84 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:25:56.80 ID:cvMxCUfc0
 
(-@∀@)「えーでは新任の先生を紹介します」

「2年A組の担任になります、吉田です」

「2年B組を担任させて頂きます、吉岡です」

「3年A組の副担任となります、三吉です。よろしくお願いします」

「3年B組の担任となった」



(´・ω・`)「ハードボイルドだ」



第4話「ハードボイルドは高校でも給食を出して欲しいと願っている」



91 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:31:42.12 ID:cvMxCUfc0
 
ここは都内でも有名な不良高である。
その中でも、3年B組は不良の寄せ集めのようなクラスであった。

彼らは担任となったハードボイルドを見て、顔をにやつかせていた。
どうやって痛めつけようか。彼らが考える事はそれだけであった。


そして初めての授業が行われた。


(´・ω・`)「ここでxy平面上の極座標表示を……」

「がははははは!」

「お前マジぱねえよー!」


3年B組の授業風景は噂通りの酷いものであった。
担任であるハードボイルドを無視し、皆一様に雑談に興じている。


(´・ω・`)「……お前ら」


流石のハードボイルドも堪忍袋の緒がはち切れた。
教壇を叩き、生徒を見渡して言う。



94 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:36:21.10 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「全裸になれ」

「ああ?……ええええ!?」

「ちょ、ちょっと何言ってんのよ!」

(´・ω・`)「なれないのか? ふぬけ共が」


おもむろに脱ぎ始めたハードボイルド。
筋肉隆々の裸体が露わになり、生徒たちは静まりかえった。


(´・ω・`)「俺を見ろ。全裸だ」

「きゃああああああ!!!」

「言われなくてもわかるよ!」

(´・ω・`)「だがお前らはなんだ? 常識という服を脱げないまま、世の中に反抗している哀れな子羊。
      所詮、お前らは不良の真似事をしているだけだ」

「な、何を言ってるんだこいつは……」


意味がわからなかった。しかし、妙な説得力がある。
不良たちは言い返せない。



100 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:41:46.71 ID:cvMxCUfc0
 
「真似事だと? 面白い事を言うじゃないか」

(´・ω・`)「む……」


廊下から声が聞こえてきた。
ドアが開かれ、一人の生徒が教室へ入ってくる。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「全裸になれば、真の不良だと認めるのか?」


異様に老けた生徒だった。
この男こそが、都内最強と渋谷で評判の渋澤(18)である。


「渋澤さんだ!」

「渋澤番長が帰ってきた!」


(´・ω・`)「……」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「いいぜ。なってやろうじゃないか」


学生服を破り捨て、渋澤はあっという間に全裸になった。
引き締まった筋肉は、ハードボイルドに引けを取らない。



104 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:49:16.96 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「なるほど。中々のハードボイルドさだ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「舐めてもらっちゃあ困るんだよ。俺はこの街の頂点を極めた男だからな」

(´・ω・`)「街の頂点か……ぬるいな」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「何だと?」

(´・ω・`)「いや……ぬるすぎる。俺は……」



(´・ω・`)「世界の頂点を極めた男だぜ」



109 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:53:38.53 ID:cvMxCUfc0
 
教室の空気が張り詰める。
今まで無表情だった渋澤の顔が曇った。

 _、_
( ,_ノ` )y━・~「世界の……頂点だと?」

(´・ω・`)「そうだ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「……へへ」
 _、_
( ,_ノ` )y━・~「じゃあお前を倒せば、俺が世界の頂点って事でいいんだな?」


殺気がぶつかり、お互いのハードボイルドパワーが渦のように絡まり合った。
しかし、ハードボイルドは軽く笑って、殺気を消した。


(´・ω・`)「ふ……ここで戦っても、何も得られはしないな」
 _、_
( ,_ノ` )「逃げるのか?」

(´・ω・`)「生徒と戦うなんて、教師のやることじゃあ無いんだよ。
      じゃあ授業を再開する」



112 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 15:57:24.39 ID:cvMxCUfc0
 _、_
( ,_ノ` )「……」


