ナイトメア交響曲のようです
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- 65 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:33:49 ID:QFB2BvXM0
-
―――二日目、晩。
「占い……占い……」
「おばあさんと、同じ……」
「占い……占い……」
川д川「意識を……集中させて……」
川д川「占い……占い……」
.
- 66 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:34:38 ID:QFB2BvXM0
-
川д川「……」
川д川「………」
川д川
川д川「なにも浮かんでこないわ」
川д川「第一、“力” なんて、ほんとうにあるわけがないじゃない」
川д川「あほらし」
川д川「よく考えたら、人狼がどうのこうのって……その話すら嘘じゃない?」
川∀川「そうよ。 どうせ、あのアラマキさんのことだから、ちょっと驚かしてやろう、っていう、アレじゃない」
川д川「………でも、じゃあ、どうしてモララーくんは殺されたの…?」
川д川「……今日……言ってたっけ」
.
- 67 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:35:26 ID:QFB2BvXM0
-
川д川「あれは、確かに…………」
川д川「じゃ、じゃあ、やっぱり、人狼ってのは、ほんとうに……」
川д川「………」
川д川「こ、怖いよ……」
川д川「怖いよ、おばあちゃん……」
川;д川「た、助けて……」
川;д川「おばあちゃん……」
川゚д川「おばあちゃ………」
川゚д川「…………………ん……?」
.
- 68 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:36:24 ID:QFB2BvXM0
-
【ナイトメア交響曲】のようです
.
- 69 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:37:05 ID:QFB2BvXM0
-
―――三日目、昼。
/ ,' 3「……皆のもの、揃ったか」
( ФωФ)「…」
('、`*川「…」
( ^ω^)「…」
('A`)「…」
.
- 70 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:37:48 ID:QFB2BvXM0
-
/ ,' 3「………点呼を、とる」
_
( ;゚∀゚)「ま……待ってくれ」
/ ,' 3「なんじゃ」
_
( ;゚∀゚)「とってほしく、ない」
/ ,' 3「どうして、じゃ」
_
( ;゚∀゚)「だ、誰かが、殺されてるかもしれないんだろ…?」
_
( ;゚∀゚)「い、いままで、一緒に、仲良くしてきた誰かが……っ!」
/ ,' 3「まあ、待て」
_
( ;゚∀゚)「待てるか!」
/ ,' 3「言い忘れておったことは、申し訳なく思うが……」
_
( ゚∀゚)「…?」
/ ,' 3「“人狼が必ず動くとは限らない” 」
/ ,' 3「それがまた、きゃつらの面倒なところなのじゃよ」
.
- 71 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:38:29 ID:QFB2BvXM0
-
_
( ゚∀゚)「……どういうことだ?」
/ ,' 3「つまり、噛まれたかどうかは、点呼をとるまでわからない、ということじゃ」
_
( ゚∀゚)「……」
/ ,' 3「……まあ、点呼はとるまでもないが、の……」
(´・ω・`)「見れば、わかりますね」
('A`)「十三人しかいないんだからな」
( ゚д゚)「一人減れば、すぐに……わかる」
( ФωФ)「昨夜、狼どもに噛まれたのは―――」
/ ,' 3「いない」
.
- 72 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:39:09 ID:QFB2BvXM0
-
――― 二日目、死亡者、なし。
_
( ゚∀゚)「―――! ほ、ほんとうか!?」
(*゚ー゚)「じゃ、じゃあ、人狼たちは、襲うのを諦め…」
/ ,' 3「様子見、じゃろう」
( ^ω^)「…え?」
( ФωФ)「奇遇だな。 吾輩も、そう考えておった」
从 ゚∀从「どうして、襲わねえんだ?」
从 ゚∀从「言いたかねえが……その人狼ってのは、久々に餌にありつけるんだろ?」
从 ゚∀从「なのに、我慢する意味が……」
/ ,' 3「誰がどんな “力” を持っておるのかが、わからぬ」
/ ,' 3「じゃから、人狼とて、下手に動くことは、できぬのだ」
.
