- 128 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:35:48.87 ID:8Gp2NzO20
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私達の想像していた以上に、ドクオは毒されていた。ドクオだけに。
もはや一個人では解決は不可能と判断し、私達は所属しているサークル『スイーツ笑』に助けを求めた。
(*゚ー゚)「ドクオ君の問題は、想像以上に深刻なようね」
コードネーム、しぃ。
かつて五百人以上の円光親父の逮捕に協力したという伝説を持つ、永遠の13歳。
その愛くるしさは、もはや性欲の対象を越えて娘として見られ大事にされるほどの能力を持つ。
彼の父親だと名乗る人物は、今なお後を絶たず世界中にパパを持つスイーツ二強の一人である。
从 ゚∀从「まさか、あのクーが頭下げるとはな。こりゃ手ごたえがありそうだぜ」
コードネーム:ハインリッヒ。
乱暴さと孤独さとその狭間に見せる寂しさで、神奈川の暴走族の頭百三十人を虜にし
かの『神奈川暴走族戦争』を巻き起こした張本人である。本人曰く「うるせーから内部から壊した」とのこと。
子供好き、実はたくましい、でも一人じゃ寂しいの、など様々なスキルを持つスイーツ二強の一人。
- 135 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:41:02.21 ID:8Gp2NzO20
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lw´‐ _‐ノv「米はうまいが、ドクオはあずき色だと思われる」
コードネーム:シュー
エロゲからいらっしゃったんですか? と言わんばかりの奇怪な性格をしている。
だが、まとわりついてくる内に愛着がわいてしまうという、まるで犬のようなスキルを持つ変則型接近タイプ。
対象となった男性は、ああこいつを分かるのは俺だけだ、という錯覚を起こしてしまい、次第に彼女に依存してしまう。
そして、気まぐれだから突然去る。彼女を追って旅に出た男性は星の数ほどいると言われている。
以上、スイーツ笑の幹部に、私達はドクオ救出の依頼を頼み込んだ。
川 ゚ -゚)「こちら、依頼料でございます」
ξ゚听)ξ「あんた、そんな大金どこに隠し持ってたのよ……」
川 ゚ -゚)「ま、女の子ってのはそれだけで商品になりえ……ごほんごほん」
- 139 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:44:35.67 ID:8Gp2NzO20
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(*゚ー゚)「じゃあ、いきましょうか。天国に連れて行ってあ・げ・る」
――――コスプレ、大人の玩具、拘束するアレその他。
从 ゚∀从「ま、あたしらに任しときな。大船に乗ったつもりで待ってなよ」
――――今、日本屈指と言われる女神達が、とある男を救う為に。
lw´‐ _‐ノv「うまうま」
電子の世界に住んでいると言われる、奇人ドクオを討伐するべく
最強のチームとなって、彼を誘惑するッ……!
さあ、戦争を始めよう。
- 146 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:48:38.09 ID:8Gp2NzO20
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(*゚ー゚)「おとーさん、好き。もふもふさせてー。うわ、もじゃもじゃー」
从 ゚∀从「ダメだ。アタシに付き合っても……あんたは幸せにはなれないよ」
lw´‐ _‐ノv「お前の米を飲み干したい」
ξ゚听)ξ「あ、あんたのそれ、抜いてあげてもいいけど?」
川 ゚ -゚)「久々に、姉ちゃんと風呂はいるか?」
もふもふ
ぼいーん
ポロリ キャー
そーれわっしょいわっしょい
どすこい!そぉいどすこーい!! クー、それちゃう。それ力士や。
ショボンを呼んで来たわ!ホモ用に!