ハードボイルドは渋澤の事を放って、何事も無かったかのように授業を始めた。
全裸のままで。

 _、_
( ,_ノ` )「ち。やってらんねえな」


渋澤は鞄をかつぎ、教室を出て行った。
全裸のままで。


(´・ω・`)「……」

「先生……服着て下さい」

(´・ω・`)「あいつめ……中々やりやがるぜ」

「あの……先生……通報しますよ」

(´・ω・`)「それだけは勘弁してくれ」


ハードボイルドの教師生活は、こうやってスタートした。



115 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:01:23.13 ID:cvMxCUfc0
 
それからいろんな事が起こった。


(´・ω・`)「煙草はやめろ!」

「うるせえな! 何で俺たちに構うんだよ!」

(´・ω・`)「ハードボイルドだからだ!」

「先生……俺たち、間違ってたよ……!」



(´・ω・`)「援助交際をしているのか!?」

「はぁー? そんな事やってねぇし」

(´・ω・`)「嘘をつけ! この前駅前で待ち合わせしたらお前がいたじゃないか!」

「先生……あたし、間違ってた……!」



他にも色々と問題が起こったが、ハードボイルド説教によって着実に解決していった。
しかし、渋澤はあの日以来姿を見せていなかった。



121 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:05:37.33 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「こうなったら……」


ハードボイルド家庭訪問しかない。
そう答えを出した。

思い立ったら即行動。
ハードボイルドはハーレーに乗って、渋澤宅を目指した。


(´・ω・`)「ごめん下さい」


渋澤の家は金持ちだった
その事に多少苛つきを覚えるも、ハードボイルドなのでうろたえない。


「はーい」

ζ(゚ー゚*ζ「えっと……どなたでしょうか?」

(´・ω・`)「担任のハードボイルドです。渋澤君のお姉さんでしょうか?」

ζ(゚ー゚*ζ「いえ、私が母親です」



124 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:07:42.82 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「……」

ζ(゚ー゚*ζ「……?」

(´・ω・`)「ずっと前から愛していました」


ハードボイルドは恋に正直なのだ。


ζ(゚ー゚*ζ「あの……」

(´・ω・`)「僕、脱ぐと凄いんですよ。脱ぎましょうか? いえ、脱ぎます」

ζ(゚ー゚;ζ「きゃああああ!!!」

「どうした母ちゃん!」


奥の方から声が聞こえた。どたどたと走ってきたのは、渋澤であった。



127 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:11:36.69 ID:cvMxCUfc0
 _、_
( ,_ノ`#)「てめえ母ちゃんに何をしようとしたんだ!」

(´・ω・`)「別に何も」
 _、_
( ,_ノ`#)「じゃあなんで半裸なんだよ!」

(´・ω・`)「さあな。ハードボイルドだからじゃないかな?」
 _、_
( ,_ノ`#)「てめえぶっ殺してやる!」

ζ(゚ー゚#ζ「やめなさい!」


母親の一喝で、渋澤は振り上げた拳を下ろした。
捨て台詞を吐き、二人の横を通って家を飛び出してしまう。


ζ(゚ー゚*ζ「全く……あの子ったら、昔からああなんですよ。
       父親がいないから、わがままになってしまったんでしょうか」


父親がいない。ハードボイルドはその言葉を深く心に刻んだ。



132 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:14:42.49 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「ご安心下さい。このハードボイルドに全てお任せを」

ζ(゚ー゚*ζ「まあ……頼もしいわ」


家庭訪問は中止し、ハードボイルドは渋澤を追っかける事にした。
ハーレーにまたがり、轟音と共に発進する。



cool!  cool!
    cool!
三( ´・ω・)  cool!
      cool!
cool!
    cool!



ζ(゚ー゚*ζ「……あの子を、頼みます」



135 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:18:56.00 ID:cvMxCUfc0
 
渋澤は近くの河原で、一人たたずんでいた。
ハードボイルドはバイクから降りて、彼の所へ歩いていった。


(´・ω・`)「……渋澤」
 _、_
( ,_ノ` )「……」

(´・ω・`)「お前の母ちゃんの名前教えてくれ」
 _、_
( ,_ノ` )「死ね……」

(´・ω・`)「スリーサイズも合わせて教えてくれ」
 _、_
( ,_ノ` )「粉々になって死ね……」


渋澤が投げた石が、水面を跳ねていった。
気がつけば、空は夕陽で染まり始めていた。



136 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:20:39.79 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「怖いんだろう」
 _、_
( ,_ノ` )「何がだよ」

(´・ω・`)「生きる事がさ」


ハードボイルが投げた石は、一回も跳ねずに水中に沈んでいった。


(´・ω・`)「怖いから、敵視する。そうなんだろ?」
 _、_
( ,_ノ` )「……」

(´・ω・`)「……お前には、ハードボイルドの素質がある」
 _、_
( ,_ノ` )「え?」



140 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:23:09.58 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「その才能を生かして、ハードボイルドとして生きてみたらどうだ?」
 _、_
( ,_ノ` )「……くだらねえ」