- 73 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:39:49 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「……そんな、戦略が」
(*゚∀゚)「?」
( ФωФ)「戦略。 そうだ、戦略だ」
( ФωФ)「へたに動いて、地雷でも踏んでしまったら、元も子もあるまい」
/ ,' 3「あのときも……猫を喰らった狼が、おった」
/ ,' 3「大方、人狼は、そやつを恐れたのかもしれぬな」
/ ,' 3「わしは、もうきゃつらはいない……と見ているが」
('、`*川「…… “占い師” 次第ね」
川д川「…!」
.
- 74 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:41:27 ID:QFB2BvXM0
-
( ゚д゚)「……なにか、言いたいことがあるのか、貞子」
川д川「あ、えっと、その……」
/ ,' 3「聞き方を変えよう」
/ ,' 3「おぬし…… “何が見えた” ?」
.
- 75 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:42:41 ID:QFB2BvXM0
-
川д川「…!」
( ^ω^)「……そういや、貞子のおばあちゃん、凄腕の占い師だったんだお」
_
( ゚∀゚)「確か、誰が人狼なのかを占えるんだよな?」
( ФωФ)「…違う。 一日につき一人、その人が人狼かどうかを占える、という “力” だ」
(;'A`)「ど、どっちにせよ、心強いじゃねえか!」
(*゚∀゚)「占い師…?」
(;゚ー゚)「さ、貞子さん! どうだったの、結果は!」
川д川「え、えっと……」
('、`*川「そんなに急かすもんとちゃう」
( ФωФ)「……言いたいように言わせてやれ」
从;゚∀从「で、でも、“見た” んだろ? 誰が、人狼なのかを!」
川д川「そ、その……」
.
- 76 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:43:36 ID:QFB2BvXM0
-
/ ,' 3「……… “力” は、発現しなかったのか?」
/ ,' 3「実を言うと、わしは、おぬしだけが頼りで、昨夜を過ごした」
从 ゚∀从「またちびったのか?」
/;。゜3「――――ッ!!?」
从 ゚∀从「?」
/;。゜3「どッ、………どーして、知っとるんじゃあああ!!」
从;゚∀从「え、え?」
/;,' 3「ま、まさか、おぬしが占い師……」
从;゚∀从「あ、いや、適当だけど…」
/ ,' 3「わしはちびっちゃおらぬよ?」
从;゚∀从「……」
/ ,' 3「……」
/ ,' 3
/ ,' 3「貞子!」
川;д川「は、はい!」
.
- 77 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:44:20 ID:QFB2BvXM0
-
/ ,' 3「どうだったのじゃ。 占ったか? 占えなかったのか!?」
川;д川「え、ええと、ええと……」
( ^ω^)「ちびったくらいでがたがたうるせえお…」
('A`)「朝起こしに行ったらげろ吐いたやつに何が…」
( ゚д゚)「…どうだったんだ?」
川д川「う、占ったんだけど……」
从 ゚∀从「けど?」
川;д川「ごめんなさいっ!!」
.
- 78 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:45:37 ID:QFB2BvXM0
-
从 ゚∀从
( ゚д゚)
/ ,' 3
/ ,' 3「え?」
川;д川「人狼を見つけて、早速処刑してもらおうと思って、がんばったんだけど……」
(´・ω・`)「けど?」
( ゚д゚)「できなかったのか?」
川;д川「そ、その………できました。 占いは」
/ ,' 3「!! さっそく、結果を―――」
川д川「『神はささやいた』」
川д川「『アラマキは………人狼ではない』」
.
- 79 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:46:20 ID:QFB2BvXM0
-
( ゚д゚)
(´・ω・`)
从 ゚∀从
(,,゚Д゚)
/ ,' 3
/ ,' 3「え?」
.