いいのかい?僕はノンケでも食っちまう男なんだぜ。
米と共に酒になればいいのに。
('A`)「そうっすね。ええ。そろそろ追加パッチがきますねー」
- 156 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:52:29.63 ID:8Gp2NzO20
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一時間後。
そこには、乙女の屍がごろりごろりと無残にも転がっていた。
川 ゚ -゚)「何てことだ……我々は、無力だ……」
(*゚ー゚)「わ、私の、攻撃が無力化された? こんなの、初めて、よ」
从 ゚∀从「見えない。あたし、もう見えないぃぃぃ!」
lw´‐ _‐ノv「国へ帰ります」
ξ゚∀゚)ξ「あははははははははははははははははは。
胸よ、世界は胸で出来ているの!貿易でも胸は世界一の輸出量なの!」
壊れていく仲間達を見て、私の心にもついに諦めと言う言葉が浮かんできた。
川 - )「……あぁ」
無理だったんだ。
私は、ドクオを救う事が出来なかったんだ。
- 163 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:55:46.66 ID:8Gp2NzO20
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ネトゲの魔力は、私達全員の力をもっても打ち破る事が出来なかった。
そう。ドクオはもうあちら側の人間になてしまったのだ。
川 ゚ -゚)「何故だ、何故……ドクオがっ! 私の弟が何をしたッ!」
ξ゚听)ξ「クー……」
川 ゚ -゚)「私は無力だ……! 弟の一人も救えなかった……!」
涙が、零れ落ちた。もう枯れ果てたと思っていた涙が、頬を伝って落ちていく。
思えば、私はドクオに酷い仕打ちばかりをしてきた。
―回想―
川 ゚ -゚)「ようブサイク。私の弟だってほざいたら評判落ちるからやめてね」
('A`)「……」
川 ゚ -゚)「半径二メートル以内に近づいたら通報する」
回想終わり
- 172 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 00:59:11.12 ID:8Gp2NzO20
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ξ゚听)ξ「そんな……諦めたらそこで試合終了よ、クー」
川 ゚ -゚)「でも、もう打つ手が……」
(*゚ー゚)「諦めちゃダメ!」
泣き崩れる私に、しぃが手を差し伸べた。
(*゚ー゚)「ドクオ君を救えるのは、あなたしかいないのよ!? お姉さんなんでしょ!?」
川 ゚ -゚)「しぃ……」
从 ゚∀从「そうだよ。負けっぱなしで引き下がるのは、女じゃねえ。それはただのスイーツだ」
ハインも、血だらけになった髪をはらい、起き上がる。
lw´‐ _‐ノv「自然の力はまだ死んでいない」
シューは、パンツに下駄というマニアックな姿になりながらも、その瞳は闘志に溢れていた。
- 175 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:02:28.41 ID:8Gp2NzO20
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川 ゚ -゚)「皆、どうしてそこまで……。まさか、友情とか言わないだろうな?
ふふ、よしてくれ。私は部費をホストにつぎ込んで脱退した女……スイーツから追い出されて当然だったんだ」
(*゚ー゚)「友情? 違うわね」
しぃが、口を開く。
瞬間、メンバー全員の声が、一つとなってアパートの部屋に響き渡った。
(*゚ー゚)从 ゚∀从lw´‐ _‐ノvξ゚听)ξ
「「私こそが、一番美しい女性だと証明する為にっ!!!」」
川 ゚ -゚)「なっ……」
愕然とした。
こいつらは、金や私利私欲の為に協力しているわけではない。
女としてのプライド。それを確立する為に。
オンリーワンでなく、ナンバーワンになる為に、ドクオを落とそうとしているのだ。
- 178 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:04:37.37 ID:8Gp2NzO20
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川 ゚ -゚)「ふふ……そうか。そうだったな」
ここにいる女は、馬鹿な男に騙されるわけでもなく。
幸せな家庭を築きたいという平凡な夢を持っているわけでもなく。
ただ、己を磨く為に、生きている。
そういう女達なのだ。
川 ゚ -゚)「よし、もう一度やろう! 私達の中で誰が一番か証明する為に!
そして、ドクオを救いもう一度人生をやり直させる為に!」
「「応!!」」
川#゚ -゚)「落として性を打ち立てろ!!!」
再び、女達の魂に火がついた。
- 182 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:07:18.37 ID:8Gp2NzO20
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ドガシャアアアン!!!
