ICO+Gのようです
http://hayabusa.2ch.net/test/read.cgi/news4vip/1379913127/
30 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:42:59.53 ID:UfOglbyp0
 ギコは何よりも先に寒さを覚えました。
 びゅうびゅうと吹く風に加え、体の下にある硬い感触が、ギコをよりしっかりと目覚めさせました。

(,,゚Д゚)

 そこは、宙吊りの籠の上でした。

(゚Д゚,,)

 目が覚めて一番に思ったのは、なんで、という疑問でした。

(,,゚Д゚)

31 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:45:11.33 ID:UfOglbyp0
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 なんで、あの女の子はノーパンなんだろう。


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32 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:45:44.97 ID:UfOglbyp0
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 第四話 光の剣とハゲ

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33 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:48:50.07 ID:UfOglbyp0
 考えてもどうしようもないことを考えて小一時間経った後、ギコはハッとしました。

 どうしてシィは僕の手を放したんだろう。

 それは、シィを恨むものではなく、純粋な疑問でした。

(,,゚Д゚)<ウォー!!

 とりあえずギコは叫びました。
 とにかく叫びました。

(,,゚Д゚)<ウォー!!

 びゅうびゅうと風の吹く檻の上で、それはむなしく掻き消えるのでした。

35 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:51:32.64 ID:UfOglbyp0
 さらに小一時間経ってから、ギコはハッとしました。
 ジャンプで飛び移れそうな檻が数個、近くにぶら下がっていたからです。

 それはまるで意味ありげに(ゲーム的にもそういうものですから)並んでいる檻は、お城へと続いています。

 便で驚くほどぬめついた両手を上衣で拭い拭い、ギコは助走を取ります。
 そして、駆け出し、檻の縁ぎりぎりでジャンプしました。

 はっしと次の檻の縁を掴み、よじ登ると、さらに次の檻へと飛び移っていきます。
 ギコは高所恐怖症ではなかったので、問題なくお城へと近づいていくのでした。

36 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:54:14.32 ID:UfOglbyp0
 宙吊りの檻からついにお城の下まで辿り着いたギコは、海に面した広い空間に出ました。
 そこはだだっ広く、大きな仕掛けがある場所でした。

 ギコはまず、海の中に木箱を落として、通り道の足がかりへとしました。
 自分結構賢いじゃん。ギコはそう思いました。

 というか、割と何度も仕掛けを解いているうちに、ギコは思い上がった気持ちになることが増えました。
 実際には、気になる仕掛けのところでシィが立ち止まったり、指さしをしてくれていたおかげなのですが。

 天才パズラーギコ。パズドラやらせたらすごい男ギコ。

 そんなどうでもいい称号を自分に付けるほど、ギコは精神的に舞い上がっていました。

37 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 15:57:26.74 ID:UfOglbyp0
 機械を作動させて、パイプを伝い、ギコはどんどん前に進みます。
 その雄姿たるや、パンツも脱げて脱糞の徒と成り下がっていた男の子とは思えません。

 回転する、棒のついた大きな部品を利用して高いところへと進み、
 とりあえず、とりあえず、進めるところへどんどん進んでいくのでした。

 ゲーム的にもまあ、そうするしかないので(一本道ですし)ギコは迷わず前へ行きます。

 そうして、大きなパイプを伝って一度外に面したところに出ると、びゅうびゅうと風が当たりました。
 ギコはお腹の中にモノがほとんど入っていないにも関わらず、またも下すような感覚に見舞われました。

38 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:00:11.02 ID:UfOglbyp0
 ぐるぐるとなるお腹を押さえつつ、ギコは円形の塔の中に到着します。

(,,゚Д゚)<ウォー!

 そういえばまったく声を発していないことに気付いたギコは、とりあえず叫びました。
 地の文だらけだと詰まって読みづらいという、まあ、そんな理由もありました。

<ウォー!

(,,゚Д゚)そ

<ウォー!

(,,゚Д゚)そ

 反響に、少し驚いたようでした。

39 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:03:24.77 ID:UfOglbyp0
 塔の中には、崩れかけた通路や、梯子、鎖がありました。
 それらを使って、ギコはひとまず下まで降りることにしました。

 便意はあれども便はあらず。
 どうやら脱糞ドキドキ夢工房は訪れないようでした。

 ギコは鎖を伝い、梯子を下り、そしてついに塔の一番下まで到達することができました。
 そこは、この島に訪れた時、大人に連れられて初めて来た場所でした。

 そこには、シィが開けることのできる扉があるのでした。

(,,゚Д゚)<ウォー!!

 しかし、シィは今、近くにいません。
 叫ぶと、水っぽいUNKOが少しびゅるりと出てしまいました。

 来ました、サンライト脱糞オーバードライブ。

40 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:06:19.85 ID:UfOglbyp0
 それを、石段の角におしりを擦りつけることでクリーニングしたあと、
 ギコは頭をうんうんと捻り出しました。

 こっちに行けばお城の中に戻れるけれど、仕掛けは解除できません。
 開いている出入り口は、きっと外に繋がっていて、逃げ帰ることができるかもしれません。

 でも。

(,,゚Д゚)

 ギコはパンツを履いていないシィのことが心配でした。
 そして、同時に、正門前で手を一度は掴んでくれたこと思い出します。

 また、パンツを履いていないことを思い出します。

42 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:10:24.93 ID:UfOglbyp0
 便まみれの手を躊躇せず掴んでくれたシィ。
 パンツを履いていないシィ。