- 80 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:47:13 ID:QFB2BvXM0
-
(;'A`)「……占えてたんじゃないか。 よかったな」
(,,゚Д゚)「でも、なんで謝ったんだ?」
川;д川「わ、わたし、人狼を当ててみせたかったのに……」
从 ゚∀从「村長がはずれだったのが、悔しいんだな」
川;д川「ごめんなさい……ごめんなさいっ!」
('、`*川「……しゃーないよ。 そーうまく行くもんとちゃう」
/ ,' 3
/ ,' 3「え、なに」
/ ,' 3「わし、疑われてたの?」
/ 。゜3「わし、疑われてたの!!?」
.
- 81 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:47:55 ID:QFB2BvXM0
-
川д川「だって……」
/ ,' 3『結論を言おう。わしら含めて、生き残った七人のうちの誰かが、人狼じゃった』
( ФωФ)「!」
('、`*川「!」
/ ,' 3「!」
川д川「あなたたち、三人のなかに……ゼッタイ、一人はいるもの……」
川゚д川「人狼………昔、おばあさんを喰い殺した、オオカミが……」
.
- 82 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:48:36 ID:QFB2BvXM0
-
_
( ;゚∀゚)「ッ―――!」
从;゚∀从「そ、そういえば……そうだった!」
(;゚−゚)「じゃ、じゃあ、……ロマさんか、ペニさんが……!」
( ;ω;)「ぎえええええ! ……おげエ!」
(;'A`)「ああ、また吐きやがった! でもそんなのどうでもいいくらい、ええええええ!?」
.
- 83 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:49:25 ID:QFB2BvXM0
-
/ ,' 3「……」
( ФωФ)「フ……懐かしいものよ、この疑われるときの悲しさ」
('、`*川「これが、あと何日も続くって考えると……つらいねえ」
(´・ω・`)「なに呑気なこと言ってるんですか」
(*゚∀゚)「しょぼん…」
(´・ω・`)「占いの結果がどうであれ、絞られたわけですよ、人狼候補が」
(´・ω・`)「ロマネスクさんか、ペニサスさん。 ……どちらかが、人狼です」
.
- 84 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:50:05 ID:QFB2BvXM0
-
(;゚д゚)「そ……そうだ! 認めたくないけど、どっちかが人狼なんだろ!」
(;゚д゚)「おっかしいと思ってたんだ! 人狼は、火以外じゃ死なねえって昔聞いてたのに!」
(;゚д゚)「生き残った七人のうち、死んだ四人。 ……そのなかに、人狼が加わってるはずがねえ!!」
( ^ω^)「っ! 確かにそうだお!」
( ^ω^)「人狼は、人間よりも圧倒的に寿命が長い。 生命力がある」
( ^ω^)「だから、ゼッタイ、あんたたちのどちらかが……人狼なんだお!!」
.
- 85 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:50:50 ID:QFB2BvXM0
-
( ФωФ)「……フム」
从;゚∀从「……でも、俺は……信じたくない」
( ФωФ)「ほう?」
(;゚−゚)「ハインちゃん!?」
从;゚∀从「お、俺がちっちゃな頃から、二人にはよくしてもらったんだ」
从;゚∀从「ロマさんには、魚の釣り方とか、木登りとか、教えてもらった」
从;゚∀从「ペニさんには、草笛の吹き方とか、花冠の作り方とか……教わった」
从 ;∀从「……う、疑いたくねえよ!」
(*゚−゚)「…!」
从 ;∀从「なあ、貞子! お前の占い、はずれてんじゃねえの!?」
从 ;∀从「ゼッタイ、この三人のなかじゃあ、オオカミは村長だって!」
/ ,' 3
/ ,' 3「え」
.