(#ФωФ)「うるせえぞコラァァァァ!!!!」
と、ギリギリのパロディをやったその時だった。
隣の部屋のおっさん(名称不明)が、あまりのうるささに飛び込んできたのだ。
(#ФωФ)「今、何時だと思ってんだコラ!!俺は明日も会社なんだよ!!」
川 ゚ -゚)「あぁん? こっちはそれどころじゃないんじゃ!」
(*゚ー゚)「そうじゃそうじゃ! 独身リーマンはひっこんどれ!」
(#ФωФ)「ピーピーうるさい言うとろうがああああ!」
- 189 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:10:24.34 ID:8Gp2NzO20
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('A`)「……!」
瞬間、ドクオが初めてこちらの方へ振り返った。
ここにきて遂に、彼がこちら側の世界へと関心をしめしたのだ。
川 ゚ -゚)「ドクオ!? ついに私の魅力に気付いたのか!?」
(*゚ー゚)「いや、私でしょ? ドクオ君、そうでしょ!?」
ξ゚听)ξ「私よ、私の胸チラね!?」
从 ゚∀从「あたし、もう薬やめる・・・!」
lw´‐ _‐ノv「ええい、下駄か? 下駄がきいたのか?」
('A`)「その喋り方……ロマさん、なのか?」
( ФωФ)「なっ……そのPC画面に映るキャラ、君はドクオ……!?」
- 195 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:14:12.08 ID:8Gp2NzO20
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川 ゚ -゚)「え?」
状況が分からず、混乱している私達を他所に、二人は何故か親しげな笑みを浮かべあっている。
('A`)「あの、あのさ……この間は、その、ごめん。酷いこといって……。
俺、本当はあんな事言うつもりじゃなかったんだ」
( ФωФ)「ああ、わかってるさ。俺だって、ずっとドクオの事が気がかりだった」
('A`)「あんたさ、あの時、俺に言ってくれたよな? リアルとゲームは違うって。
……正直、結構堪えたんだぜ、あれ。俺を叱る奴なんて、今までいなかったからさ。
カーチャンも、トーチャンも、みんなブサイクな俺を哀れんで、腫れ物を扱うような扱いで」
('A`)「初めてだったんだ。俺を本気でPKしてくれた奴は」
- 201 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:17:41.19 ID:8Gp2NzO20
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川 ゚ -゚)「PKって何だ……?」
ξ゚听)ξ「プレイヤーキラーの事じゃないかな……ほら、プレイヤーがプレイヤーを殺すあれ」
(*゚ー゚)「そんなことはどうだっていいのよ……この空気、嫌な感じだわ……」
从;゚∀从「まさか、まさかとは思うけどよ」
lw´‐ _‐ノv「作者は……落ちを狙っている……!」
私達が困惑する中、もはや地の文もてきとーになりつつあるこの状況。
嫌な風が、頬を撫でる。
そして。
( ФωФ)「俺も、ドクオの真剣さに触れてから、ずっと悩んでいたんだ。
くだらねぇ現実を生きて、楽しいのかって。ずっと考えて、苦悩していた
俺はあんたが羨ましかったんだ」
('A`)「はは、可笑しいな。俺は、ちゃんとゲームをゲームと割り切っているあんたが羨ましかった。
俺もこのままじゃダメだって、うすうす気付いていたんだ」
- 211 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:21:41.45 ID:8Gp2NzO20
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川 ゚ -゚)「待て、待つんだ。まだ夜は長いぞ」
(*゚ー゚)「そうよ。これは前半でしょ?後半は明日でしょ?ねえ」
从;゚∀从「これで終わったら世界中のあたしのファンが泣くって、まだ濡れ場が」
ξ゚听)ξ「ハッピーエンドはもう見飽きたでしょ?はい、そろそろ場面かわって!はい!はい!」
lw´‐ _‐ノv「実は……皆も、私達に興味なし……?パイナップル」
おい、ここは私が説教して終わる落ちでどうだ?