(´・ω・`)「……俺が言えるのはそれだけだ。じゃあな」


そう言って、ハードボイルドは渋澤に背を向けた。
日が暮れる前には帰りたい。それがハードボイルドなのだ。

 _、_
( ,_ノ` )「……ハードボイルド、か」


遠ざかるハーレーのエンジン音を聞きながら、渋澤は一人呟いた。
事件はその日起こった。



143 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:28:02.19 ID:cvMxCUfc0
 
次の日、ハードボイルドはいつものように授業をしていた。


(´・ω・`)「いいか、これが累次積分だ。それぞれの領域を積分領域と言って……」


最初は誰一人聞いていなかった授業も、今では全員が真面目に聞いていた。
ハードボイルドの真摯な態度が、彼らの心を突き動かした結果なのだ。


(-@∀@)「た、大変です!」


突然の来訪者に、授業は中断する。
教室に飛び込んできたのは、教頭先生だった。


(´・ω・`)「どうしました?」

(-@∀@)「君のクラスの生徒が、族に拉致されたようなんです」



145 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:31:29.56 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「俺の生徒……渋澤か!」

(-@∀@)「名前はわからないんですが、異様に老けた顔をした生徒らしいです」

(´・ω・`)「ああ……渋澤だ」

(-@∀@)「警察に連絡するので、ハードボイルド先生も来て下さい」

(´・ω・`)「いや」



(´・ω・`)「うちのクラスの問題だ。うちのクラスで解決しよう」



そのあまりのハードボイルドさに、教頭は絶句した。
しばしの間悩んでいたようだが、諦めたように言った。


(-@∀@)「わかりました。お任せします」



147 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:35:01.16 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「お前ら」


生徒を見渡すハードボイルド。
その瞳に、灼熱の情熱が表れていた。


(´・ω・`)「渋澤を助け出すぞ」

「「「おおおおお!!!」」」


ハードボイルドに感化された生徒たちもまた、ハードボイルドであるのだ。


(´・ω・`)「渋澤は何処に?」

(-@∀@)「近くの廃工場にいるらしいです」



150 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:39:22.88 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「要求は?」

(-@∀@)「……貴方です」


ハードボイルドの目が鋭くなる。
生徒たちに目配せすると、彼らは無言で立ち上がった。


(´・ω・`)「さあ行くぞ。ハードボイルドとは何か、教えてやろうぜ」


生徒たちは力強く頷いた。
あの暴力と狂気の塊であった3年B組が、一丸となってクラスメイトを助けようとしている。
その姿に、教頭は感動のあまりズボンを濡らした。



154 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:48:09.30 ID:cvMxCUfc0
 


(´・ω・`)「今行くぞ渋澤ああああ!!!!!!!」


    λ三    λ三 λ三   λ三
       λ三 λ三 λ三
(・ω・` )三  λ三 λ三   λ三
  λ三  λ三 λ三    λ三
       λ三 λ三  λ三


『ハードボイルド応援歌』  歌:ハードボイルド斉藤 曲:吉岡

ハードボイルドって何だろう  卵を上手に割れる人なんだろうか
あの人は答えてくれない  だってあの人はハードボイルドだから
クロム酸カリウムって何だろう  やばい物質なんだろうか
あの人は答えてくれない  だってあの人は数学教師だから

ハードボイルド(cool guy!)  僕らは誰にも止められない
ハードボイルド(be boy!)  夕陽が僕らを呼んでいる
※以下繰り返し



162 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:53:34.66 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「渋澤!」


廃工場に入ると、数十人の族が待ちかまえていた。
その中心に、縄で縛られた渋澤がいる。

 _、_
( ,_ノ` )「ハードボイルド先生……」

(´・ω・`)「渋澤を放せ!」
 _
(*゚∀゚)「そうはいかねえ。ククク、待ってたぜ、ハードボイルドよお」


族長らしき男がハードボイルドの前に立ちふさがる。


(´・ω・`)「く……何が目的なんだ!」
 _
(*゚∀゚)「俺の顔に見覚えは無いかい?」



168 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 16:57:21.82 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「……」

 _
(*゚∀゚)

 ↓
  _
( ゚∀゚)


(´・ω・`)「お前まさか……」
 _
(*゚∀゚)「そうさ。三ヶ月前、お前のせいで捕まった立て籠もり犯の弟さ」

(´・ω・`)「奴の弟か。それで、どうして渋澤を……」
 _
(*゚∀゚)「俺はずっとお前を捜していた。ハードボイルドっていう情報しか無かったからな。
     捜すのに苦労したぜ。へへ、まさか高校の教師だったなんてなあ」