- 86 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:51:35 ID:QFB2BvXM0
-
/ 。゜3「―――くらアアッ! どいつもこいつも! わしが、なにをした!」
川゚д川「ごめんね、ハインちゃん……」
川゚д川「でも……しかたないの」
川゚д川「わたしも、“コレ” が人狼だったら、どれだけよかったことか……」
从 ぅ∀从「……貞子……」
/ ,' 3「もうイヤ。 お前ら二人から処刑じゃ」
(;'A`)「……無実が証明されたってのに、なんつージジイ……」
/ ,' 3「ふーん。 そもそも、村長なんじゃから人狼なわけがなかろうに」
(;'A`)「だからそれが証明されたんだって……機嫌なおせよ……」
.
- 88 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:52:27 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「……茶番は、そこまでだ」
('A`)「!」
(´・ω・`)「……確かに僕も、お二人にはお世話になった」
(´・ω・`)「だからこそ、聞きたい。 お二人の、弁解を……」
( ФωФ)
('、`*川
.
- 89 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:54:00 ID:QFB2BvXM0
-
( ФωФ)「………お前には、たくさんの学をのみこませてやった」
(´・ω・`)「それは、ありがたく思ってます。 しかし、」
( ФωФ)「わかっておる。 学があるからこそ、お前は効率的な行動に出ている」
(´・ω・`)「効率的…?」
( ФωФ)「確かに、アラマキの無実が証明された今……吾輩とペニサスは、不利だ」
( ФωФ)「そして、ペニサスは知らぬが、吾輩は村人ゆえ、反論の術を持たぬ」
( ФωФ)「…… “人数を減らす” 、ということに関しては、真っ先に吾輩たちを疑うのがよいのよ」
( ФωФ)「のう、人狼?」
.
- 90 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:54:48 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「……僕が人狼、とでも?」
(;゚−゚)「えっ…」
从;゚∀从「しょぼ――」
( ФωФ)「違う。 言っておろう、吾輩は反論の術を持たぬ、と」
(´・ω・`)「!」
( ФωФ)「だが――いま、お前のとっている行動は、まさしく人狼のとるそれとなっておるのだ」
(´・ω・`)「なんですって…?」
( ФωФ)「人狼にとって大切なのは、村人を次々減らすこと」
( ФωФ)「加えて、人狼はいま、うまく我々村人のなかに混じっていおる」
(´・ω・`)「そ、それとこれとは…」
( ФωФ)「のう、賢いショボンよ。 ちと、質問だ」
(´・ω・`)「な……なんですか…?」
( ФωФ)「処刑台に立たされる人は、投票による多数決で選ばれるのだ」
( ФωФ)「いま、処刑にかけるものを選出すれば、燃やされるのは村人か? 人狼か?」
.
- 91 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:56:36 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「それは当然、村人―――」
/ ,' 3「―――にはならんじゃろうな」
(´・ω・`)「なに……?」
/ ,' 3「考えてみい。 ロマネスクとペニサスを抜いて、全十一人」
/ ,' 3「うち、人狼が、少なくとも三匹四匹は潜んでおると見たほうがよい」
/ ,' 3「こんな状態で二人に均等に投票がされるよう仕組んでみい」
/ ,' 3「人狼側のその数匹が、二人のうち村人のほうに投票するじゃろう」
.
- 92 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:57:36 ID:QFB2BvXM0
-
('A`)「……? どういうこ――」
(;´・ω・)「…あっ!」
(;'A`)「どうしたんだ?」
( ФωФ)「……わかったか」
( ゚д゚)「説明してくれ、ショボン」
(;´・ω・)「……」
(;´・ω・)「現状じゃあ、二人にまでは絞れたものの、」
(;´・ω・)「 “どちらが” 人狼なのかまでは、わからない」
(;´・ω・)「でも、一日でもはやく人狼を火あぶりにしないと……その分、僕たちはピンチになる」
(;´・ω・)「だから、僕たちとしては……」
(´・ω・`)「 “二人とも” 、火あぶりにしないといけなくなるんだ」
.
