4 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:06:37.16 ID:8fPjb7uUO
―――これは、最期の最期まで人を愛せなかった魔女と、最期の最期までその魔女を愛してしまった戦士のお話し―――
第1話『終わりから始まる始まり』
川 ゚ -゚)「私が憎いか!?私が恨めしいか!?私を殺したくて堪らないか!?」
血溜めの池。
その中で叫ぶ女が一人。
(# ・∀・)「ふざけるな……ふざけるなよ、クー!!貴様、恩義というものを知らないのか!?
こんな事をして許されると思っているのか!?」
肉塊の海。
その中で叫ぶ男が一人。
5 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:08:21.95 ID:8fPjb7uUO
川 ゚ -゚)「愚問だな。本当に私がお前達と共存する事を望んでいると思ったのか?
答えは否。私はブーンやショボンを仲間だと思った事は一度もない!」
蒸発する血液。右手に殺戮兵器をぶら下げる女は鉄の香りを愛おしむようにして肺に溜め込むと、目の前の男へトドメの一言を放った。
川 ゚ー゚)「勿論、お前もだモララー」
( ・∀・)「!!」
6 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:10:54.09 ID:8fPjb7uUO
『お前も――』たった一言、1秒にも満たないこの短い台詞はモララーを激昂させ、
本格的な殺意を芽生えさせるのに十分な条件を満たしていた。
同時に、彼が彼女―――今、仲間達の死肉を踏み付けている女―――クーに対する愛情が完全に消え失せる条件も。
(|/。ωメ゚)
(´・ω/
悲劇の舞台の中央。
灰色のコロシアムの中で不敵な笑みを称えるクーの傍らには、硬い血染めの床に突っ伏す仲間達がいる。
判別できない程に顔を刻まれたブーン。頭蓋の半分を粉砕されたショボン。
あれほどの損傷、生きていられるわけが無い。例えそれが魔神とサイボーグであっても、だ。
7 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:12:47.26 ID:8fPjb7uUO
( ・∀・)「パラディンやモナー博士が言っていた事は真実だったというわけか……
それを信じなかった私達にも非はある」
(# ・∀・)「だからクー。貴様を殺し私は全ての過失を帳消しにする!オープン!!」
天にかざされた右手。呼応するかのようにモララーの頭上に顕現するは、何十何百もの兵器達。
その中の一つ、機械宝剣"ダマスカス"を彼は手に取り、その切っ先を直ぐさまクーに向ける。
『戦闘モード。コレクションNo.5』
モララーの意思に呼応したダマスカスは感情の無い声を上げると、短いモーター音をたてながらその姿を彼の手の内で変形させていく。
8 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:13:43.04 ID:8fPjb7uUO
人の身長程もある大剣。
その刀身が鮫の歯状に割れると、中から巨大な砲門が顔を覗かせた。
恐竜の口から大砲が突き出たかのようなその姿は見るからに凶悪。
無慈悲な殺傷能力を持ち合わせている事が嫌でも分かる風貌が露になる。
川 ゚ー゚)「ロマネスクを殺った奴だな。そう、それで良い。
もっとも、君の引き連れているそれらの武具全てを使ったところで私には勝てはしないだろうが……」
(# ・∀・)「黙れ。"千計のモララー"と呼ばれる由縁、今ここで見せてやる」
9 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:15:15.60 ID:8fPjb7uUO
そう言うが否や。モララーの周りに浮遊していた幾百もの剣が、刀が、銃が、
クルリと体勢を変えて一斉にクーへとその牙を向け始めた。
世にも名高き千刃の殺陣である。
もはや言葉は要らない。モララーの心の内を代弁したかのようなその光景に
"魔女"クーは思わずニヤリと口の端を上げた。
川 ー )「そうだな……これ以上の語らいは無意味。決着は互いの血で着けるとしよう」
10 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:16:49.39 ID:8fPjb7uUO
(# ・∀・)「………」
川 ー )「千計のモララー。私を愛してくれた哀れな男よ……」
紡ぐ言葉と共に魔女は構える。
必殺の兵器を。ブーン達を抹殺した悪魔の得物を。
川 ー )「さあ……」
川#゚ -゚)「かかってきょい!!!」
11 名前: 以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします。 投稿日: 2008/05/24(土) 23:18:01.57 ID:8fPjb7uUO
( ・∀・)「!?」
川 ゚ -゚)「……!!」
( ・∀・)「……」
川 ゚ -゚)「……」
( ・∀・)「……」
川 ゚ -゚)「……」
( ;・∀・)「……(セリフ!)」ボソリ
川 ゚ -゚)「……」
川 ゚ -゚)「……か」
/# ,' 3「カーートッ!!カメラを止めろ!!」
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