(´・ω・`)「さっさと目的を話せ!」
 _
(*゚∀゚)「焦るんじゃねえよハードボイルドさんよお」



170 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:01:17.08 ID:cvMxCUfc0
 _
(*゚∀゚)「お前と真っ向勝負しようなんて考えてねえ。
    だから人質として、お前のところの生徒をさらったんだ」

(´・ω・`)「卑怯者が……!」
 _
(*゚∀゚)「卑怯で結構さ。俺は復讐さえ果たせればいい」

(´・ω・`)「ハードボイルドの風上にもおけん男だな!
      お前にはハードボイルド鉄拳を喰らわせてやる!」
 _
(*゚∀゚)「おっと動くな」
 _、_
( ,_ノ`;)「うぐ!」


族長の手に持ったナイフが、渋澤の頬を撫でる。
その顔に、うっすらと血が滲んだ。

 _
(*゚∀゚)「動くと……グサ! ぎゃああああ……だぜ」



172 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:04:32.40 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「……お前の要求を呑む」
 _
(*゚∀゚)「簡単だ。俺たちにぶっ殺されるだけでいい」

(´・ω・`)「良いだろう」
 _、_
( ,_ノ`;)「先生! 俺に構わず、こんな奴らボコボコにしてやれよ!」

(´・ω・`)「お前を見捨てる訳にはいかない。教師として。ハードボイルドとしてな」
 _、_
( ,_ノ`;)「先生……」


族たちは、ハードボイルドを取り囲んだ。
生徒たちはどうしていいかわからず、それを遠巻きに見ている。


(´・ω・`)(こんなピンチは、ハードボイルド斉藤と戦った時以来だぜ……)



177 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:09:57.56 ID:cvMxCUfc0
 _
(*゚∀゚)「殺せえええ!!!」


族長の叫び声が引き金となり、族たちはハードボイルドに一斉に襲いかかった。
その時である。


「やめろ!」


工場の入り口付近から、何者かの声がした。

 _
(*゚∀゚)「何!?」

(´・ω・`)「君たちは……」

「2年A組の担任、吉田だ」

「2年B組の担任にて、作曲が趣味の吉岡です」

「3年A組の副担任の三吉です。ハードボイルド先生、お助けに来ました」



179 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:13:12.79 ID:cvMxCUfc0
 
やってきたのは、他のクラスの教師たちだった。
その後ろに、百人を越える生徒たちが、鉄パイプを持って待機している。


「貴方だけに、格好つけさせる訳にはいきませんよ」

(´・ω・`)「吉田先生……」

「俺たちは運命共同体じゃないか」

(´・ω・`)「吉岡……」

「あの日の約束を果たすため、参上つかまつりました」

(´・ω・`)「ありがとう三吉先生……約束どころか会話した記憶さえ無いけど」


慌てたのは族長だった。
人質がいるとはいえ、形勢が一気に逆転した事になる。



182 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:16:57.29 ID:cvMxCUfc0
 _
(*゚∀゚)「くそったれ……!」


他の族を置き去りにしたまま、族長が逃げ出そうとする。
しかし渋澤に足を引っかけられ、その場に転んだ。


(´・ω・`)「さて」


今度はハードボイルドが立ちはだかる。
既に族長に逃げ場は無かった。


(´・ω・`)「俺の生徒に手を出す奴は、ハードボイルドお尻ペンペンの刑だ」
 _
(*゚∀゚)「ひぎゃあああああああああああああ!!!!!」


絶叫と、肌を叩く乾いた音が、廃工場に響き渡った。



184 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:18:14.60 ID:cvMxCUfc0
 


(´・ω・`)「……」
 _、_
( ,_ノ` )「……」

「……」

「……」

「……」

「「「………」」」


全て終わった時、外は夕陽に染まっていた。
廃工場の中は、半殺しにされた族たちで埋まっている。



187 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/04/26(土) 17:23:48.63 ID:cvMxCUfc0
 
(´・ω・`)「大変だったな」
 _、_
( ,_ノ` )「何言ってんだよ。俺はちっとも大変だとは思ってなかったぜ」

(´・ω・`)「ほう」
 _、_
( ,_ノ` )「何てったって、俺はハードボイルドだからな」

(´・ω・`)「抜かせ」


二人の笑い声が、夕焼け空に響き渡った。
渋澤は、もう生きる事を怖がってはいない。
彼はハードボイルド。誰よりも強く、優しい男なのだから。





最終話

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