- 93 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:58:19 ID:QFB2BvXM0
-
(*゚∀゚)「二人とも…?」
从 ゚∀从「処刑は、一日一人じゃあ…?」
/ ,' 3「いや……候補が二人でてきよったら、そいで多数決で投票が同数になったら。」
/ ,' 3「その二人を、同時に吊り上げる……そう、“二吊り” にかけなければならないんじゃ」
_
( ゚∀゚)「二吊り……ねえ」
( ФωФ)「そして、二吊りにするには、票を同数にしなければならない。 掟だから、な」
( ФωФ)「しかし、ここでいくら話し合いをしても、だ」
( ФωФ)「候補が二人になっている限り、高い確率で、人狼 “でない” ほうが、吊り上げられるのだ」
( ФωФ)「ショボン、お前が今しているのは、人狼側の手助けとなる行為であるのだぞ」
.
- 94 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:59:01 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「――――ッ」
(;゚д゚)「……ショボン、聞かせてくれ」
(;゚д゚)「お前はどうして、この二人にスポットを浴びせようとしたんだ…?」
(;´・ω・)「…! 僕はただ、候補が絞られたことを――」
(;'A`)「わ、わかってるよ! でも、今の話を聞いちゃあ……」
( ;^ω^)「………疑っちゃうおね、ショボン……」
( ;´゚ω゚)「!! 冗談はよしてくれ! 僕は、決して――」
.
- 95 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 18:59:43 ID:QFB2BvXM0
-
(;゚−゚)「ぎ、ギコくんは、どう思う…?」
(,,゚Д゚)「………なんとも言えないな」
(*゚∀゚)「……しょぼんは、いいやつだぞ」
_
( ;゚∀゚)「わかってる。 ショボンは、悪いやつじゃあない」
(,,゚Д゚)「俺だって……口にはしなかったが、ショボンと同じことを考えてたし、な……」
从;゚∀从「でも、一回目にして、いきなり強気だったぞ!」
川∀川「どちらかは人狼確定なんだから、強気でいいのよぉ……」
(;'A`)「いや、でも………だから、こそ。」
.
- 96 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:01:02 ID:QFB2BvXM0
-
( ;´゚ω゚)「――待ってくれ! わかった、気を急いた僕が間違っていた!」
( ФωФ)「気を急いた、とは?」
(;´・ω・)「強がってはいるが、僕だって、人狼は怖いんだ。 昨日も、眠れなかった」
(;´・ω・)「だから……一刻でもはやく、一人でも多くの人狼を、始末したかった」
(;´・ω・)「だからこそ、確実に処刑台にあげられるようにって、お二人に迫ったんだ。
……すまない、ロマネスクさんにペニサスさん」
('、`*川「ショボンは悪かないんよ」
( ФωФ)「疑われることに関しては、なにも思っちゃおらぬ」
( ФωФ)「だが、まだ占い師の報告しか聞いていない。 まだ、候補を絞るには早いだろうよ」
(´・ω・`)「……すまない」
.
- 97 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:01:58 ID:QFB2BvXM0
-
( ФωФ)「アラマキ」
/ ,' 3「なんじゃ」
( ФωФ)「あの頃は……ほかに、どのような “役職” がいたのだ」
/ ,' 3「……」
(*゚∀゚)「やくしょく?」
('、`*川「占い師の占いみたいにな、なんかおシゴトができる人の事をそう言うとったんよ」
(*゚∀゚)「シゴト……」
/ ,' 3「……わしかて、そう覚えてはおらぬ。 じゃが……」
/ ,' 3「霊能者。 霊能者は、おった」
.
- 98 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:02:50 ID:QFB2BvXM0
-
( ^ω^)「霊…」
( ゚д゚)「能…」
从 ゚∀从「者?」
/ ,' 3「処刑台にかけられ死んだ者が、村人か人狼か、どちらだったのかを調べることができるのじゃ。
. もっとも……直感的なものォ言うとったし、役職がなんだったのかまではわからないみたいじゃがな」
/ ,' 3「でも、誤って村人を葬ってしもうたのかどうかがわかるのは、大事じゃった。
. 間違いじゃったら、誰がそうなるように仕向けたかを考えれば、候補がぐッと絞れるからの」
('A`)「……なるほど」
_
( ゚∀゚)「……ほかには?」
/ ,' 3「ほか。 ほか、か……」
('、`*川「……狩人ばおったねえ」
.