つーか、この話の主人公はこの私、クー様じゃないのか!?
( ФωФ)「どうだ? 試しに、お互い違った生き方を選択してみると言うのは」
('A`)「え……?」
( ФωФ)「俺は、今度はそっちで生きる。バーチャルの世界がリアルで、リアルの世界がバーチャルだ。
仕事もやめて、ネトゲだけに打ち込んで見せるよ。あんたのように」
('A`)「じゃあ、俺はあんたの生き方ってやつをやってみる。うん、たまにはいいかもしれないな……こっちも、さ」
- 218 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:24:27.30 ID:8Gp2NzO20
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( ФωФ)「好きに生きてみるのも、いいんじゃないか?」
('A`)「あんたもな」
ロマネスクとドクオの視線が交わる。
そこにあるのは、男の友情。真っ直ぐに生きられない、不器用な二人の男の狂想曲。
( ФωФ)「今度また会う時は、君が私をPKしてみろ」
('A`)「その時はまた、互いの価値観が入れ替わるかもな」
そう、人生は何が起こるか分からない。
どんなにどうしようもない依存も、小さなきっかけがあれば、抜け出せるかもしれない。
しかし、依存になるきっかけもまた、小さいもので構わないのだ。
- 225 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:27:14.13 ID:8Gp2NzO20
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エピローグ
――その後の事を、少しだけ語っておこう。
ドクオは今、大学六年生として立派に大学生をやっている。
母親に頭を下げて、なんとか中退は免れたようだ。
川 ゚ -゚)「なあなあ、ドクオ。さっきから私の台詞が」
('A`)「それじゃ、行ってくるよ。クー姉ぇ」
姉との距離も、少しずつだが埋まってきているようだ。
かつて彼を苦しめていた劣等感は、今はもう見る影も無い。
川 ゚ -゚)「おい、私の一人称はどこいった」
- 233 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:30:00.81 ID:8Gp2NzO20
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ロマネスクがどうなったかは、ドクオは知らない。
彼は彼なりに考え抜いて、自分の道を選択した。
('A`)「自分の人生は、自分で切り開く、か」
他人がとやかく言うのは、お門違いだという名言だ。
ドクオは今、ようやくその意味を理解しつつあった。
('A`)「俺の未来は、俺自身で決めてやるさ」
なあ、ロマネスク。
今、あんたはどんな世界にいるんだい?
どっちの世界がいいかなんて、人それぞれだと言う事をあんたは教えてくれた。
- 236 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:32:33.61 ID:8Gp2NzO20
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('A`)「あ、ヒートちゃーん!!」
どちらにせよ、俺はこの選んだ世界で、全力で生きてみようと思う。
ネトゲの世界でも、全力を出したんだ。
リアルでも、バーチャルでも、本質は変わらない。
――そこで一所懸命生きる事が、何よりも
大切な事なんだ――
ドクオは、手を振りながら、坂道を駆け上がっていった!
fi川 ゚ -゚)「ちょっと待て!せめてあと一レスくれ!」
- 241 名前:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします 投稿日:2008/08/21(木) 01:35:46.22 ID:8Gp2NzO20
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川#゚ -゚)「……で、どう落ちをつけるって」
ξ゚听)ξ「さあ。とりあえず、私達は部屋で待機って言われたんだけど……」
どたどたどた!
川 ゚ -゚)「何このてきとーな擬音。いい加減にしろよ」
(*゚ー゚)「クー、ツン。いい儲け話があるんだけど、乗らない?」
川 ゚ -゚)「はいはい。残りレスも少ないから話だけでも手短に聞こう」
(*゚ー゚)「ロマネスクって廃人さんをね、こっちの世界に戻すのにアプローチして欲しいんだって!
この間の戦争の続き、やってみない?」
クーは、ただひたすらに思った。
――――この最後のレスは蛇足ですね、わかりますと。
川 ゚ -゚)クーがアプローチするようです
fin
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