 その中にあるアンドロメダ星雲のごとき闇を股間に湛えたシィ。
 っていうかまあ、性欲的にぎゅんぎゅんくる可愛らしいシィ。

 パンツを履いていないシィ。

(,,゚Д゚)

 助けなくっちゃ。

 ギコは、手を繋いでいた間に、彼女の儚さを感じていました。
 それはギコのお腹具合と同じくらい、脆いものだと思っていたのです。

43 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:13:03.10 ID:UfOglbyp0
 逃げ出すなら絶対にシィが一緒にいて欲しい。
 あ、いや、いて欲シィ。

 そう思うと、ギコは簡単に海辺に行くことができなかったのでした。
 しかし、いくら塔の中を探索しても、有用なものは見つかりません。

 結局、探索の幅を広げるべく、ギコは一度塔の外へと移動しました。

 絶対戻ってくるからね、と誰に言うでもなくギコは思いました。

44 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:17:15.05 ID:UfOglbyp0
 波の音が近付いてくると、一緒に潮風がギコの頬と腹を尻を撫でました。
 ギコは相変わらずお腹を下したまんまです。

 ギコは一度水で尻を洗おうと海に下半身を漬けに行きます。
 そこには、一艘の小さな船がありました。

(,,゚Д゚)<ウォー!!

 これさえあれば逃げ出せるじゃんすか、やばくね、すごくね。
 ギコは喜びを露わにちんちんをいじりました。

 尿を海中で出して、えもいわれぬ快感を得て、ギコはさらに叫びます。

46 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:19:24.43 ID:UfOglbyp0
 すると、視界の端に何か光るものが見えました。
 それは、まるで稲光のようでした。

三三三(,,゚Д゚)<ウォー!!

 ギコはざぶざぶと海から出ると、水際の道を行きます。
 その先にあったのは、小さな祭壇と、そこに置かれた一振りの剣、でした。

(,,゚Д゚)

 うお、これカッケー剣カッケーわ、これ。

 ギコはまだ少年でしたから、そういう武器に憧れを抱くことがありました。
 小学生が学校にナイフを持っていく時のような、背徳感を覚えたようでした。

47 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:22:35.08 ID:UfOglbyp0
 落ち着いてみると、それは大人たちが不思議な扉を開けるのに使った剣ではありませんか。
 これは使える。ギコは思いました。

 静電気除去シートなんて考えのない時代でしたから、ギコはおっかなびっくり、放電している剣に手を伸ばします。
 柄を持つと、それはギコには少しだけ太い感じがしました。

 それでも、両手で持てば充分に扱えるものでした。
 ギコはちょっと、大人になった気分で、胸が躍るようでした。

 もちろん、不思議な扉を開けられるということもその高揚の一助となっていました。

48 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:28:31.50 ID:UfOglbyp0
 ギコは急いで、不思議な扉の前に戻りました。
 そして、剣を封印された扉の前にかざします。

 ギコがその時何を呟いたかはさだかではありませんが、エクスペクトパトローナムと言ったようにも思えました。
 どちらかというとアロホモーラが正しいのですが、それはギコには分からないことでした。

 ばちばちばち、と音を立てて、扉の封印が解かれます。
 そして、仕掛けのレバーを発見しました。

 それは大人たちが作動させたもので、ギコも、それを動かせば何ができるか理解していました。
 子どもというのは、よく大人の背中を見ているものです。

 例えば、路上でゴミのポイ捨てをすれば子どももマネをしますし、
 エロ本を川原に捨てていくのを見れば、同じく将来、後輩のためにエロ本を捨てるようになります。

 良くも悪くも、大人の影響力は、純真無垢な子どもたちへ多大なものを残します。
 いいですか? 彼らは鏡です。あなたを映すような、鏡なのです。

 彼らが善悪を判断する材料に、大人はなってしまいます。
 それも、かなりの速度で、子どもは材料を自分に組み込みます。

 簡単なことではありません。
 ですが、難しすぎるということもないでしょう。

 いいですか、肝に銘じておきましょう。

 こどもたち
    そこにあなたの
         かげをみる

49 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:31:16.34 ID:UfOglbyp0
 仕掛けを作動させると、床が上昇を開始します。

 もう少し、もう少しでシィに会える。
 また悪戯――いや、脱出できる。

 ギコははやる気持ちを抑えながら、剣を素振りします。
 とりあえず他にやることもないので、少しの間叫んだりしていました。

 そして、ついに床の上昇が止まります。

50 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:32:51.95 ID:UfOglbyp0
 そこは、ギコが連れてこられ、箱に閉じ込められた場所でした。

(,,゚Д゚)!

(,,゚Д゚)<ウォー!!

 その大部屋の奥には、見慣れた姿が、見慣れた少女の姿がありました。

 しかし――


 彡⌒ミ   わ   わ
( ´_ゝ`)    さ    さ


 そこには大量のハゲが群がっているのでした。

51 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:34:20.51 ID:UfOglbyp0
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(,,゚Д゚)<ウォー!!!!


 ギコは、ノーパンは俺のもんだ! と叫び、ハゲに向けて剣を振り上げるのでした。


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52 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします :2013/09/23(月) 16:35:04.06 ID:UfOglbyp0
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 第四話 光の剣とハゲ おわり

 最終話 女の子とハゲ まで、僕は君の手を離さない。
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