- 99 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:03:37 ID:QFB2BvXM0
-
/ ,' 3「ッ! それじゃ!」
(*゚−゚)「狩人?」
('、`*川「天性の狩りの才能を持ってるんよ」
(,,゚Д゚)「でも、狩りの “力” なんか、何の役に……」
( ФωФ)「狩りの “力” がある……わからぬか?」
(,,゚Д゚)「え、そんなもの、俺だってある程度は狩りが……」
( ФωФ)「わからぬのであらば、言ってやろう」
( ФωФ)「狩りのいろはを生まれながらにして持っておれば」
( ФωФ)「人狼をも、狩ることができる」
( ФωФ)「つまり、人狼に抵抗することができる、唯一の村人となるのだ」
.
- 100 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:04:17 ID:QFB2BvXM0
-
(,,゚Д゚)「…!」
( ゚д゚)「てことは、狩人は……」
从 ゚∀从「オオカミには、喰われない…?」
('、`*川「ちょっとちゃうなあ。 昔、狩人ばうまかった人は、“護衛” に就いとった」
从 ゚∀从「ご、護衛?」
/ ,' 3「人狼と対等に戦える」
/ ,' 3「じゃから、晩、襲われそうな人のところで待機しておけば……」
( ФωФ)「その晩は、その人を、守ることができる」
.
- 101 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:04:57 ID:QFB2BvXM0
-
( ;^ω^)「ッ! じゃあギコ、今晩は僕んちに来てくれお!」
(,,゚Д゚)「え、おう……え、え?」
( ФωФ)「早まるな。 言っておろう、狩人には天性の才能がいるのだ」
(,,゚Д゚)「?」
( ^ω^)「?」
( ФωФ)「だから、ただある程度狩りがうまいからってだけでは、対等には戦えまい」
( ФωФ)「……あっさり喰われて、一夜に二人死ぬことになるだろう」
.
- 102 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:05:46 ID:QFB2BvXM0
-
(;,,゚Д゚)「! おい、俺は降りるぜ。 狩りはできても力はないんだ!」
( ;^ω^)「あっずるいお!」
/ ,' 3「……狩人も、占い師や霊能者と同じく、晩、意識を集中させれば、その “力” に気づくやもしれぬ」
/ ,' 3「晩、己が思う “人狼に喰われそうな人” の家に向かって、護衛に向かってほしいのじゃ」
从 ゚∀从「喰われそうな、人……」
(;'A`)「っ! だ、だったら、貞子がいッちばん危ないじゃねえか!」
川д川「…?」
.
- 103 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:07:42 ID:QFB2BvXM0
-
(;'A`)「だって、お前、占い師なんだろ? 人狼にとっちゃあ、天敵じゃねえか!」
/ ,' 3「そうなる、な」
川д川「………わたし、が……?」
( ゚д゚)「じゃあ、狩人は、貞子を優先的に守れば……」
( ФωФ)「そうは行かぬよ、人狼」
( ゚д゚)「……俺が人狼、ねえ」
(;゚∀゚)「……おじいちゃん」
(;゚−゚)「ミルナさん、が…?」
.
- 104 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:09:31 ID:QFB2BvXM0
-
( ФωФ)「がっはっはっ。 なあに、ただのジョークよ」
( ゚д゚)「また、ショボンのときみたいに、俺も人狼の手助けをしてた、ってか?」
( ФωФ)「そうだ。 言わば狩人は、占い師以上に村人たちの救世主なのであるぞ」
_
( ゚∀゚)「救世主?」
( ФωФ)「確実に、村人を一人、生き長らえさせることができる」
( ФωФ)「つまり、人狼と鉢合わせする回数が多ければ多いほど、それだけ村人側はぐッと有利になる」
( ФωФ)「一方で、人狼側も、考えておるのだよ」
( ФωФ)「…… “狩人は、占い師のところを優先的に守りにくるだろう” とな」
.
