これも、掟。 つらいんはわかるから、ひとまずは……」
 
/;,' 3「もう、ペニサスも、ロマネスクも吊られた。
     ハインを見てみい、悲哀に狂いそうになっとるわ」
 
/;,' 3「じゃったら、おぬしがギコの分まで幸せになってやるくらいしか………」
 
 
 
 
/ ,' 3「……? あれ、しぃは?」
  _
( ;゚∀゚)「たった今、走り去った」
 
从;゚∀从「たぶん、ギコが吊られるのが、見るに耐えなかったんだろうな」
 
/;,' 3「………むおォ……」
 
 
(;'A`)「ど、どうすんだよ。 処刑会を見届けるのは、義務じゃなかったのか」
 
/;,' 3「やむを得ん。 今は処刑会優先……じゃ!」
 
(,, Д)
 
 
.

252 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:46:41 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
/;,' 3「………」
 
/;,' 3「しかし、しぃが人狼を名乗り出たのは……」
 
( ゚д゚)「ギコから注意を自分に向けたかっただけだろ」
 
/;,' 3「……嫌な予感しかせんがの……」
 
(,,゚Д゚)「……さっさと炙ってくれ。 逆さ吊りされたまま放置されんの、キツいわ」
 
/;,' 3「…………」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――― 五日目、死亡者、
 
 
 
 
 
.

253 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:47:30 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――― モララー、ペニサス、貞子、ロマネスク、ギコ、
 
 
 
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254 名前:名も無きAAのようです :2013/08/15(木) 19:48:10 ID:/LKhH5Io0
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
(;'A`)「おい!」
 
 
 
(;'A`)「しぃの家…… 『燃えてる』 ぞ!」
 
 
 
/ 。゜3「なにいいいいいいいいいいい!!?」
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 ――― しぃ。
 
 
 
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