- 105 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:10:11 ID:QFB2BvXM0
-
(´・ω・`)「……そうか!」
( ゚д゚)「わかったのか?」
(´・ω・`)「つまり、狩人が無駄に占い師のところで待機している隙を狙われて、
. ほかの村人たちが一方的に喰われていくってことじゃないか!」
( ФωФ)「そのとおり。 さすがはショボンだ」
( ゚д゚)「…!」
_
( ゚∀゚)「つまり、一夜一夜の読み合いが、延命につながるわけか」
( ;^ω^)「だァァーったら、狩人さんは僕んちにきてお! お茶たくさんあげるから!」
/ ,' 3「常識的に貞子を守るか、裏をかいてほかの村人を守るか、行動せぬか……」
/ ,' 3「それは、狩人次第。 つまり、占い師以上に己が判断が重要となる役職なのじゃよ」
/ ,' 3「もっとも、わしを守ってくれたら嬉しいにこしたことはないんじゃが――」
(´・ω・`)「僕としては、じいさんよりも未来ある我々若者を守ってもらいたいところですがね」
/ 。゜3「処刑! 処刑じゃ、ショボン!」
(;'A`)「チームワークが乱れちゃあだめじゃなかったのかよ……」
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- 106 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:11:36 ID:QFB2BvXM0
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(,,゚Д゚)「……」
(,,゚Д゚)「狩人………」
('、`*川「あとは……」
( ФωФ)「……無理に思い出さんでも構わないだろう」
( ФωФ)「そのうち……きっと、吾輩たちの力になってくれる」
( ФωФ)「吾輩たちは、ただそれを信じているしか―――」
/ ,' 3「そこまでっ!!」
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- 107 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:12:54 ID:QFB2BvXM0
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从 ゚∀从「?」
( ゚д゚)「…」
(;'A`)「な、なんだよ…?」
/ ,' 3「定刻になった」
( ФωФ)「!」
('、`*川「あ…」
/ ,' 3「これより……一回目の処刑会を開始する」
/ ,' 3「人狼と思しき人を、選べ」
/ ,' 3「合図とともに、皆一斉に、指名するのじゃ」
/ ,' 3「他人の指名を見てから、変えてはならぬ」
/ ,' 3「そして……」
/ ,' 3「一番票の集まった、人狼と思しき者は……」
/ ,' 3「あそこにある処刑台に吊り上げ、………火あぶりに処す」
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- 108 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:13:55 ID:QFB2BvXM0
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(; − )「…っ!」
(;,,゚Д゚)「あれが……処刑台……!」
从;゚∀从「ちょ……ちょっと、待て。 ほんとうに、すんのかよ、火あぶりなんて!!」
/ ,' 3「しなければならぬ。 人狼が現れてしまった以上は、な」
(;゚∀゚)「………火あぶりって……燃やされるの?」
( ゚д゚)「燃やされる……んだろう、な」
( ;^ω^)「こ………怖いお、見たくないお……」
/ ,' 3「見届けなければならぬ。 それが、我らの義務なのじゃから」
(´・ω・`)「………無実の人が炙られたら、どうするんですか」
(;'A`)「そ、そうだ! 占い師が見ない限りは、確証なんてないんじゃないか!」
_
( ;゚∀゚)「それどころか、俺らのほうが一方的に不利に……!」
/ ,' 3「なら考えるのじゃな、ほかに犠牲の少なくなる人狼の始末の方法、を」
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- 109 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:14:38 ID:QFB2BvXM0
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( ФωФ)「……」
('、`*川「は、はじまるんや……このときが……」
/ ,' 3「…」
/ ,' 3「まだ、おぬしらが炙られると決まったわけじゃあない」
/ ,' 3「が―――」
/ ,' 3「わしはおぬしらのうちどちらかを指す」
/ ,' 3「古き頃からの仲じゃが……恨まないでくれ」
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- 110 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:15:34 ID:QFB2BvXM0
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( ФωФ)「決めるのはアラマキ、お前一人じゃなくて村の皆。 そうだろう?」
/ ,' 3「……そうじゃ、な」
('、`*川「あぁ、あぁ………っ」
/ ,' 3「では、皆のもの」
/ ,' 3「指名する者を、決めたか?」
/ ,' 3「心残りはないか? 胸を張って相手が人狼であると誓えるか?」
/ ,' 3「指さない、は原則として禁止じゃ。 それだと人狼の手助けをするだけで終わってしまうからの」
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- 111 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:16:19 ID:QFB2BvXM0
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/ ,' 3「怖いか。 怖い。 わしだって、怖い」
/ ,' 3「今まで仲良く何年も、何十年も過ごしてきた仲間を、」
/ ,' 3「人狼とかいう最悪な化け物のせいで、こうも短時間で裏切らなければならぬ、ということが」
/ ,' 3「じゃが―――これが、 “人狼” 」
/ ,' 3「さあ、問うぞよ、皆のもの」
/ ,' 3「 『汝は―――人狼なりや?』 」
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- 112 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:17:12 ID:QFB2BvXM0
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――― 三日目、処刑者、
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- 113 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:17:54 ID:QFB2BvXM0
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――― ペニサス。
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- 114 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:19:02 ID:QFB2BvXM0
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- 115 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:19:54 ID:QFB2BvXM0
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(*;−;)「―――いやあああああああああああっ!!!」
( 、 *川 バチバチ・・・
从 ;∀从「村長! や、やめてくれ!!」
(;:、'"*l lし ゴォォ・・・
( ;ω;)「ぎゃああああああああああ!! ……おげエ!」
(*_ ”。jハ ゴゴゴ・・・
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- 116 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:21:50 ID:QFB2BvXM0
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/ ,' 3「………」
( ФωФ)「……なぜ、ペニサスを指した、アラマキよ」
/ ,' 3「……静かじゃった、からの」
( ФωФ)「……」
/ ,' 3「―――じゃが」
( ФωФ)「!」
/ ,' 3「今宵……予想外のことが起こらない限り」
/ ,' 3「明日、ペニサスと同じ道をたどることになるのは………」
/ ,' 3「おそらくは、おぬしであるのじゃぞ」
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- 117 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:22:31 ID:QFB2BvXM0
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( ФωФ)「……」
/ ,' 3「若い者は、いまは冷静さを欠いておる」
(;,, Д )「………っ」
(;'A`)「………ばあ、さん……!」
(´-ω-`)「…。」
/ ,' 3「じゃから、今のうちに聞いておこう」
( ФωФ)「……なにを、かな?」
/ ,' 3「弁解じゃよ。 明日するものを、今聞いても構わなかろうて」
( ФωФ)「弁解、か」
/ ,' 3「なんじゃ?」
( ФωФ)「まるで、お前が人狼であるかのような物の聞き方であるな」
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- 118 名前:名も無きAAのようです :2013/08/10(土) 19:23:40 ID:QFB2BvXM0
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/ ,' 3「……フン」
( ФωФ)「貞子がいなければ、吾輩は、真っ先にお前を指しておったところだ」
/ ,' 3「のう、ロマネスク。 言質をとっては相手を揺さぶるその話術、昔は世話になった」
/ ,' 3「思えば、おぬしがおったからこそ、人狼を葬ることができた、というものじゃ」
/ ,' 3「じゃからこそ、わしとておぬしが人狼たあ、考えづらい」
/ ,' 3「……弁解を、聞かせてはくれぬか」
( ФωФ)「弁解か。 ガッハッハッハッ!」
( ФωФ)「……霊能者次第、といったところだ」
――― 三日目、昼、終了。
―――死亡者、モララー、ペニサス。
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